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2019年08月21日  - No.8 - 4

ディープインパクトは世界で最も成功した種牡馬の1頭(国際)【生産】


 日本のリーディングサイアーとして7年間君臨していたディープインパクト(17歳)は、7月30日に頸椎骨折が判明して安楽死措置が取られた。同馬はすでに世界で最も成功した種牡馬の1頭としての地位を獲得している。

 ディープインパクト(父サンデーサイレンス)の産駒は10世代が競走年齢に達している。それらの産駒1,449頭のうち、ステークス勝馬は138頭(9.5%)、重賞勝馬は113頭(7.8%)である。日本の潤沢な賞金体系に支えられ、ディープインパクト産駒は総額5億3,100万ドル(約557億5,500万円)もの賞金を獲得し、1頭当たりの平均獲得賞金は41万3,568ドル(約4,342万円)に上る。

 このような数字により、ディープインパクトは世界中の絶大な影響力を誇る種牡馬と肩を並べている。

 ディープインパクトに関しては、「競走年齢に達した産駒」に対する「重賞勝馬」は7.8%(113頭)である。これは、サドラーウェルズの7.6%(172頭)、エーピーインディの7.7%(94頭)、ガリレオの7.4%(203頭)に匹敵する。また、ディープインパクトが送り出した重賞勝馬のうち37%がG1馬であり、チャンピオン馬は16頭いる(訳注:チャンピオン馬とは、各国で最優秀賞に選ばれた馬。ディープインパクトとサンデーサイレンスの産駒に関してはJRA賞受賞馬がチャンピオン馬とされる)。

 それでも、ディープインパクトは父サンデーサイレンスが打ち立てた目覚ましい記録の多くに到達しておらず、このことは日本でのサンデーサイレンスの影響の深さを示している。

 米国二冠を達成したサンデーサイレンスはステークス勝馬172頭(11%)、重賞勝馬143頭(9.2%)を送り出している。本誌(ブラッドホース誌)の『マーケット・ウォッチ』は、ディープインパクトの種牡馬としての地位を確認するために「絶大な影響力を誇る16頭の種牡馬」をピックアップした(下表を参照)。その中にサンデーサイレンスも含まれており、多くの出走馬を送り出した種牡馬の1頭である。

 サンデーサイレンス(父ヘイロー)はこのリストにおいて、「競走年齢に達した産駒」に対する「勝馬」が最高の70%をマークしている。ディープインパクトは父に次ぐ66%であり、ロベルト(ヘイローの父ヘイルトゥリーズンを父とする)と同率である。

 余談だが、このリストはノーザンダンサーが種牡馬としてどれほど偉大だったかを思い出させてくれる。ノーザンダンサーは、「競走年齢に達した産駒(646頭)」に対する「ステークス勝馬」が23%、「重賞勝馬」が12%であり、どの種牡馬よりも勝っている。出走産駒数は、このリストの種牡馬の中で圧倒的に少ない。それでも「AEI」は4.11であり、これは16頭の種牡馬の中で最高であるだけではなく、「クロップ数」が23であるのに対して異常なほど高い。

 『マーケット・ウォッチ』は、南米での影響力の大きさだけでなくヘイローのもう1頭の産駒であることからサザンヘイローをこのリストに入れた。同馬は勝馬1,118頭(61%)、ステークス勝馬176頭(10%)、重賞勝馬129頭(7.1%)を送り出している。

 また北米において、ヘイルトゥリーズンのサイアーライン(牡系)は依然として勢いを保っている。トップクラスのシャトル種牡馬モアザンレディ(父サザンヘイロー)は、カスタムフォーカルロス(Custom for Carlos)、デアデヴィル(Daredevil)、ファンタスティック(Funtastic)、レディズイメージ(Ready's Image)、ヴェラザノ(Verrazano)などを送り出している。ダイナフォーマー(父ロベルト)は、現在種牡馬となっているダニッシュダイナフォーマー(Danish Dynaformer)、メダルカウント(Medal Count)、ポイントオブエントリー(Point of Entry)、テンプルシティ(Temple City)を送り出している。クリスエス(父ヘイルトゥリーズン)は、アーチを介してその影響を拡大した。現在はBCクラシック(G1)優勝馬ブレイムが父アーチの後を継いでいる。

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By Eric Mitchell

(1ドル=約105円)

(関連記事)海外競馬ニュース No.29「ディープインパクトの死後にその栄光を継ぐのはどの種牡馬か?(日本)

[bloodhorse.com 2019年7月30日「Deep Impact's Deep Influence」]


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