世界各国で行われている国際騎手招待競走は、なぜアメリカでは行われていないのか(アメリカ)【開催・運営】
世界各国で行われている国際的な騎手対抗戦には、一体どのような魅力があるのだろうか。北海道で先ごろ閉幕した「ワールドオールスタージョッキーズ」や、英国のアスコット競馬場で開催された「シャーガーカップ」を見ると、こんな疑問が湧いてくる。なぜ世界各地で開催されているのに、アメリカでは行われていないのだろうか。
非科学的なサンプリング―主に周囲の人に聞いてみただけだが―によると、アメリカの競馬ファンの大半は、サウジアラビア、イギリス、日本、香港などで、世界各地の騎手が競い合う、広く宣伝された非常に人気の高いイベントが開催されていることを、そもそも知らないようである。そして、その存在を漠然と知っている人たちの中でも、特に関心を寄せている人はほとんどいないようである。
先ごろ閉幕した「シャーガーカップ」は、その好例といえる。
アメリカの競馬ファンの大半は、少なくとも6月のロイヤルアスコット開催については知っている。また、アスコット競馬場が10月に、イギリスで最も賞金総額の高い開催日である英国チャンピオンズデーを開催することを知っている人もいる。しかし、モンマスパーク競馬場やカンタベリーパーク競馬場で「シャーガーカップ」と口にしてみれば、多くの人が首をかしげることだろう。
その一方で、イギリスでは大きな話題となった。ライアン・ムーア騎手が2006年以来初めてこの対抗戦に復帰し、「イギリス・アイルランド選抜チーム」を優勝に導いたのだ。同チームには、アイルランドのチャンピオンジョッキーであるディラン・ブラウン・マクモナグル騎手やキャプテンを務めたサフィー・オズボーン騎手も名を連ねていた。
「ヨーロッパ選抜チーム」は、クリストフ・ルメール騎手(皮肉なことに、今や日本を代表する騎手だが)、マリー・ヴェロン騎手、そしてノルウェーのフリーダ・ヴァッレスカー騎手で構成されていた。「世界選抜チーム」は、オーストラリアのジェイミー・メルハム騎手、インドのスラジ・ナレドゥ騎手、そして日本の武豊騎手で構成されていた。
そう。アメリカ人は一人もいなかった。
このイベントの重要性は、香港ジョッキークラブ(HKJC)が深く関与していたことからもうかがえる。HKJCは今回初めて、シャーガーカップをワールドプールの馬券発売対象に組み込み、世界中の膨大な数のファンにこの対抗戦を届けた。その契約の一環として、香港も初めて独自のチームを送り込み、ジェリー・チャウ騎手、ルーク・フェラリス騎手、そしてキャプテンのチャクイク(ヴィンセント)・ホー騎手を擁した。
当然のことながら、このような騎手の祭典を成功させるためには、何よりも適切な顔ぶれの騎手を集める必要がある。世界の多くの国や地域では、騎手は単なるホースマンにとどまらず、スポーツスターとしてファンから大きな注目を集める存在である。日本の武豊騎手のように、文化的なアイコンとなり、多くの人々の憧れの的となる騎手もいる。
ランフランコ・デットーリ騎手が「引退を撤回」し、現役生活をさらに2シーズン延長した理由の少なくとも一つには、カリフォルニアでは比較的普通の生活を送れるという事情もあった。ヨーロッパでは、彼は常にパパラッチに追い回されていた。
したがって、適切な顔ぶれの騎手たちが、それぞれ賭けの対象としてパリミュチュエル方式の投票やブックメーカーの店頭に登場すると、騎手を対象にした賭けには多くの投票が集まる。こうした競走では、騎手の騎乗馬は無作為の抽選によって割り当てられるため、賭けの対象となるのは馬ではなく騎手自身となる。
大きなイベントにはスター騎手たちが集結し、その中にはたいていアメリカ人騎手も何人か加わっている。
ただ、明らかなのは、彼らが賞金目当てで出場しているわけではないことである。
例えば、8月22日から23日にかけて日本で開催された「ワールドオールスタージョッキーズ」で優勝した横山典弘騎手への賞金は300万円で、さらに30万円相当のトロフィーが贈られた。もちろん、出場騎手には遠征経費も支給され、日本の競馬に参加する関係者はいつも手厚いもてなしを受けている。
では、騎手たちがこうした大会に出場する動機は何なのだろうか?
