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2026年06月18日  - No.21 - 1

馬券のコンピューター支援購入の制限は、一般の競馬ファンから歓迎(アメリカ)【開催・運営】


 2025年と比較した場合、5日間のベルモントステークスレーシングフェスティバル全体の馬券売上のわずかな増加は控えめな伸びに見える。しかし、数字を詳しく分析すると、ニューヨーク競馬協会(NYRA)、賞金総額、そして一般の馬券購入者からの関心という3つの面において、大きな前進があったことが分かる。

 NYRAがいわゆる「コンピューター支援購入(computer-assisted wagering=CAW):プログラム化された馬券購入方法」による馬券購入者に対する新たな規制を導入して以来、今回が初めてのベルモントS(G1)開催となった。これらの新たな規制はCAWによる馬券購入者には歓迎されず、今年のレーシングフェスティバル期間中の彼らの馬券購入額は、前年と比較して45%近く減少した。

 6月3日から7日までの会期中のCAW馬券売上はわずか22,109,626ドル(約35億3,700万円)にとどまり、昨年5日間のフェスティバルで記録したCAW馬券売上39,989,964ドル(約63億9,800万円)から大幅に減少した。CAWの総馬券売上が約1,790万ドル(約28億円)減少したにもかかわらず、一般の馬券購入者がその差を埋めた結果、この短期開催期間の総馬券売上は210万ドル(約3億3,600万円)以上増加し、199,913,503ドル(約319億8,600万円)に達した。

 一般の馬券購入者、すなわち実質的にCAWに分類されないすべての馬券購入者は、2026年ベルモントステークスレーシングフェスティバルにおいて、馬券購入額を2,000万ドル強(約32億円)増やし、総馬券売上の押し上げに貢献した。一般の馬券購入者の総馬券売上は12.7%増の177,803,877ドル(約284億4,800万円)となった。

 CAWとは、コンピューターアルゴリズムを用いて投票プールを分析し、独自のレース予想に照らして期待値の高い馬券を見つけて投票することを指す。彼らは通常、大口の馬券購入者であり、その巨額の馬券購入額に応じて高額のリベートを受け取っている。また彼らは通常、投票プールで最後に投票できるという優位性も有している。というのも、彼らのコンピューターは、締め切り直前に複数のプールを通じて数百件から数千件もの馬券購入を行うことが可能であるからである。

 この手法は過去20年ほどにわたってCAWに成功をもたらしており、CAWによる馬券購入額は、現在では米国競馬のパリミュチュエル方式の投票プールにおいて、数十億ドル規模を占めるようになっている。しかしながら、CAWによる馬券購入額が増加した一方で、米国競馬全体の馬券購入額は2000年から2025年の間に23%減少し、昨年は110億ドル(約1.7兆円)強にとどまった。

 この間にCAW馬券購入者の馬券購入額が増加を続け、全体として縮小している投票プールに占める割合もより大きくなる中で、競馬場では、発走ゲートが開く直前に大量の資金がプールに流入してオッズが大きく変動する現象が見られるようになった。その結果、特に単勝プールでは、締め切り間際のオッズ変更をもたらしている。そのオッズ変更は、レースが始まった後になるまで、しばしば映像配信の画面に反映されない。それは、システムが締め切り間際の投票の処理に追いつくためである。この傾向は一般の馬券購入者に不評を買っている。というのも、彼らはもはや、発走1分前に自分たちが目にしているオッズが馬券の見込まれる価値をほぼ正確に反映していると期待できなくなっているからである。

 NYRAは2月、この問題に対処するためCAWによる馬券購入者向けの新たなガードレール(制限措置)を導入した。

 経緯を振り返ると、NYRAはここ数年にわたり締め切り間際のオッズ変動という問題に取り組んできた。2021年7月には、米国の競馬施行団体で初めて、CAWによる馬券購入に対する時間制限を導入し、発走の2分前(2 MTP=2 minutes to post)を切った時点で単勝プールへのCAW馬券購入を禁止した。(パリミュチュエルシステムにより、NYRAや他の競馬施行団体はCAWによる馬券購入を監視・管理できる。)

 NYRAは2月に追加の規制措置を導入した。新たに導入された基準では、NYRAのその他のすべての投票プールにおいても、発走1分前(1 MTP=1 minute to post)になった時点でCAW馬券購入を停止しなければならない。単勝プールについては引き続き「発走2分前(2 MTP)」の基準が維持されている。NYRAの社長兼CEOであるデビッド・オルーク氏は5月下旬、これらの変更によって発走直前のオッズ変動の激しさが軽減されたと述べた。

 「これはすべて馬券購入者のためのものです。特にこの1年、いやそれだけでなくここ数年における顧客体験を改善することを目的としています」とオルーク氏は語った。「私たちは不満の声を聞いてきました...主に締め切り間際のオッズ変動に関するものです」。

 こうした変更は、パリミュチュエル方式の競馬を一般購入者にとってより公平なものにするための長期的な取り組みだが、NYRAにとって重要な開催期間であった今回の馬券売上の結果は、間違いなく今後に向けてある程度の自信を与えるはずである。もちろん、三冠競走が含まれない開催で同様の成功を再現するのはより難しいかもしれない。しかし一方で、この開催で良い体験をした一般の馬券購入者がより頻繁に戻ってくる可能性もある。

 競馬場とCAW利用者の間の契約はそれぞれ異なるが、一般的に言えば、1ドルあたりで見ればCAW経由の売上は一般購入者からの売上ほど競馬場や賞金に収益をもたらさないことを理解しておく必要がある。これは、一般的にCAWによる馬券購入者が自らの投票に対して最大のリベートを受け取るためである。そのため、仮にNYRAの総売上が減少していたとしても、一般の馬券購入者の馬券購入は競馬場や賞金への貢献度が高いため、収益は増加していた可能性があった。しかし実際には、NYRAは総売上でわずかに増加し、一般の馬券購入者の売上は13%近く増加した。

 さらに、ベルモントウィークの売上データは、より多くの馬券購入者がこの期間に参加していたことを示唆している。少数のCAWによる馬券購入者の馬券購入額に匹敵する売上を生み出すには、より多くの一般の馬券購入者が必要だからである。これもまた成功の証と言える。

 近年、パリミュチュエル方式の中でのCAWと一般購入者のバランスを改善することは、競馬業界の会議や委員会、ワークショップで盛んに議論されているテーマである。専門家たちは、総売上が減少する中で、CAWによる売上の割合が増加していることを指摘してきた。

 NYRAがこうしたアイデアを競馬界の会議での議論から実際の施策へと移し、しかも現実の世界で一定の成果を示したことは(たとえそれが1週間だけだったとしても)他の競馬場が同様の取り組みを試みる自信につながるかもしれない。

By Frank Angst

(1ドル=約160円)

[bloodhorse.com 2026年6月9日
「Dollars & Sense: New Approach, Strong Belmont Wagering」]


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