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2025年07月10日  - No.26 - 2

キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスSのスポンサー探しは難航(イギリス)【開催・運営】


 英国で最も権威のあるレースであるキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスステークス(以下キングジョージ:G1、総賞金150万ポンド=約3億円)のスポンサーが決まらず、アスコット競馬場の目玉レースは、今年はスポンサーなしでの開催となりそうだ。

 カタールの投資会社Qipco(キプコ)社は、昨年のレース前に11年間のパートナーシップに終止符を打つことを発表し、アスコット競馬場は当時、「キングジョージを取り巻く環境は良好なのだから、新しいスポンサーを検討していくには十分な時間があるだろう」と述べていた。

 しかし、現実は厳しく、アスコット競馬場は7月26日に行われるレースにふさわしいパートナーを見つけることに固執し、「妥協した取引」を拒否し続けてきた。

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 スポンサーが見つかったかどうか尋ねられたアスコット競馬場の競走・広報担当理事、ニック・スミス氏は次のように述べた。「今の段階では見つかっていない。おそらく今年はないでしょう。いろいろなところと話し合いはしていますが、まだ確定していません」。

 ここ数年、スポンサーシップを取り巻く状況は厳しく、財政的な逆風にさらされている競馬界にとって、プレミアイベントの冠スポンサーを見つけることは難しくなってきている。

 しかしスミス氏は、スポンサーなしで施行するという決断は、レースの価値を知り、商品を過小評価しないことを選択したことに根ざしていると主張した。

 「キングジョージに関しては、部分的な契約や妥協した契約を結ぶ必要はありません。私たちがここでやろうとしていることを理解してくれる人たちと話をしています」

 「今年のキングジョージに限った交渉ではなく、その魅力的な賞金や出走料免除のコンセプト、そしてこのレースをヨーロッパの真夏のハイライトレースとして確固たるものにしたいという願望、さらに国際的な野心を持つという我々の願望を理解してくれるスポンサー候補と話し合っています。もしその気になれば、明日にでもスポンサーをつけることができますが、このプロジェクトにコミットしてくれるスポンサーを見つけたいのです」

 「交渉中であるため今年もスポンサーがつく可能性は否定しませんが、それはレースにとって適切な契約が結ばれることが条件です。単に金銭的な面だけでなく、スポンサーの持つ発信力、現場イベントの展開、プロモーション構想も含めて検討をしています」

 「今年のレースを実施するためだけの投資は必要ありません。賞金額も出走料無料のコンセプトも、我々はすでに予算を手当てしています。私たちが求めているのは、中期的な視野に立ち、プロジェクト全体とこのレースで将来何ができるかに賛同してくれる人なのです」。

 スミス氏は、英ダービーと並んですでに英国で最も高額なレースとなったこのレースに、壮大な野心を抱いていることを認めた。

 「このレースは150万ポンドという記録的な賞金額で行われ、追加登録を除けば出走馬は登録料を全額返金されるという意味で、出走料は無償になります。私たちは、このレースをヨーロッパの真夏の3歳馬と古馬が激突する中長距離チャンピオン決定戦として、さらに確立していくことを約束します」

 「スポンサー候補とはそのコンセプトについて話し合い、そのポジションを強化し、さらに広範囲に浸透させてくれるスポンサーを探しているのです。私たちのスポンサーシップモデルは、他の団体とは大きく異なります。私たちの収入の大部分は、競馬場で年間ブランドとして発信をしてくれているパートナーからのものです」

 「(今年から加わった)ビヨンドやキプコ、ロンジン、ハウデンの4社が最高レベルの年間パートナーであり、レース単体のスポンサーを見つけることは他の団体と比較するとそこまで急を要するものではないかもしれません。年間の公式パートナーモデルのおかげで、適切なパートナー契約を結ぶための時間があります」。

 今年のキングジョージに向けた次の課題は、7月8日に迫る初回の取消締切だ。昨年の予想外の覇者ゴリアットは32頭の予備登録馬に入っており、コロネーションカップ勝馬ヤンブリューゲルが前売り相場では一番人気(単勝2.5倍)におされている。

 カルパナ、レベルスロマンス、カランダガン、オンブズマンら強力な古馬勢も登録されていて、3歳勢では無敗のアミロック、クラシックレース覇者のランボーン、ミニーホーク、ルーリングコートらが名を連ねている。

By Stuart Riley

(1ポンド=約200円)

[Racing Post 2025年6月30日
「Britain's joint-richest race set to be run without a sponsor with Ascot ruling out a 'partial or compromised deal'」]


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