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2019年12月05日  - No.47 - 2

ターフウェイパーク、チャーチルダウンズ社の所有となり賞金大幅増加(アメリカ)[開催・運営]


 ターフウェイパーク競馬場(ケンタッキー州北部)は12月4日(水)、ホリデー開催[12月4日~31日の水曜日~土曜日。例外として25日(水)休業/31日(火)開催]を開始する。同競馬場の新たなオーナーであるチャーチルダウンズ社(Churchill Downs Inc.: CDI)が、所有するヒストリカルレーシング施設ダービーシティゲーミング(Derby City Gaming ケンタッキー州ルイビル)の収益から数百万ドルを拠出することで、賞金は大幅に増加する(訳注:ヒストリカルレーシングとは、スロットマシンに似たゲーム機であり、配当金を確定する際に過去のレースを利用する)。

 ホリデー開催の1日目と2日目のレースにはあっと言う間に出走馬が集まった。12月4日(水)の8レースのうち7レースはフルゲートの12頭立てで施行される。12月5日(木)の8レースのうち6レースにもフルゲートを超える出走登録が殺到した。

 賞金が引き上げられたことにより、これほど多くの出走馬が集まったのだろう。ケンタッキー州サラブレッド開発基金(Kentucky Thoroughbred Development Fund:KTDF)を通じてケンタッキー州産馬にインセンティブが与えられるターフウェイパーク競馬場のレースには、大金が流れ込む。未勝利戦の総賞金は4万6,000ドル(約506万円)であり、アローワンス競走の総賞金は5万ドル(約550万円)以上である。

 ホリデー開催(全16開催日)における1日の賞金総額は、平均で20万ドル(約2,200万円)以上になるとされており、昨年の倍以上となる。なお、ホリデー開催が終了すれば、すぐに冬/春開催[1月1日~3月28日の木曜日~土曜日。例外として1月1日(水)開催]が施行される。

 CDIのCEOビル・カースタンジェン(Bill Carstanjen)氏はこう語った。「冬場の競馬開催日が減少するという大きな穴があれば、素晴らしいサーキット(ある地域内で開催日が重ならないように日程を合議して決められた競馬場一群)を築くことはできません」。

 賞金体系の変更の先には、4ヵ月後に古いターフウェイパーク競馬場を近代的な競馬場とする計画が待っている。3月28日に冬/春開催が終了すれば、1959年に建てられたグランドスタンドは取り壊され、最終的にヒストリカルレーシング1,500台が設置される新施設を建設する準備が始められる。CDIは同競馬場を4,600万ドル(約50億6,000万円)で購入したのに加え、1億ドル(約110億円)の投資を約束している。

 2021年夏に完了予定のCDIの設備投資は、ヒストリカルレーシングの収益性がきっかけとなった。

 現在ケンタッキー州では、4つのヒストリカルレーシング施設が運営されている。このゲーム機はパリミューチュエル賭事運営免許を持つ施設にしか設置できない。6月30日までの事業年度において、これら4施設は合計で20億3,000万ドル(約2,233億円)の収益を上げ、前年度の10億9,000万ドル(約1,199億円)から85%増加した。また、2019年7月~10月の収益は9億800万ドル(約998億8,000万円)に上り、昨年同期と比較して93%増加している。

 10月に最も多額の収益を上げたのは、ダービーシティゲーミング(Derby City Gaming CDIのトラックサイド調教センター敷地内にある)である。ルイビルにあるこの施設はインディアナ州のカジノ・スポーツ賭事市場と競合する中で、9,600万ドル(約105億6,000万円)以上もの収益を上げた。

 一方、ターフウェイパーク競馬場はインディアナ州とオハイオ州の本格的なギャンブル施設に取り囲まれている。

 ホースマンによれば、同競馬場の前のオーナー、ジャックエンターテインメント社(Jack Entertainment)とその後のハードロックインターナショナル(Hard Rock International)は厩舎地区を放置していたが、CDIはこの地区で必要な改修工事に取り掛かっている。なお、これまでのオーナーはシンシナティ近郊にカジノを所有していたが、ターフウェイパーク競馬場にヒストリカルレーシングを設置することはなかった。

 CDIはこの秋、ホースマンとイリノイ州競馬委員会(Illinois Racing Board)の数人のメンバーによる批判に晒された。賞金額を増加させる収益をもたらすかもしれないアーリントンパーク競馬場(イリノイ州)のカジノ運営免許を、税率に納得できないとして申請しなかったからである。なおCDIは、同競馬場から約15マイル離れた場所にあるリヴァーズ・カジノ(Rivers Casino)の株式の過半数を保有している。

 ケンタッキー州ホースマン救済協会(Kentucky Horsemen's Benevolent and Protective Association)の専務理事であるマーティ・マリーン(Marty Maline)氏は、CDIがターフウェイの所有者になったことについて、「CDIは契約書のインクが乾くとすぐに、私たちが要求していた厩舎地区の改修に着手しました。これからまだ長い道のりがあり、今年中に全てが完了することはありません」。

 ターフウェイパーク競馬場は3月末まで、全レースをポリトラックコースで施行する。しかし、CDIはそのような人工馬場でのレースを補強するために、ポリトラックコースの内側にダートコースを敷設することを提案している。毎年3月に施行される看板レースであるジェフルビーステークス(G3)は、ケンタッキーダービーのちょっとしたプレップレースとして機能してきたが、ダートに転換されるかもしれない。

 ホリデー開催と冬/春開催において、ステークス競走はホリデーイノーギュラルS (12月6日)を皮切りに全11レース施行される予定であり、最低賞金額は5万ドル(約550万円)から7万5,000ドル(約825万円)に引き上げられる(KTDFを含む)。

 近年マーティン・ガルシア(Martin Garcia)、アルビン・ヒメネス(Albin Jimenez)、アラン・ガルシア(Alan Garcia)などの騎手が加わったことで、騎手の層は厚くなった。ただ、マーティン・ガルシア騎手を含む数人の騎手が1月24日に始まるオークローンパーク開催(アーカンソー州ホットスプリングス)で騎乗するので、1月にはその層がやや薄くなると予想されている。

 ターフウェイの常連であるマイク・メーカー(Mike Maker)調教師とウェスリー・ウォード(Wesley Ward)調教師などがリーディングタイトルを争うと見られている。ターフウェイと疎遠になっていたが、出走馬を連れて帰ってくるのは競馬殿堂入りトレーナーのスティーヴ・アスムッセン調教師である。初日に1頭、2日目に2頭を出走登録している同調教師は、この10年間でたった3頭しかターフウェイで出走させていない。最後に優勝したのは2008年の9月開催でザンジェロ(Zanjero)がケンタッキーカップクラシックS(G2)を制したときだった。

 カースタンジェン氏は、「私たちはターフウェイパーク競馬場を支援しようとしていますが、同競馬場が質の高い競馬映像を提供して軌道に乗れば、ゆくゆくは逆にキーンランド競馬場やチャーチルダウンズ競馬場を支援してくれるでしょう。ファーストクラスの競馬施設を見たいと思っています。また、ターフウェイパーク競馬場が冬場にレースを施行する素晴らしい競馬場として、再び全米でも注目を浴びることを楽しみにしています」と付言した。

By Byron King

(1ドル=約110円)

(関連記事)海外競馬ニュース 2019年No.35「チャーチルダウンズ社、ケンタッキー州北部に新競馬場の建設を提案(アメリカ)

[bloodhorse.com 2019年12月3日

「Turfway Park Opens Under Churchill Downs Inc. Ownership」]


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