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海外競馬ニュース
2022年03月17日  - No.10 - 4

ウォード調教師のトロフィーの窃盗犯が逮捕される(アメリカ)[その他]


 2月にウェスリー・ウォード調教師の自宅(ケンタッキー州ヴァーサイルス)からロイヤルアスコット開催のトロフィーボックスが盗まれた事件に関与したとされる1人が逮捕されたと、ヴァーサイルス警察署のロブ・ヤング副署長が3月10日に発表した。また、かなり破損しているものの一部のトロフィーは回収されたという。

 ウォード調教師は回収されたトロフィーボックスの写真を転送して、「残念なことに、犯人たちはそれらを燃やそうとしたのです」と述べた。

 3月9日、1,000ドル~1万ドル(約11.5万~115万円)の盗品収受の罪でブライアン・ワイリー氏(47歳)がファイエット郡刑務所に収容された。

 ウォード調教師はロイヤルアスコット開催で最多勝を挙げている米国人トレーナーである。2009年にストライクザタイガーとジェラスアゲインで1勝目と2勝目を挙げ、昨年のコモンウェルスカップ(G1)ではカンパネッレで12勝目を挙げた。

 ウォード調教師にとって盗まれた数々のトロフィーにはあふれんばかりの感情的価値があった。その1つは、2015年ダイヤモンドジュビリーS(G1)をアンドラフテッドで制した際にエリザベス女王から贈呈されたトロフィーである。

 デイリーレーシングフォーム紙のマーティ・マギー記者がツイッターでこの逮捕とトロフィーの回収を最初に報じた。

 ウォード調教師は3月10日、ほかにも共犯者がいて逃亡している可能性があると考えていると述べた。ヤング副署長は捜査が進行中であることを理由にコメントを控えたが、「ウォード氏の盗まれたトロフィー14個のうち半分が回収されました。刻印された部分が焼損していることから、売却できるように出どころを隠そうとしたのでしょう」と語った。

 ヤング副署長は捜査が進行中であることにふたたび触れ、無差別の犯行だったのか、ワイリー氏がウォード調教師のことを知っていたかについてのコメントは控えた。ウォード調教師は3月10日の本誌(ブラッドホース誌)のインタビューで、誰に容疑が掛けられているのか知らず、逮捕されたのは2人だと思いこんでいたと述べ、「トロフィーが破損していたとしても逮捕されて良かったです。家に押し入った人が捕まって、少し気が楽になりましたね。彼らは二度とあんなことはしないでしょう」と語った。

 ウォード調教師は窃盗に遭った日、自宅の防犯カメラから通知を受けていた。そこには、犯人と思われる黄色いジャケットを着た人物のスクリーンショットが表示されていたが、その顔は写っていなかった。

 また、2014年にジュディザビューティーがBCフィリー&メアスプリント(G1)を制した際のトロフィーも持ち去られていた。

 ヤング副署長によると、ヴァーサイルス警察署・モンゴメリー郡保安官事務所・レキシントン警察署の協力のもと、ワイリー氏はファイエット郡で逮捕されたという。

 この週はウォード調教師にとって過酷なものとなった。3月6日に落雷による厩舎の火災で3頭の馬を失ったのだ。

 ウォード調教師は「それに比べたら、これらのトロフィーの件など何でもありません」と述べた。

 犠牲となった3頭の中には前述のストライクザタイガー(15歳)がおり、この馬は現役引退後にウォード厩舎のリードホースとして活躍していた。そのほか、5歳のモデスト(Modesto)と未勝利の2歳馬(父フーテナニー)が命を落とした。

By Byron King

(1ドル=約115円)

 (関連記事)海外競馬ニュース 2022年No.6「ウェスリー・ウォード調教師、トロフィーの窃盗被害に遭う(アメリカ)」、No.9「ウォード調教師、厩舎の火災によりロイヤルアスコットの優勝馬を失う(アメリカ)

[bloodhorse.com 2022年3月10日「Arrest Made in Theft of Ward's Royal Ascot Trophies」]


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