TOPページ > 海外競馬ニュース > アスコット競馬場、新設G1の名称と2013年経済効果報告を発表(イギリス)[開催・運営]
海外競馬ニュース
2015年01月08日  - No.1 - 1

アスコット競馬場、新設G1の名称と2013年経済効果報告を発表(イギリス)[開催・運営]


 アスコット競馬場は12月2日、ロイヤルアスコット開催で施行される新設のG1競走(約1200m 3歳限定)の名称が“コモンウェルスカップ”に決定したことを発表した。

 ロイヤルアスコット開催の8つ目のG1となる同競走は、総賞金37万5,000ポンド(約6,938万円)で、すでに発表されたとおりバッキンガムパレスS(約1400m 3歳以上ハンデ戦)に代わり金曜日に施行される。

 ウルファートンH(約2000m 4歳以上ハンデ戦)は金曜日から土曜日に移動し、デュークオブエディンバラS(約2400m 3歳以上ハンデ戦)は反対に土曜日から金曜日に移動する。これらの魅力的なハンデ戦は両日の第5レースとして施行される。

 G1スプリントを新設するために売上げの良い多頭数レースであるバッキンガムパレスSが無くなることについては、ブックメーカーや競馬関係者の圧倒的な賛同を得たわけではないが、この戦略はロイヤルアスコット開催の賞金総額が初めて550万ポンド(約10億1,750万円)を超えるのを後押しした。この6月の5日間の開催賞金総額は、531万ポンド(約9億8,235万円)から558万5,000ポンド(約10億3,323万円)に引き上げられる。

 アスコット競馬場のCEOチャールズ・バーネット(Charles Barnett)氏は次のように語った。「私たちは、コモンウェルスカップの施行に心をワクワクさせています。2014年の最優秀2歳牝馬ティギーウィギー(Tiggy Wiggy)や、米国調教馬でロイヤルアスコット開催のウィンザーキャッスルSで優勝しブリーダーズカップでも勝利を収めたフーテナニー(Hootenanny)の関係者が、この競走についてすでに前向きに話しています」。

 「私たちは長年、ブルーダイヤモンドS(1200m)やゴールデンスリッパーS(1200m)のような豪州の2歳G1に出走した馬の関係者の興味を惹きつけようとしています。なぜなら、ロイヤルアスコット開催が行なわれる時期の北半球ではこれらの馬は3歳と見なされるからです。コモンウェルスカップは大きな可能性を持っていると考えています」。

 また、この日はデロイト社(Deloitte)がまとめた初めての『アスコット競馬場経済効果報告(2013年)』とそれに付随した基本統計も発表された。

 バーネット氏は次のように続けた。「この報告は私たちの事業に魅力的な分析結果を提供しており、また、2014年の数字も引き続き上向きです。ロイヤルアスコット開催の入場者数は27万9,000人から今年は28万6,000人に増加し、ホスピタリティ収入も20%増加しました」。

 「ロイヤルアスコット開催以外で私たちに最も大きな影響を与えたのは、おそらく8月に開催されたレッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ(Red Bull Air Race World Championship 訳注:世界最高の飛行機パイロットたちによる国際シリーズの総称。最高速度370km/h、最大負荷12Gにおよぶ過酷な空中タイムトライアルの連続でイベントが構成され、「空のF1」とも形容される)でしょう。これは5万人以上を集客し、地域に更なる経済的恩恵を与え、世間に認められているアスコットの1年間の競馬番組を補完しました」。

 「アスコット競馬場は欧州の看板競馬開催地としての名声を得ており、地元、地域および国の経済においてどれほど重要かということを、この報告は示しています」。
 

2013年アスコット競馬場経済効果報告

 

 > > 総収入:1億3,800万ポンド(約255億3,000万円)

 (内訳)競馬場の直接収入:7,000万ポンド(約129億5,000万円)

   間接収入:6,800万ポンド(約125億8,000万円)

    (宿泊、飲食物、輸送、ファッションなど)

 

 > > 年間入場者数:57万3,000(うちロイヤルアスコット開催は27万9,000

 ※ 英国全体の競馬場入場者数の10%。

 

 > > 繁忙期の雇用者数:4,650

 

 > > 納税額:1,450万ポンド(約26億8,250万円)

 

 > > 場外馬券発売金:3億5,000万ポンド(約647億5,000万円)以上

 

 > > 賞金総額:1,330万ポンド(約24億6,050万円)

   ※ 英国全体の賞金総額の12%。

 

 > > 競馬開催日:26(英国全体の2%)

   G1競走数:11レース(英国全体の33%)

   なお、2015年開催のG1競走は13レースとなる。

 

 > > 2006年の再オープン後、ロイヤルアスコット開催に出走した英国・アイルランド以外の調教馬:200頭以上

   うち、米国調教馬は34、豪州調教馬は19

 

 > > 2004年〜2013年の設備投資:2億3,700万ポンド(約438億4,500万円)

 

By Andrew Scutts
(1ポンド=約185円)

(関連記事)海外競馬情報 2014年No.9「ヨーロッパ短距離競走の競馬番組を補強(欧州)

[Racing Post 2014年12月3日「New Royal Ascot Group 1 sprint named the Commonwealth Cup」]


上に戻る