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2021年01月22日  - No.1 - 5

故アブドゥラ殿下の一族がジャドモントファームの継続を発表(国際)【生産】


 故カリド・アブドゥラ殿下の一族は、おそらく世界一成功している競馬・生産事業、ジャドモントファームの継続を約束した。これにより、殿下のよく親しまれたグリーン・ホワイト・ピンクの勝負服は今後何年にもわたって見られることになる。

 世界中の競馬ファンに歓迎されるであろうこの発表は1月16日に行われた。これによると、ジャドモントファームは現在と変わらないまま事業を続けることになる。それに、1月12日に83歳で逝去したアブドゥラ殿下はすでに、今年の繁殖シーズンの交配計画を承認している。

 故アブドゥラ殿下の一族は今後数年間事業を推進すると約束することで、殿下の希望を叶えようとしている。殿下の勝負服は、フランケル、ダンシングブレーヴ、エネイブル、アロゲートなど数々の卓越した競走馬のシンボルだった。

 ジャドモントファームのCEOダグラス・アースキン・クラム氏は本紙(レーシングポスト紙)にこう語った。「何も変わることはないというニュースです。ジャドモントファームの運営は継続されます。殿下の一族、そして経営陣・スタッフ全員が事業に関わっていきます。これからも発展を続けていきます」。

 「しかしながら、ジャドモントファームの全てのスタッフが殿下の訃報に接して悲しみに打ちひしがれていると、あらかじめ言っておかなければなりません。重鎮としてすべての人に尊敬され称賛されてきた方と出会い、ましてやその方のために働くという幸運はめったにありません」。

 アブドゥラ殿下の子息のうちの2人、アフマド殿下とサウド殿下はエネイブルが出走するときに現地で観戦していた。また、アブドラ殿下の孫たちも競馬に強い関心を持っていると伝えられている。しかし、アブドゥラ殿下の今後の出走馬の名義についての決定はまだなされていない。

 アースキン・クラム氏はこう述べた。「一族に代わって現在言えることは、今回の約束によりこれまでと同じようにジャドモントファームの運営が継続していくということです」。

 「ジャドモントファームは40年以上前に創設され、信頼できる経験豊かな体制で運営しています。その土台には継続性があります。それがなければ、成功した生産事業体を築けません」。

 「殿下はいつも変革を受け入れ、それを実行してきました。しかし、ジャドモントファームの最も本質的な特徴は継続性です。ジャドモントファームのグリーンブック(政府刊行物)とも言われる"繁殖牝馬年鑑"に、それは最も如実に要約されています。殿下の生産事業は繁殖牝馬群に重点を置いています。殿下は血統について深い知識をもつことで、自らの繁殖牝馬群だけではなく、他のすべての生産者の繁殖牝馬群にも事実上影響を与えてきました。その影響は継続するでしょう」。

 アースキン・クラム氏は、サイモン・モクリッジ氏(英国)、ローリー・マーン(Rory Mahon)氏(アイルランド)、ギャレット・オールーク氏(米国)が長年にわたって勤めてきたことを強調し、ジャドモントファームの幹部チームがこれまでと同様に今後も重視されるだろうと主張した。

 「世界最高級のホースマンに自らの所有馬を託すことが、殿下の計画の一部でした。彼らは殿下に信頼されて計画を任された人々であり、彼らとそのスタッフは殿下のレガシーにとって重要な部分を占めます」。

 殿下が数年前に着手した合理化措置に従ってジャドモントファームの2歳馬が減少したとしても、競馬ファンは2021年においてもほとんど変化がないことに気づくだろう。一族の所有馬は、ジョン・ゴスデン調教師、サー・マイケル・スタウト調教師、アンドレ・ファーブル調教師、ボブ・バファート調教師などの世界のトップトレーナーに預託され続ける。一方、卓越したフランケルとキングマンを筆頭とする種牡馬群も維持されるだろう。2021年に、フランケルは種付料17万5,000ポンド(約2,450万円)、キングマンは種付料15万ポンド(約2,100万円)で供用される。

 アースキン・クラム氏はこう続けた。「殿下はすでに、繁殖牝馬の頭数を約3分の1減らして、2つの土地を売却することを決定していました。その影響は明らかにあります。今年は2歳馬が減りますが、それは5年~7年前に下された決定の結果です」。

 「殿下は"サラブレッド生産は道楽だ"といつもおっしゃっていましたが、常にビジネスとして運営していました。それは今でも大成功しているビジネスであり、そのおかげで私たちは再投資できます」。

 「例年であれば、ジャドモントファームにとって今は一年で最もワクワクする時期です。出産が始まったばかりであり、交配計画も承認されています。その交配計画の結果として2022年に生まれる仔馬は、2023年に1歳、2024年に2歳となり、2025年に3歳となって頂点に上り詰めるでしょう。2025年の3歳馬の中からチャンピオンが出れば、殿下が承認した交配計画が結実したことになります。それはいわば殿下が精力を傾けてきた長期的な計画であり、私たちを突き動かすものです」。


By Lee Mottershead

(1ポンド=約140円)

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[Racing Post 2021年1月16日「'Onwards and upwards' - Abdullah's family commit to maintaining Juddmonte empire」]

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