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海外競馬情報
2026年05月14日  - No.16 - 2

財政難に対処するため、新たな収益源を模索するタスクフォースを設置(フランス)【開催・運営】


 フランスの競馬統括団体は、5名で構成されるタスクフォースを設置し、PMU(フランス場外馬券発売公社)による馬券収入を補うための新たな収入源を見出すという使命を課すことで、競馬の再生に拍車をかける方針である。

 フランスギャロ会長のギヨーム・ド・サンセーヌ氏は、競馬関係者に向けた公開書簡の中で次のように述べた。「我々は過去20年間と同じ道を歩み続けることはできません。これまで我々を支えてきた財源は縮小しており、新たな収益源の創出が求められています。競争環境は一変しており、我々はより迅速に対応しなければなりません」

 「これらはすべて、急速に変化する社会状況下で起こっていることであり、我々には恒久的な変革が求められています。我々は共に、よりシンプルで、より効率的かつ持続可能な新しいモデルを構築しなければなりません。そのモデルは2027年1月から運用開始できる状態でなければならないのです」。

 サンセーヌ氏は続けて、このタスクフォースは選任されたフランスギャロの各評議会や専門スタッフの活動よりも優先されるものではなく、その活動を支援するものであると強調した。

 それでも、その設立は大胆な一歩であり、サンセーヌ氏はこれが「単なるおしゃべりの場」にはならないと信じている。最初の提言は5月中旬にフランスギャロ評議委員会に提出される予定である。

 フランス競馬の財政状況はどれほど深刻なのか?

 競馬の振興と成長を目指す野心的な戦略計画を既に打ち出している一方、2024年には売上高が1億8,000万ユーロ(約333億円)減少する見通しであったことから、フランスギャロは2025年7月1日よりG2競走以下のレース賞金を7%削減することを決定し、今年度は運営費を3,000万ユーロ(約55億5,000万円)削減すると予算を計上した。

 しかし、2025年にはPMUの競馬および繋駕競走の売上がさらに3%減少し、88億2,000万ユーロ(約1兆6,317億円)となったほか、的中者への払い戻し後の粗利益も9,000万ユーロ(約166億5,000万円)減少した。

 PMUからフランスギャロおよびルトロ(Le Trot:フランス速歩競走協会)への分配金は、2024年の8億3,800万ユーロ(約1,550億3,000万円)から2025年には8億300万ユーロ(約1,485億5,500万円)へと減少した。一方で2026年の内部見通しでは7億2,000万ユーロ(約1,332億円)前後とされており、これは2年間で14%の収入減を意味する。

 元大臣のエリック・ヴォルト氏が最近PMUの会長に就任した。同氏は競馬界内で広く信頼を集めている人物だが、競馬及び繋駕競走への分配金の流れが短期で好転するとはほとんどだれも予想していない。

 タスクフォースのメンバーは誰なのか?

 サンセーヌ氏自身は銀行業界の出身であり、ビジネス界と競馬界の両方で豊富な経験を持つメンバーを招集した。

 ステファニー・ダビュロン(Stephanie Daburon):ソミュール競馬場の会長であり、レース当日の裁決委員も務めるダビュロン氏は、医療保険・貯蓄グループのアルモニ・ミュチュエル(Harmonie Mutuelle)の顧客関係部門責任者でもある。

 オリヴィエ・ドゥロワ(Olivier Delloye):フランスのセリ会社、アルカナ社のCEOであり、2016年から2024年まで、フランスギャロの事務総長を務めた。

 グザヴィエ・ユルステル(Xavier Hurstel):パリ空港公団(Groupe ADP)の国際担当ディレクター。ユルステル氏は2014年から2017年までPMUの会長を務め、それ以前は経済省や首相府などの政府機関で勤務していた。

 パトリック・クライン(Patrick Klien):馬主であり、前回のフランスギャロ選挙ではアリアンスギャロ(Alliance Galop)系候補者の代表を務めた。クライン氏は12名で構成される評議委員会のメンバーであり、同評議会では「会長顧問」として名を連ねている。

 グザヴィエ・パポ(Xavier Papot):障害競走馬のオーナーとして15回のチャンピオンに輝き、不動産業を営む家系の出身。

 英国競馬が直面している問題点と、どのような共通点が見出せるか?

 多くの点で、フランス競馬は英国の分散した権力構造に比べ中央集権的であり、フランスギャロが主要な競馬場を運営し、開催日程を単独で決定している。

 しかし、ファン層の高齢化や賭事収益の減少といった問題は、英国やその他の地域でも耳になじみのあるものであり、競馬の資金調達方法に大胆な変革を行うための権限を持った決断力あるリーダーシップを求める声は、英国競馬統括機構(BHA)や競馬場協会(RCA)におけるガバナンスをめぐる議論とも強く重なっている。

 サンセーヌ氏が度々フランス競馬にとって不可欠であると繰り返し主張してきた二つの展開軸は、若い世代を惹きつけるために、競馬をエンターテインメントとして推進することに加え、固定オッズ賭事商品の導入である。

 ほんの数週間前であれば、このタスクフォースの設置は英国の競馬メディアに、フランス版「アレン卿」の瞬間だと評されていたかもしれない。

 サンセーヌ氏が書簡で述べた緊急性を考えると、すでに退任したBHA会長の事例よりも、フランスの競馬界内でより広範な支持を得られることを切に願わなければならない。

By Scott Burton

(1ユーロ=約185円)

[Racing Post 2026年5月6日「'We cannot follow the same trajectory of the last 20 years' - five-strong Task Force created to tackle French racing's financial woes」]


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