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海外競馬ニュース
2019年10月31日  - No.42 - 2

チャイナホースクラブのセントルシアにおける競馬場開発(セントルシア)[開催・運営]


 「チャイナホースクラブ(China Horse Club:CHC)の創設者が関与する巨額の競馬場建設のために、政府が多数の馬を購買したのではないか?」という噂が広がり、セントルシア政府は嵐のような批判に晒されている。

 この競馬場建設は、CHCの創設者テオ・アー・キン(Teo Ah Khing)氏が所有するデザート・スター・ホールディングス社(Desert Star Holdings : DSH 香港を拠点とする)により行われ、豪華な"カリブ海パール統合開発"の第一段階である。CHCは、数ヵ国において競馬シンジケート事業を展開している。

 しかし、この計画は反対派のセントルシア労働党(SLLP)により非難されている。SLLPは政府に対し、「他の分野よりも競馬を優先しており、傲慢で思いやりがない」とレッテルを貼っている。

 セントルシアにおける競馬の開始はずっと延期されてきた。伝えられるところによると、馬の購買を含む競馬開催のための費用が当初の見積もりの500万ドル(約5億5,000万円)から3,000万ドル(約33億円)近くに膨れ上がっている。開発計画全体の費用は26億ドル(約2,860億円)に上ると予測されている。

 それでも、ロイヤルセントルシアターフクラブ(Royal St Lucia Turf Club)の役員は、オープニングの競馬開催を12月13日に計画している。メインレースは総賞金15万ドル(約1,650万円)のピトンズカップであり、米国のペガサスワールドカップ(G1)や豪州のジ・エベレストと同様のシステム(出走馬関係者が出走権を購買する)で施行される。

 最初に行われる競馬開催に向けて40頭の馬がセントルシアに到着している。セントルシア政府は、「健康・教育・犯罪防止などの分野に使われるはずの資金が競馬のテコ入れのために使われているのではないか?」という批判を受け、政府がこれらの馬を購買したという疑惑を否定せざるを得なかった。

 アレン・シャスネ首相の主任コミュニケーション専門官であるニコール・マクドナルド(Nicole McDonald)氏はこう語った。「開発が進んでいるにもかかわらず、この功績を傷付けようとする者が結託してデマを広げ続けています」。

 「セントルシア政府がこの競馬開催で担う役割をめぐって誤解が生じています。その誤解を解くためにいくつかの事実を述べさせてください。政府はレースのために馬を購買しておらず、馬を購買するために便宜を図ったこともありません。また、競馬場の建設資金は投資家によって全額拠出されています」。

 政府はこう断言したものの、SLLPはこれを一蹴し、声明において次のように述べた。「競馬開催に対する政府の傾倒ぶりをSLLPは強く非難します。首相の主張を聞いていると、これは採算の取れない冒険的事業になると思います」。

 「SLLPは、これらの馬を購買したのが政府であろうとDSHであろうと非常識であり法外であると考えます」。

 ピトンズカップ開催日は、CHCが毎年開催している中国馬文化フェスティバル(China Equine Cultural Festival)の一環として実施される。今のところこのフェスティバルにおいては、CHCの所有馬だけが出走する予定で、馬券の発売はない。

 CHCは国際的にその存在感を増しつつある。米国三冠馬ジャスティファイのような馬の共同馬主となり、英国トート社(パリミューチュエル賭事提供会社)を所有するアリゼティ社(Alizeti Group)の主要株主にもなっている。

By Peter Scargill

(1ドル=約110円)

 (関連記事)海外競馬情報 2019年No.1「チャイナホースクラブ、トート社購買のアリゼティ社に投資(イギリス)

[Racing Post 2019年10月23日「Government denies buying horses for racetrack linked to China Horse Club founder」]


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