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2021年11月18日  - No.43 - 5

シーマー調教師、チェチェン共和国の首長と関わったことで免許停止処分(ドバイ)[その他]


 アラブ首長国連邦(UAE)でリーディングタイトルを6回獲得しているサティシュ・シーマー調教師は、免許停止処分を受けた。チェチェン共和国のラムザン・カディロフ首長との関係を理由に、米国の制裁リストに掲載されたのだ。

 シーマー調教師は、今回の免許停止処分がメイダン競馬場でG1を制したノースアメリカを調教したことに関連することを明らかにした。同調教師の助手であるブパット・シーマー(Bhupat Seemar)氏が免許を引き継ぎ、11月18日に自身の名義で初めて管理馬を出走させる予定である。

 サティシュ・シーマー調教師は声明においてこう述べている。「エミレーツ競馬協会(Emirates Racing Authority)より免許を一時的に停止するとの知らせを受けました。その停止期間はただちに始まります。元顧客の1人が米国の外国資産管理局(OFAC)のリストに含まれているためです」。

 シーマー調教師は免許停止の理由がカディロフ首長の所有馬を管理したことに関連することを確認したうえでこう語った。「問題の馬、ノースアメリカはザビールレーシングステーブルスではもはや調教されておらず、UAEから輸出されています。この事案はワシントンDCの弁護士に提出されており、近いうちに私の名前がリストから削除されると確信しています」。

 「追って通知があるまでにブパット・シーマー氏が調教師免許を保持し、ザビールレーシングステーブルスの優秀なチームとともに、過去30年間保ってきた高い水準で調教を継続できるように努力します」。

 シーマー調教師は2020年12月10日、米国財務省によりOFACの制裁リストに加えられた。同調教師を"カディロフ氏のネットワークの著名なメンバー"としているプレスリリースには、「カディロフ氏の所有馬を管理するサティシュ・シーマー調教師は、カディロフ氏を実質的に支援し、スポンサーとなり、財政的な物資や技術的な支援、商品やサービスの提供を行ってきました」と記されていた。

 またOFACは、カディロフ氏が2017年に深刻な人権侵害を理由にリストに掲載されて以来、同氏の指示のもとで準軍事組織カディロフツィーが、"極悪非道の活動"を継続して行っていると主張している。

 その中には、「チェチェン共和国でのLGBTIの人々の誘拐、拷問、殺害」が含まれる。またカディロフツィーは、「違法な拉致、拷問、司法権のおよばない殺人」でも非難されている。

By Jonathan Harding

 (関連記事)海外競馬ニュース 2014年No.45「BHA、カディロフ首長の英国競馬界復帰を阻止(イギリス)

[Racing Post 2021年11月15日「Trainer Satish Seemar's licence suspended over links to Chechen leader Kadyrov」]


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