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2019年12月19日  - No.49 - 1

ペガサスワールドカップ、薬物使用を禁止し、賞金は大幅引下げ(アメリカ)[開催・運営]


 ストロナックグループ(The Stronach Group:TSG)は12月15日、「2020年1月25日(土)にガルフストリームパーク競馬場で施行されるペガサスワールドカップ招待S(G1)とペガサスワールドカップターフ招待S(芝G1)では、競走当日の薬物使用は認められません。また総賞金はそれぞれ300万ドル(約3億3,000万円)と100万ドル(約1億1,000万円)になります」と発表した。

 この新たな形式は、IFHA(国際競馬統括機関連盟)の基準を満たすものである。また獲得賞金の2%を競走馬のアフターケアに提供するという新たな一歩を踏み出すことになる。

 TSGの会長兼理事長であるベリンダ・ストロナック(Belinda Stronach)氏はこう語った。「ホースマンと馬に対して薬物を使用することなくレースに出走する機会を提供することで、私たちは競馬というスポーツの将来に投資しています。ペガサスワールドカップ招待シリーズは常に革新的なものであり続けてきました。競走当日の薬物使用の禁止と競走馬のアフターケアへの資金還元を実施することは、競馬をより現代的で持続可能かつ安全なものにし、過去の成果を超えて一層進化させるために競馬産業内で話合いが持たれていることを示しています」。

 TSGの競走担当CEOであるクレイグ・フレイヴェル(Craig Fravel)氏はこう述べた。「ペガサスワールドカップ招待シリーズは、ただ1つのゴールを目指して進化しています。そのゴールとは、馬主が利益を得る機会をもたらす一方で、競走馬の現役時および引退後のケアを考慮しつつ、全ての競走馬と騎手にふさわしい安全レベルを提供することです」。

 TSGの最高獣医責任者のディオーヌ・ベンソン(Dionne Benson)博士はこう語った。「私たちは獣医師チームを拡大し、全ての出走登録馬(前座レースも含む)がガルフストリームパークに滞在している間も、調教中も、そして競走当日も監視します。ガルフストリームパーク競馬場の内部ルールはIFHAの基準を満たしており、サンタアニタパーク競馬場などストロナックグループの施設で実施されているルールに倣っています」。

 厳重な競技外検査と「14日間の関節内注射の休止」や「48時間の非ステロイド系抗炎症薬投与の休止」などを含む薬物プロトコルの厳格化に加え、ペガサスワールドカップ開催日前の14日間の診療記録の提示がすべての出走馬に義務付けられる。

 ベンソン博士はこう付言した。「競走当日の薬物使用を禁止してペガサスワールドカップとペガサスワールドカップターフを開催することは、2021年までにすべての重賞競走で競走当日の薬物使用を段階的に禁止するための試金石になります。そしてこのイベントを、変わりつつある競馬の文化に合ったものにします。私たちは競馬における人馬の健康と安全を最優先します」。

出走枠購入システムを廃止

 2020年のペガサスワールドカップ招待シリーズ(4歳以上)の賞金総額400万ドル(約4億4,000万円)は全て、ストロナックグループにより提供される。これまでペガサスワールドカップとペガサスワールドカップターフで採用されてきた出走枠購入システムは廃止される。

 ペガサスワールドカップ招待Sはダート1800m、ペガサスワールドカップターフ招待Sは芝1900mで施行される。

 2017年に設立されたペガサスワールドカップは当初、ダート競走のみであった。第1回目の総賞金は1,200万ドル(約13億2,000万円)で、2018年は1,600万ドル(約17億6,000万円)に引き上げられた。2019年にはペガサスワールドカップターフが追加され、ダート競走は総賞金900万ドル(約9億9,000万円)、芝競走は総賞金700万ドル(約7億7,000万円)で施行された。出走枠は、2017年と2018年は100万ドル(約1億1,000万円)、2019年は50万ドル(約5,500万円)で販売された。

 ペガサスワールドカップのレースはNBCで午後4時30分~6時(東部標準時)に放映される。

By Blood-Horse Staff

(1ドル=約110円)

 (関連記事)海外競馬ニュース 2018年No.36「ペガサスワールドカップデーに芝レース追加(アメリカ)

[bloodhorse.com 2019年12月15日Pegasus World Cup to Run Medication-Free, Purses Drop」]


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