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TOPページ > 海外競馬情報 > 競走当日のラシックス使用の排除を目指す競馬場連合(アメリカ)【開催・運営】
海外競馬情報
2019年05月22日  - No.5 - 1

競走当日のラシックス使用の排除を目指す競馬場連合(アメリカ)【開催・運営】


 4月18日、米国の主要な競馬統轄機関・団体が中心となって競馬場連合を結成し、2020年からフロセミド(別名:ラシックス、サリックス)の競走当日の使用を段階的に排除する計画を発表した。この連合には以下の競馬場が参加している。

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 2018年には、全米のステークス競走(重賞・リステッド競走)の86%がこれらの競馬場で施行された。これらの競馬場はこの計画を実現させるために、ホースマングループや競馬委員会とともに熱心に取り組むだろう。

 この新しい計画のもと、レース前24時間以内の治療目的でのラシックス使用は、2020年1月1日からは2歳出走馬に、2021年からはステークス競走の全出走馬に禁止される。したがって、2021年には三冠競走が、競走当日のフロセミド使用を禁じるルールの下で施行される。

 以下の団体も新たな計画を支持してこの連合に加わっている。

・ ブリーダーズカップ協会

・ サラブレッド馬主・生産者協会(TOBA)

・ アメリカグレード競走委員会(American Graded Stakes Committee TOBAが設立・運営)

・ ケンタッキー州サラブレッド協会(Kentucky Thoroughbred Association)

 米国の重賞競走の大半を施行する3つの競馬場オーナーグループは、この改革を支持している。

 NYRAの理事長兼CEOのデヴィッド・オールーク(David O'Rourke)氏はこう語った。「これは、競走当日薬物使用という問題に対する先進的で統一的なアプローチです。若い馬や血統を受け継いでいく馬のために、薬物に関して国際水準との整合性を図ります」。

 ストロナックグループの会長兼理事長のべリンダ・ストロナック氏はこう語った。「伝統的なスポーツである競馬を発展させるために団結した動きを見せるのは、まさに今です。取り組むべきことはまだ沢山ありますが、これらの改革は幸先の良いスタートを切り、競馬場連合は統一方針に向けて重要なステップを踏み出しました。私たちは、馬の健康・安全を優先するさらなる改善をいかに行うかについて、焦点を絞り人材や資金を投入します。この一歩を踏み出した競馬産業のパートナーたちを称賛します。この協力関係が継続していくことを期待しています」。

 チャーチルダウンズ社のCEOビル・カースタンジェン(Bill Carstanjen)氏はこう語った。「過去数年間にわたって、弊社は競馬界の多くの中心的課題に対して行動を起こしてもらうために、数々の利害関係者と会合を重ねてきました。この連合は、米国の競馬を国際水準とさらに調和させるための大変意義深い一歩です。私たちはこの計画と他の重要な改革を確実に実現させるために、他のホースマングループや統轄機関などの利害関係者とも協力し続けていきます」。

 米国競馬において、運動誘導性肺出血(exercise-induced pulmonary hemorrhage:EIPH)の予防もしくは症状軽減のために、ラシックスは競走当日に使用されてきた。世界の主な競馬国の大半では競走当日の薬物使用は認められていない。

 ニューヨーク州サラブレッドホースメン協会(New York Thoroughbred Horsemen's Association:NYTHA)のジョー・アッペルバウム(Joe Appelbaum)理事長は、新たな基準の必要性を疑問視している。ただ、ルールによって義務付けられれば、ホースマンはEIPHを制御するという難題にうまく取り組んでいくだろうと付け加えた。しかし、サンタアニタパーク競馬場で予後不良事故が頻発した直後にこの方針が採用されようとしている中、フロセミドが悲惨な予後不良事故と関係しているとの見方に疑義を挟む。

 アッペルバウム理事長はこう語った。「確かに、最近のサンタアニタ競馬場での予後不良事故の多発は健康・安全に関する課題への注目を高めました。しかし、もっぱらフロセミドの使用方針だけに重点を置くことで、競馬産業は予後不良事故率を低下させて本当に競走馬のためになる包括的で広範囲に及ぶ改革を実現するチャンスを逃しています。競馬産業において、フロセミドは10年以上にわたり激しい議論を招く課題であり続けています。しかし、フロセミドの使用が予後不良事故につながるとは誰も思っていません。米国の調教師の間では、フロセミドはEIPHと闘うための有効な手段だと広く信じられています」。

 「この計画の成果は何年も経たなければ明らかにならないでしょうが、NYTHAは世界で最も才能溢れるホースマンたちを代表しています。私たちは競走馬の健康と福祉を維持しながら、EIPHの制御にうまく取り組んでいくでしょう」。

 「競馬場運営者は、競馬場連合の結成は安全・福祉問題における継続的協力の最初のステップであると表明しています。これが協調的な話合いの始まりとなることを望んでいます。そして次の2つをホースマンに提案します。①『2012年ニューヨーク州競走馬の健康・安全に関する特別委員会報告(2012 New York Task Force Report on Race Horse Health and Safety)』に盛り込まれた勧告の全国的な適用。②『2019年予後不良事故を減少させるための中部大西洋沿岸地域戦略計画(2019 Mid-Atlantic Strategic Plan to Reduce Equine Fatalities)』の優先的実施のための資金・人材の提供」。

 ニューヨーク州特別委員会(New York Task Force)は、「獣医師による監視は、競馬場ではなく競馬統轄機関の仕事であるべきです」と強調した。そして、競走前検査の重要性を主張し、危険な状態にある馬を特定する手順の改善を要求した。いくつかの州はそれらの基準を策定している。また、『2019年予後不良事故を減少させるための中部大西洋沿岸地域戦略計画』に記載されている目標の中には、調教中の予後不良事故を記録するための測定基準の開発、ホースマンへの啓蒙活動の改善、馬の故障リスクを減少させる最良の実践方法(ベストプラクティス)の発展がある。

 キーンランド協会の理事長兼CEOのビル・トマソン(Bill Thomason)氏はフロセミド使用に関する新しい計画を支持し、この改革は米国の薬物使用ルールを国際水準に合致したものにすると述べ、こう語った。「この新しいプログラムは、国内外の舞台で米国産馬が長期的に活躍することを目指すための重要なステップです。競馬の公正確保は私たちの中心的な使命であり、競馬産業への連帯責任を負っています」。

 競馬場連合は北米の競馬場に対して、この取組みに参加して同じ方針を適用するように促している。

By Blood-Horse Staff

[bloodhorse.com 2019年4月18日「Racetrack Coalition Moves Toward Lasix Ban in Stakes」]


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