ホー騎手にとって、シャーガーカップでは「地元香港を代表する誇り」も動機の一つだった。
「HKJCから香港代表として選ばれることは、私たちにとって非常に名誉なことであり、心から感謝しています」と、HKJCの競馬学校で育ったホー騎手は語った。
アスコット競馬場でもその意気込みは実を結び、シャーガーカップの第1レースではチョウ騎手が優勝し、ホー騎手が2着に入った。続く第2レースでもフェラリス騎手が優勝すると、HKJC競走部長であるグレッグ・カーペンター氏は、いわば「任務完了です」と述べた。
「チーム編成は、地元の優れた騎手たちをアピールすることを主眼に置きました。ヴィンセントは素晴らしいアンバサダーとして活躍しており、キャプテンに選ぶのは当然のことでしたが、ジェリーも新進気鋭のスターです」とカーペンター氏は語った。
オズボーン騎手は次のように付け加えた。「本当に楽しかったです......。競馬に新しい人々を巻き込み、この業界がどれほど楽しいものかをアピールするには素晴らしい(brilliant)一日です。若い観客がチームを選んで応援できるのは素晴らしい(brilliant)ですし、これほど世界クラスの騎手たちがここに集まっているのも素晴らしい(brilliant)ことです。」
「brilliant(素晴らしい)」という言葉は、アメリカよりもイギリスでよく用いられる。
シャーガーカップを欠場していた間に香港の「ロンジン・インターナショナル・ジョッキーズ・チャンピオンシップ」で3度の優勝を果たしたムーア騎手は、この大会に出場する魅力は、かつては「著名なスターたちに会うこと」だったが、今では自分自身がスターとして旧知の騎手たちとの再会を楽しむことに変わったと語った。
「素晴らしかったです。本当に楽しめました。ここに戻ってきて、ユタカやクリストフといった、子供の頃に憧れていた年上のジョッキーたちに会えるのは嬉しいですね。皆さんも楽しんでくれたなら嬉しいです。」
では、なぜこのコンセプトは米国で定着していないのだろうか。すでに国際色豊かな騎手がそろっているブリーダーズカップ(BC)なら、こうした企画を簡単に組み立てられそうに見える。
これに対し、BC協会は、毎年恒例の「ビルシューメーカー賞」があると指摘した。しかし、この賞は大レースの結果に基づいており、結局のところ、そうしたレースの勝敗を主に左右するのは、騎手ではなく馬の能力である。
アメリカの馬券購入者を巻き込むには、ある程度の説得が必要かもしれない。オルティス兄弟、フラヴィアン・プラ、タイラー・ガファリオンといった実力ある騎手たちが、ほとんど知られていない外国人騎手を相手に、抽選などで割り当てられた馬に騎乗して競い合う企画は、なかなか売り込みにくいだろう。少なくとも今のところ、サラトガ競馬場でジュニオール・アルバラード騎手を大勢のパパラッチが追い回しているという話は聞かない。
しかし、たとえアメリカの観客は興味を示さないという結論になったとしても、騎手対抗戦は、馬券発売規模の大きい海外の競馬市場で、さらなる関心を呼び起こすきっかけとなるかもしれない。さらに、もう一つ重要な点がある。もし、武豊、チャクイウ・ホー、マリー・ヴェロンといった騎手たちがBCジョッキー・チャレンジに参加すれば、アメリカの調教師たちは、BC当日のアンダーカードのいくつかのレースで彼らを起用し、その騎乗振りを見てみようと考えるかもしれない。
By Bob Kieckhefer
(1ポンド=216円)
[bloodhorse.com 2026年8月27日「Jockey Challenges Have Global Appeal, But Not in U.S.」]

























