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2020年11月20日  - No.11 - 4

2021年クールモアの種付料(アイルランド)【生産】


 クールモアは、新入りのアリゾナ、ソットサス、ウートンバセット、熟練のリーディングサイアー、ガリレオを含む優秀な種牡馬群の2021年の種付料を発表した。

 今年8月にエトレアム牧場(フランス)から購買されたウートンバセット(12歳 父イフラージ)の種付料は、フランスでの最終シーズンの4万ユーロ(約500万円)から自己最高の10万ユーロ(約1,250万円)に引き上げられる。

 2016年欧州最優秀3歳牡馬アルマンゾルを送り出したウートンバセットの経歴は、着実に発展を遂げている。クールモアで供用されることが発表されてからも、新たに2頭のG1優勝産駒を記録に追加した。アベイドロンシャン賞(G1)優勝馬ウッディドと、ジャンロマネ賞(G1)とBCフィリー&メアターフ(G1)を制したオーダリヤである。

 ウートンバセットは今年、2歳でG2を制したシャンペンS(G2)優勝馬チンディット(Chindit)とサンズポイントS(G2)優勝馬タマヒア(Tamahere)も送り出している。

 ウートンバセットはこれからも高価な優良産駒を送り出し続けるだろうが、これまでG1を制したウートンバセット産駒3頭は同馬が種付料6,000ユーロ(約75万円)以下で供用されていたときに生産された。

 競走生活を凱旋門賞(G1)優勝で締めくくったソットサス(父シユーニ 母スターレッツシスター 母父ガリレオ)は、初年度は3万ユーロ(約375万円)で供用される。ジャン-クロード・ルジェ調教師に管理されたソットサスは、凱旋門賞の前に仏ダービー(G1 ジョッケークリュブ賞)とガネー賞(G1)を制しており、G1を通算3勝している。

 G1・3勝馬サーカスマキシマス(父ガリレオ)も種牡馬群に加わり、初年度種付料は2万ユーロ(約250万円)とされる。同馬の母はニアルコス・ファミリーに所有されたダントル(Duntle 父デインヒルダンサー)であり、デュークオブケンブリッジS(G2)を制したほかに、G1競走で3着内3回の成績を挙げている。サーカスマキシマスは、アリススプリングス、マインディング、ソブリン、ザグルカと同様に「父ガリレオ 母父デインヒルダンサー」の配合で生まれている。

 2歳シーズンに才能を開花させコヴェントリーS(G2)を制したアリゾナ(Arizona)は、父ノーネイネヴァーの傍らで種牡馬生活を送る。同馬はナショナルS(G1)とデューハーストS(G1)でそれぞれピナトゥボの3着と2着になっている。初年度種付料は7,000ユーロ(約88万円)。

 まもなく12回目のリーディングサイアーに輝くガリレオは、14年連続でプライベート価格で供用される。血統に大きな影響をもたらしてきたガリレオ(父サドラーズウェルズ)は今年、スター馬ラブ、マジカル、モーグルなどを送り出し、G1優勝産駒の頭数はデインヒルの記録を上回る89頭に達した。

 ガリレオは母父としてガイヤースやソットサスも送り出している。またタタソールズ社1歳セール・ブック1に上場されたガリレオ牝駒(ジャパン、モーグルの全妹)が、今年セリで取引された1歳馬の中で最高価格の340万ギニー(約4億9,980万円)でM・V・マグニア氏により落札された。この牝駒の母は、ニューセルズパークスタッドの優良繁殖牝馬シャスタイ(Shastye)である。

 アルコールフリーやテンソブリンズの父ノーネイネヴァーは引続き、公表されている中で最高額の種付料で供用される。しかし、来年の種付料12万5,000ユーロ(約1,563万円)は、193頭に種付けを行った今年の種付料17万5,000ユーロ(約2,188万円)を28.5%下回る。

 サーカスマキシマスと同様に、クールモアで父ガリレオとともに供用されるガリレオ産駒はほかに、オーストラリアをはじめ6頭いる。オーストラリアの種付料は2020年の2万7,500ユーロ(約344万円)からわずかに引き下げられて2万5,000ユーロ(約313万円)となる。立派な血統を誇る英愛ダービー馬オーストラリアは今年、セントレジャーS(G1)優勝馬ガリレオクロームとBCマイル(G1)優勝馬オーダーオブオーストラリアを送り出した。

 モンジューの後継種牡馬である英愛ダービー馬キャメロットは、ふたたび実りの多いシーズンを送ったおかげで、その種付料は反対に引き上げられ、4万ユーロ(約500万円)から4万5,000ユーロ(約563万円)となる。同馬は合計7頭のG1馬を送り出しており、今年新たにG1を制した産駒はサニークイーンがバイエルン大賞(G1 11月8日)を制したことで4頭となった。

 他にG1馬を送り出している種牡馬は、ファストネットロック、フットステップスインザサンド、ホーリーローマンエンペラー、マスタークラフツマン、ロックオブジブラルタル、スタースパングルドバナー、ゾファニーである。これらの種牡馬の種付料はすべて引き下げられる。

 サクソンウォリアー、スーネーション、ユーエスネイビーフラッグはすべて、来年1歳となる初年度産駒がセリに上場されるだろう。種付料はそれぞれ2万ユーロ(約250万円)、1万ユーロ(約125万円)、1万2,500ユーロ(約156万円)とされる。

 2020年に新種牡馬として供用されたカリックス、マグナグレシア、テンソブリンズの種付料はわずかに引き下げられ、それぞれ1万6,000ユーロ(約200万円)、1万8,000ユーロ(約225万円)、2万ユーロ(約250万円)となる。
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By James Thomas

(1ユーロ=約125円、1ポンド=約140円)

[Racing Post 2020年11月12日「Major fee upgrade for Wootton Bassett as Coolmore release 2021 price list」]


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