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2016年07月20日  - No.7 - 6

英国のEU離脱による北米のセリへの影響を語るには時期尚早(アメリカ)【生産】


 英国のEU(欧州連合)離脱の是非を問う国民投票が、離脱派約52%、残留派約48%で離脱派の勝利で終わり、その直後にポンドが急落した。米国の大手セリ会社2社の経営陣は、この状況がまもなく開催される北米の1歳セールに影響を及ぼすかどうかについて発言するのには時期尚早であると述べた。

 離脱派が勝利した途端、1ポンドは木曜夜に1.5ドルであったのに対し、翌日には10%以上急落して1.32ドルとなり、1985年以来31年ぶりの安値水準となった。世界の金融市場にも動揺が広がり、ダウ平均とS&P500指数はいずれも3%以上値下がりした。

 ファシグ・ティプトン社(Fasig-Tipton)は、今後以下の日程でセリを開催する。

 7月11日 現役馬セール(ケンタッキー州レキシントン)

 7月12日 1歳セレクトセール(ケンタッキー州レキシントン)

 8月8日・9日 サラトガ1歳セレクトセール(ニューヨーク州サラトガスプリングス)

 8月13日・14日 NY州産1歳セール(ニューヨーク州サラトガスプリングス)

 また、キーンランド協会(Keeneland Association)は、9月12日~24日の長期間にわたり9月1歳セールを開催する。

 ファシグ・ティプトン社の会長兼CEOのボイド・ブラウニング(Boyd Browning Jr.)氏はこう語った。「弊社の7月と8月のセリの購買者はほとんどが米国人であり、英国のEU離脱の決定が大きな影響を及ぼすとはみていません。今日の金融市場は乱高下していますが、状勢を考えれば予想外のことではありません。時間とともに金融市場が落ち着き、理性的な考えや計画性が戻ってくれば、このような浮き沈みは徐々に正常化するでしょう。今後セリが始まるまでには多少安定すると考えます」。

 キーンランド協会の販売担当部長であるジェフリー・ラッセル(Geoffrey Russell)氏はこう語った。「今後どうなるのかについて見解を語るには、時期尚早でしょう。国民投票の結果に対する市場の最初の反応は否定的でしたが、時間とともに安定することを期待しています。ポンドがあっと言う間に急落したことは懸念すべきことです。当協会の有力購買者は世界中で取引を行う人々ですので、ポンドが急落しただけでは影響を受けないでしょう。しかし、小規模な個人購買者にとっては大きな影響を及ぼす可能性があります」。

 ブラウニング氏は笑顔でこう語った。「これから7月12日までに為替市場で起こることを予知する能力があれば、何も心配する必要はないのですが。ポンドは大きく下落しており、もし弊社がポンド建てで取引していれば、明らかに影響を受けていたでしょう」。

 「25年前に比べれば、最近は為替市場の乱高下が日々繰り返されていますが、北米の1歳セールに大きな影響が及ぶとは考えていません。とは言え、不安定であるよりも安定しているほうが良いです」。

By Ron Mitchell

[bloodhorse.com 2016年6月24日「Too Early to Gauge 'Brexit' Effect on Sales」]


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