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TOPページ > 海外競馬情報 > 英国政府、賦課金制度改革計画を正式発表(イギリス)【開催・運営】
海外競馬情報
2017年01月20日  - No.1 - 1

英国政府、賦課金制度改革計画を正式発表(イギリス)【開催・運営】


 英国競馬界に待望のニュースがもたらされた。英国政府は1月13日、競馬賭事を提供する全ての賭事業者が、4月1日から新たな賦課金制度を通じて競馬界に資金提供する計画を正式に発表したのだ。

 本紙が昨年10月に初めて報道したように、英国居住者から英国競馬を対象とする賭事を受け付けているすべての賭事業者は、競馬界を支援するために、粗利益が50万ポンド(約7,000万円)を超えた場合、その10%を支払うことになる。

 BHA(英国競馬統轄機構)はこのニュースを歓迎したが、この新制度が導入されるまでに、国家補助規制に関するEUの承認が必要となる。このハードルは、ブックメーカー産業の代表者から鋭く指摘されていた。

 1961年に初めて導入された現行の賦課金制度の下では、海外に拠点を置いて英国競馬を対象とした賭事を受け付けるオンライン賭事業者は、競馬界に資金提供する法的義務がなかった。ただし、いくつかのブックメーカーは公認賭事パートナー制度(authorised betting partner policy)を通じて資金提供していた。

 新しい制度は、海外賭事業者によってできた抜け穴を塞ぎ、約9,000万ポンド(約126億円)を競馬界に還元する。現在の賦課金制度では5,450万ポンド(約76億3,000万円)の収入しかない。


新制度は競馬の発展に役立つ

 トレイシー・クラウチ(Tracey Crouch)スポーツ大臣はこう語った。「新制度は、賭事業者から競馬に対して正当な還元額を確実に支払わせることになるので、英国競馬界の将来の安定に向けて寄与するでしょう」。

 「競馬はこの国の確固たる伝統であり、数千もの雇用を生み出し、ほぼ年中無休で多くの人々の楽しみになっています」。

 「競馬賭事賦課金に関する新しいアプローチは、競馬を存続させ発展させるのに役立つでしょう」。

 BHAのCEOニック・ラスト(Nick Rust)氏はこのニュースに対してこう語った。「本日、政府から現行の賦課金制度に代わる新制度の導入が発表されたことを歓迎します。英国競馬界はこれにより、競馬を対象とした全ての賭事から、正当でバランスのとれた割合で再び還元を受けることになるでしょう。これは英国競馬界の将来の健全性にとって重要なことです」。

 「2017年4月にこの新制度が実施されるようになれば、競馬界の中心的な財源はかなり増加するでしょう。これは競馬の参加者や、競馬界が支える英国各地の地域社会に恩恵を与えることにもなります」。

 ラスト氏は競馬界を代表して、クラウチ大臣と文化・メディア・スポーツ省の尽力に感謝し、こう付言した。

 「英国競馬界は英国賭事産業のパートナーと密接に協力し、この新しい環境を成功させ、競馬産業や経済全体にとって将来利益となるような魅力的な賭事商品を発展させていきます」。


ブックメーカーの反応

 政府の発表に対するブックメーカーの最初の反応は、冷ややかなものだった。

 ウィリアムヒル社(William Hill)のスポークスマンであるキアラン・オブライエン(Ciaran O'Brien)氏はこう語った。「提案されている賦課金制度への変更により競馬界への収入は増加するのでしょうが、この変更には国家補助規制に関するEUの承認が必要であることを指摘しておきます」。

 「この新制度導入は、賭事産業からのメディア権料収入がこの10年間大幅に増加してきたことに続くものです。ウィリアムヒル社は必要に応じて今後の過程において意見を述べるつもりです」。

 ラドブロークス-コーラル社(Ladbrokes-Coral)のスポークスマンは、彼らの海外事業に関して賦課金を支払う原則に先般合意したが、その賦課率は依然として問題となったままであると語った。

 「新制度自体に関しては、公平であると人々は考えるかもしれませんが、賦課金、ベッティングショップの映像料、ストリーミング料、広告のコストは増大しています。あらゆる角度から見て、競馬界は自らに桁外れの値段をつけるという危機に陥っています」。


包括的なアプローチ

 新法ではなく、規則によって制定される賦課金計画は、場内ブックメーカーや、ベッティング・エクスチェンジ、プール賭事、スプレッド・ベッティング(spread betting 後先当て)を提供する賭事業者など、すべてを対象とする。

 これまで一律240ポンド(約3万3,600円)を支払ってきた場内ブックメーカーにとっても大きな変化となるだろう。

 粗利益が50万ポンド(約7,000万円)を超える場内ブックメーカーは一握りにすぎないため、競馬界はこの改革を実行するにあたり、場内ブックメーカーの代表者たちと協議することを望んでいると見られる。

 すでに本紙が報道したとおり、競馬賭事賦課金公社(Levy Board)は2018年前半まで存続するが、賦課金を徴収する役割はその後賭事委員会(Gambling Commission)に移行する。一方、新たに設立される競馬機構(Racing Authority)は集められた資金を分配する役割を担うことになる。

 政府は、それらの移行を進めるために法改正規則(Legislative Reform Order)を定め、影響をうける利害関係者と近いうちに詳細について協議すると語った。

 スポーツ大臣は、今後市場において生じる変化を的確に反映するため、制定後7年以内に、設定された賦課率についても再検討する予定である。

By Bill Barber

(1ポンド=約140円)

(関連記事)
海外競馬情報 2016年No.3「競馬界に賦課金制度に替わる資金調達制度が導入される(イギリス)」、
海外競馬ニュース2016年No.50「政府が新制度導入遅延の場合の賦課金計画を発表(イギリス)

[Racing Post 2017年1月14日「Government confirms plans for reform of levy」]


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