賭事事業者による賭事口座の制限状況が明らかに(イギリス)【その他】
賭事委員会は7月23日(水)、賭事事業者の賭事データを公表し、イギリスにおいては顧客口座約65万件に対して制限が適用されていることが明らかになった。
これは、本紙(レーシング・ポスト紙)の読者からも繰り返し指摘されてきた大きな懸念事項である。公開されたデータは、その詳細を伝えており、2024年に賭事事業者によって金銭的リスクや資金洗浄防止以外の理由により制限措置が適用された口座数が、全1,500万の既存口座のうち4.31%に相当する643,779件にのぼるというものである。
賭事委員会は「既存口座」の厳密な定義について言及しなかったが、この数字は20口座のうち19口座が「商業的理由」による賭けの制限や口座閉鎖の対象になっていないことを示している。
これは、本紙が今年1月に実施した調査「大規模賭事調査」の結果と矛盾するものだ。同調査では、回答者の31.8%が過去1年間に少なくとも1つ以上の口座で制限措置を課せられたと回答した。また、それよりも過去に賭事事業者が課した制限措置を計算に入れた場合、その割合は43.6%にも上った。
少なくともこの不一致は、賭事事業者が自社のリスクと情報通とみなした顧客の管理に重点を置いていることを示唆している。賭事委員会のデータによれば、制限対象となった顧客は、既存口座全体の的中率と比べて、賭けで利益を得る可能性が2倍高いことが示されている。
同委員会が実施した調査の真の価値は、賭事事業者が実施しているさまざまな制限の広がりを詳細に分析している点にある。
このデータでは、商業的な理由から顧客に課される4つの主要な制限を明らかにしている。そのうち、賭け金の制限が最も一般的で、賭事事業者が措置を講じた口座の62.17%に適用されている。
次に多かった措置は口座の閉鎖で、51.69% のケースで実施された。賭事委員会の最高経営責任者であるアンドリュー・ローデス氏は、この調査結果に関する解説の中で、「賭け金制限」は多くの場合、口座閉鎖の前兆となることを指摘している。
3つ目の措置として特定されたのは、賭事サービスの利用停止である。これは、顧客が既存口座を正式に閉鎖することなく利用ができなくなるという措置で、制限のうち19.15%で適用された。特定の市場のみにおける制限措置は、5.72%と比較的少ない割合で実施されている。
同委員会は、賭け金制限に関するデータをさらに詳細に分析している。本質的に賭け金制限とは、制限対象顧客が希望する賭け金額を、制限のない顧客よりも低い割合で提供することである。
これらの数字は非常に示唆に富んでいる。まず、賭け金制限の対象となっている口座のうち、およそ60%で希望する賭け金額が10%以下に制限されているのが分かる。
希望する賭け金の50%以上を賭けることが許されるのは14%に満たない。
ローデス氏はこの調査結果の冒頭で、規制当局の権限には「個々の賭事事業者の商業上のリスク管理方法」について義務を課すことは含まれていないと指摘した。
同氏は「次なるステップ」という見出しの下で、2005年賭事法の見直しをまとめた白書において「普遍的サービス義務」を定めていない点を強調している。これは、オーストラリアなどの他の競馬施行国で「最低賭け金ルール」として知られるもので、顧客が定められた金額を獲得できるまで賭けを受け付けることを保証するものである。
同氏は次のように付言している。「当機関の権限の範囲内には、賭事事業者が商業上のリスクをどのように扱うかを強制する権限はありません。しかし我々には、公正かつ透明性のある賭事の実施を確保するとともに、違法賭事の潜在的な要因を把握し、業界の慣行が規制の実効性に悪影響を及ぼしていないことを確認する法的責任があります。そのため、証拠に基づく規制機関として、この調査を実施したのです」。
By Scott Burton
[Racing Post 2025年7月23日「Staking restrictions and account closures - inside the Gambling Commission's latest betting data」]