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2013年07月18日  - No.29 - 1

NYRAが新CEOを任命、民営化は依然として重要課題(アメリカ)[開催・運営]


 トイザラス(Toys ‘R’ Us)の元COO(最高執行責任者)のクリストファー・ケイ(Christopher Kay)氏は、6月18日のNYRA(ニューヨーク競馬協会)の理事会において満場一致の同意でNYRAのCEOに任命された。

 7月1日就任するケイ氏は、約1年間空席だった地位を埋めることになる。前CEOのチャールズ・ヘイワード(Charles Hayward)氏は、いくつかのエキゾチック馬券のパリミューチュエル賭事の控除率に関してNYRAが州の命じた削減に従わなかったことで、2012年に解任されていた。

 NYRA理事会の議長を務めたデヴィッド・スコートン(David Skorton)氏はケイ氏を“夢の候補者”と呼び、その高い倫理規範、創造性および落ち着いた気性を称賛した。そして、「ケイ氏はこれまで、複雑な状況で解決策を見つけ出すことにおいて、実行力を発揮してきました」と語った。

 NYRAが直面している問題には、アケダクト競馬場の将来、3年間の州運営の後のNYRAの再民営化および州内の本格的なカジノオープンの可能性などがある。

 60歳のケイ氏は、最近では非営利組織のトラスト・フォー・パブリックランド(The Trust for Public Land)で、COOとして土地保護団体の本部と37支所の運営を監督していた。

 それ以前は、フォーチュン誌「世界の大企業200」にランクインしたトイザラスのCOOなどを務め、COO就任前は同社の運営・総合委員会の上席副会長を務めていた。

 ケイ氏は競馬産業での勤務経験はないが、19歳のときに初めて競馬場に行ったときに競馬に“恋をした”と語った。ミズーリ大学とデューク大学法学院を卒業し、ミズーリ州のセントルイス高校に通い、夏にはセントルイスの川の向こう岸にあるイリノイ州のカホキアダウンズ競馬場をよく訪れた。

 また、弁護士として南カリフォルニアとケンタッキー州の競馬団体を担当した経験があり、馬主ドン・ディズニー(Don Dizney)氏とビジネス上でも友人としても関係を築き、一時ディズニー氏のG1馬ウェキヴァスプリングス(Wekiva Springs)をはじめとする数頭の馬の所有をについて検討していたと、ケイ氏は語った。

 NYRA理事会が調査を依頼したRSRパートナーズ社(RSR Partners)のジョン・カイト(John Keitt)氏によれば、NYRAのCEOには約100名の候補者が挙がった。NYRAの調査委員会は、スコートン氏、理事会メンバーのボビー・フレー(Bobby Flay)氏、スチュアート・ジャニー(Stuart Janney III)氏、アール・マック(Earle Mack)氏およびジェーン・ローザンタル(Jane Rosenthal)氏で構成されていた。

 ケイ氏はCEO職への志望動機を4つ挙げている。「米国の最高級の競馬場のいくつかはNYRAの下で運営されています。素晴らしい理事会の下、競馬場のロケーションは見事で、根強く情熱的なファンがいます。これらは素晴らしい成功を収めるための4つの基礎となります」。

 また自身の優先事項の1つとして、日々の競馬運営を監督するため競馬経験が豊かな人物を雇用することを挙げた。他の計画は、次のとおりである。 (1) 競馬場でのファンの体験を向上させ、新規ファンを開拓する (2) NYRAの再民営化のため理事会メンバーおよび州政府とともに取り組むこと (3) 賞金増加とベルモント、アケダクト、サラトガ各競馬場の競走の質向上。

By Teresa Genaro

(関連記事)海外競馬ニュース 2012年No.23「NYRA、不当な控除率を適用した嫌疑により役員2名を解雇(アメリカ)

[The Blood-Horse 2013年6月29日「NYRA Board Hires CEO; Privatization Remains on Agenda」]


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