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2026年06月18日  - No.21 - 2

ベンヴェヌートチェッリーニのノンランナー裁定は、危険な前例にはならない(イギリス)【開催・運営】


 6月8日(月)に英国競馬統括機関(BHA)は、6月6日(土)に実施された英ダービー(G1)に出走したベンヴェヌートチェッリーニについて、レースで勝つ可能性が著しく損なわれていたことを示す証拠が十分にあったため、同馬をノンランナー(出走取消)と判断せざるを得なかったと主張した。

 土曜日の裁定後に馬券購入者、ブックメーカー、競馬ファン、そしてメディアから激しい反発が寄せられたことを受け、BHAはブログ記事を投稿した。その中でBHAは、今回の裁定が将来のレースにおいて「危険な前例」となるという懸念を退け、この規則に基づいて結論を導き出す際には、当該馬の着順も考慮されるだろうと付け加えた。

 ベンヴェヌートチェッリーニは英ダービーで4.0倍の一番人気としてゲートを出たが、スタートが遅れ、同厩舎の優勝馬クリスマスデイに遅れて10着でゴールした。

 発走直前のゲート内での位置(左後肢の一部がゲート内側壁に挟まった状態)によってベンヴェヌートチェッリーニは不利な影響を受けた可能性があるとして、レース直後に裁決委員会の調査が行われていることが明らかになった。レース開始から約20分後の午後4時24分、この一番人気馬はノンランナーと宣言され、その結果、規則4に基づく(1ポンドあたり)25ペンス控除が適用された。

 同馬は2024年に導入された規則(H)6に基づき出走取消処分を受けた。同規則は、英国の競馬と、国際競馬統括機関連盟(IFHA)の規則に基づいて運営されている他の国・地域の統括機関によるものとの整合性をとるために導入されたものである。

 規則(H)6には何が書かれているか

 6) 次の場合、裁決委員は当該馬をノンランナーと宣言することができる。

 6.1 ゲートから発走する競走において、馬が公正な発走を妨げられ、その勝つ可能性が著しく損なわれた場合(これには、ゲートの不具合により、ある馬が(他の馬と)対等な条件で発走することが妨げられた場合を含むが、これに限定されない)。

 BHAは次のように述べた。「この規則の趣旨は、(他の馬と)対等な条件で発走することが妨げられた馬に賭けた馬券購入者が、そのために金銭的損失を被るのは不公平であるという点にあります」

 「非常に経験豊富な裁決委員会による全会一致の決定は、当該馬が対等な条件で発走することを妨げられ、その結果として、レースで勝つ可能性が著しく損なわれたというものでした」

 「もし発走役が、当該馬が、一本の脚が物理的にゲートに絡まって3本脚で立っていて、レースで勝つ可能性に影響が出ようとしていたと認識していたならば、発走を合図することはなかったでしょう。その場合、馬の脚は解放され、ゲートからいったん外に出されて獣医師による検査を受け、その上で安全と判断されれば再びゲートに入れられていたでしょう」。

 同ブログはさらに、この規則は、ゲートが開いた後に馬が立ち上がったようなケースには適用されないため、今後のレースにとって「危険な前例」を作るものではないとした。またこの規則は、今年に入ってからヤーマス、ウィンザー、ケンプトン、サウスウェル、エクセターの各競馬場で、今回以外に5回、ノンランナーを宣言するために使われてきていると付け加えた。

 規則(H)6は、ゴールを1着で通過した馬は、ノンランナーとされないと定めている。ただし、ゲート内での行動が、不当に有利に働いた場合はこの限りではない。また、ゲート内で不利な影響を受けた馬が上位でゴールした場合には、「関連する全ての事情」が考慮されるとしている。

 BHAは次のように述べた。「もしその馬がレースに勝っていたならば、発走時の問題によって勝つ可能性が著しく損なわれていなかったことは明らかなので、失格とはなりません。しかし、その馬が上位でゴールした場合、状況はより複雑となり、裁決委員は決定を下す前に関連する全ての事情を考慮します」

 「私たちが土曜日に目撃した事案は、おそらくこの規則が想定しうる最も極端なテストケースであり、しかも英ダービーで圧倒的な支持を集めた一番人気馬が関係したものでした。我々は規則4による配当分からの控除の影響を受けた方々の不満や、ブックメーカーへの影響は十分に理解しています」

 「しかしこれについては、公正な発走を妨げられた当該馬の馬券を購入していた人々への影響も考慮しなければなりません。この規則は、まさにそうした人々を保護するために導入されたのです」。

 BHAは、自身の規則は「絶えず見直されています」と付け加え、そして次のように述べた。「我々は現在規定されている通りの規則とそれらが導入された意図の両方に沿って当日この決定を下した裁決委員会を支持しています」。

By Peter Scargill

[Racing Post 2026年6月8日
「BHA: Benvenuto Cellini non-runner call 'most extreme test of rule' and does not set dangerous precedent」]


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