チェルトナムフェスティバルで発走のやり直しが相次ぎ、障害競走での発走手順を見直し(イギリス)【開催・運営】
今年のチェルトナムフェスティバルで発走やり直しが急増したことを受け、英国競馬統括機関(BHA)が主導して検証を行った結果、発走手順に関する一連の見直しの一環として、チェルトナム競馬場のコース形状が変更されることとなった。
2026年のチェルトナムフェスティバルで混乱を招く発走が相次いだことを受け、競馬における発走手順が改めて注目を集めている。14度のチャンピオントレーナーに輝いているポール・ニコルズ調教師は、水曜日のターナーズノーヴィスハードル(G1)で発生した2度の発走やり直しについて「ばかげている」と評し、これによって本命馬のノードラマディスエンドの勝機が完全に失われたと語った。
BHAの統計によると、英国の障害競走における発走やり直し発生率は過去5年間3~4%の間で推移していたが、同期間におけるフェスティバルでの発走やり直し発生率は、2022年の18%から今年は40%に迫る水準まで上昇している。
そのため、騎手、調教師、馬券購入者、競馬主催者、放送事業者への意見聴取に加え、データ分析と共に包括的な検証から導き出された提言には、チェルトナム競馬場特有のものがある一方で、中には障害競走全般に適用されるものもいくつか含まれている。
オールドコースとニューコースの両コースにおいて、発走のやり直しに不相応に大きく寄与している要因であると特定された、チェルトナムの2マイル(3,200m)および2.5マイル(4,000m)競走の発走地点におけるコースレイアウトの変更は、狭い待機エリアやそれが引き起こす馬群の密集(漏斗効果)を緩和し、カーブからの発走がもたらす影響を是正することを目的としている。
主な提言
・ チェルトナム競馬場で最も問題となる2つの発走地点(2マイルおよび2.5マイル競走)において、当該エリアの地形上の制約の範囲内で、自然に発生する馬群の密集や急加速を軽減できるよう、コースレイアウトを可能な限り最適化する。
・ 騎手に対して基準をより明確に示し、発走委員により柔軟な対応を認めるため、馬が発走テープに接近する際の許容速度に関する規程の現行文言を、「常歩または軽い速足」から「常歩速度」へと変更し、すべての障害競走に適用する。
・ すべての競馬場において、発走委員がレースを発走させることが可能なゾーンとして、コース上に視認性の高い「スタートゾーン」の導入を検討する。
・ 主要レースの発走におけるルール違反に対する抑止力を高めるため、ムチ使用ルールと同様に、全競馬場のクラス1およびクラス2のレースを対象とした段階的に加重される制裁制度を導入する。
・ 発走地点にライブ音声録音システムを導入し、発走委員から騎手への連絡や指示を記録するとともに、その音声を裁決室に直接配信する。

チェルトナム競馬場の馬場取締委員であるジョン・プーリン氏は次のように述べた。「今年のフェスティバル以降、出走関係者やBHAと緊密に連携し、オールドコースとニューコースの両方において、2マイルおよび2.5マイルの発走地点のレイアウトにいくつかの変更を加えました」
「シーズン開幕後は、これらの点を注意深く監視するとともに、発走手順に関するより広範な変更が定着するにつれて生じるその他の影響についても注視していきます」。
「スタートゾーン」は全ての障害競走に導入される予定である。また英国の障害競走において馬が発走地点に接近する際の最高速度は「常歩速度」と競馬施行規程の文言も変更されることとなる。さらに、発走委員が騎手に与える指示を録音し、その音声を直接裁決室へ配信する音声録音システムも導入される。
年間を通じて開催されるクラス1およびクラス2のレースにおいても、主要レースのスタート時のルール違反に対しては、ムチ使用違反の罰則が段階的に加重されるのと同様に、段階的な罰則の引き上げが適用され、抑止力を高めることとなる。
これらの提言は現時点ではまだ実施段階には至っていないとみられるが、チェルトナム競馬場はすでに、コースの地形や境界の制約の範囲内でコースレイアウトの調整作業に着手している。
今回は対象外となっている論点の一つが、発走やり直しが発生した後のスタンディングスタート(静止状態からの発走)の採用である。常足スタートを2回試行できる現行のシステムは維持される。
「これらの変更が改善につながることを期待していますが、万能な解決策ではありません」。
BHAの開催委員長であるキャシー・オメーラ氏は次のように述べた。「寄せられたフィードバックと詳細なデータ分析を組み合わせることで、チェルトナム競馬場で繰り返し発生している課題、特にコースの形状、発走テープへのアプローチ、そして発走手順における明確さと一貫性の向上の必要性について、明確に把握することができました」
「チェルトナム競馬場は独特な環境です。障害競馬の最高峰であり、その開催の激しさ、雰囲気、そして重要性が相まって、スタート時にプレッシャーが生じます。当競馬場の発走委員は、この極めて過酷な状況下で素晴らしい仕事をしてくれています。今回の提言は、最も問題の多いスタート地点のコースレイアウトの改善から、ルールの簡素化、コミュニケーションの強化、そして必要に応じた規制の強化に至るまで、発走委員と騎手を支援することを目的としています」
「これらの変更が、チェルトナムフェスティバルをはじめとした、障害競走全体における発走の改善につながることを願っています。しかし、これらは万能薬ではありません。成功には、関係者全員がそれぞれの役割を果たし、発走手順を遵守することも不可欠です。2027年を通じてこれらの措置がどのように定着していくかを注視し、馬、騎手、そして競馬ファンにとって可能な限り最良の体験を確保できるよう、必要に応じて引き続き改善を重ねていきます」。
プロ騎手協会(PJA)の競走担当常務理事であるデール・ギブソン氏は次のように付け加えた。「すべての馬が円滑かつ公正にスタートを切れることは、騎手、調教師、馬主、競馬関係者、そして馬券を購入する人々にとって重要です。そのため、PJAと会員たちは今回の見直しに熱心かつ積極的に参加しました」
「我々は、この見直しの結果と提言を歓迎します。その多くは、ベテラン騎手や当協会の安全担当者が、競馬場およびBHAの馬場保全部門と協力して提案したものです。また、協議が残っている分野についても、会員やBHAと緊密に連携し続けていきます」。
By Stuart Riley
[Racing Post 2026年7月16日
「Cheltenham enacts plan to deal with farcical false starts - inside the BHA's ideas to fix the festival's big problem」]

























