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海外競馬ニュース
2019年12月19日  - No.49 - 3

英国でビーチレーシングを創設する構想(イギリス)[その他]


 フェイクナム競馬場の馬場取締委員のデヴィッド・ハンター(David Hunter)氏はアイルランドのレイタウンに触発され、ノーフォーク北部で英国初のビーチレーシングを創設することを構想している。十分な支持が得られれば実現に向かうかもしれない。ニューマーケットの数人の調教師がすでに、このアイデアに対し興味を示している(訳注:レイタウンでは151年前からアイルランドで唯一のビーチレーシングが開催されている。平均観客数は約5,000)。

 ハンター氏は今年9月、毎年開催されるビーチレーシングを見るためにレイタウンを訪れ、着想を得た。そしてホルカム(ノーフォーク北部の村)の長さ4マイル(約6.4 km)の砂浜を、英国でのビーチレーシング初開催というアイデアを実現させる候補地としている。

 フェイクナム競馬場から12マイル(約19.3 km)北にあるホルカムの砂浜は、1年を通じてニューマーケットの調教師がよく訪れる場所である。ノーフォークの海岸に管理馬を連れてきて、リフレッシュさせたり海で泳がせたりする調教師もいる。

 ビーチレーシングを開催するまでに乗り越えなければならない無数のハードルがあるだろう。しかしハンター氏は、この計画は実行可能であり、競馬を多様化させるのに一役買うことができると考えている。

 同氏はこう語った。「今年初めてレイタウンに行き、大変気に入りました。"広大な砂浜があるノーフォーク北部かイーストアングリアの海岸で同じようなことができるのではないか?"と考えながら帰ってきました」。

 「来年はフランスなど欧州大陸で行われているビーチレーシングをいくつか見に行きたいと思っています(訳注:フランスでは、ブルターニュ地方の2つの村でビーチレーシングが行われている)。ノーフォークではさまざまな観衆を引き付けようとしているので、ビーチレーシングをうまく開催できるのではないかと考えています」。

 ハンター氏はこのビーチレーシングを創設する提案が順調に進めば、このイベントを歓迎するファンはすでに十分いると思っており、こう続けた。

 「ノーフォークの海岸には、夏の数ヵ月間に数十万人もの観光客が訪れます。ホルカムは、アクセスのために利用する車道"レディアンズドライブ"がやや狭いものの、立派な開催候補地となります」。

 「この海岸沿いの他のビーチと同様に、ホルカムには広々とした砂浜があります。ただし、どのビーチにしろ土地所有者や他の利害関係者との話合いが必要になるでしょう」。

 「もし実現するならば、人気のイベントになるに違いないと考えます。それにニューマーケットから車でわずか90分ほどなので、調教師たちの支持も得られると確信しています」。

 ニューマーケットの調教師でこのアイデアを支持しているのは、これを評価するのにうってつけの立場にあるフィル・マッケンティー(Phil McEntee)調教師である。

 同調教師はこう語った。「私たちは過去にレイタウンに管理馬を出走させ優勝しました。もし英国でビーチレーシングが行われるのであれば、ホルカムのような場所は素晴らしい開催地となるでしょう」。

 「レイタウンでは7ハロン(約1400m)を上回る距離のレースはできません。ホルカムはそれよりも長い距離のレースを施行でき、レイアウトは完璧です。もってこいの開催地と言えます」。

 同じくニューマーケットを拠点とするマーティン・スミス(Martin Smith)調教師はこう述べた。「ここでビーチレーシングが行われるならば、とても嬉しいですし、絶対に支援します」。

 「私はベルギーで育ち、冬場はビーチで馬を調教していました。全然問題はありませんでした。とても珍しい競馬になるので、新たな観衆を引き付けるに違いないと考えています」。

 ガイ・ケルウェイ(Gay Kelleway)調教師もハンター氏のアイデアを支持しており、「ここでビーチレーシングを開催することに諸手を挙げて賛成します」と語った。

By David Milnes

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[Racing Post 2019年12月10日「Beach racing could be on its way to Britain as Fakenham clerk hatches bold plan」]


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