大手競馬チャンネルのTVG社がライバルのHRTV社を買収(アメリカ)【開催・運営】
2月18日、ベットフェア社(Betfair TVG社を所有)とストロナックグループ(Stronach Group HRTV社を所有)はライバル関係にある米国の大手競馬チャンネル2社を統合させ、TVG社がHRTV社の運営を担うと発表した。
この契約に基づき、TVG社はロサンジェルスにある自社スタジオから、HRTV社の番組を放映する。テレビ放映の統合により、今後7年間はサンタアニタパーク、ガルフストリームパーク、ピムリコ、ローレルパークおよびゴールデンゲートフィールズ競馬場(すべてストロナックグループが所有)のレースを目玉とする放映が実施され、国内外の主要競馬場からのレース放映も拡大する。
ベットフェア社は当初2,500万ドル(約30億円)を支払い、今後7年間にわたって総額4,780万ドル(約57億3,600万円)の対価を支払うが、その額は今後のTVG社の売上げに依存する。予測される今後のキャッシュフローに基づいた場合、これらの支払い額の現時点での適正な市場価値は、5,630万ドル(約67億5,600万円)と見積もられている。
過去1年間において、これまでの契約に基づいてTVG社は、HRTV社に430万ドル(約5億1,600万円)のテレビ放映料を支払っていた。これにはHRTVが独占権を有していたストロナックグループ所有の競馬場のレース放映が含まれていたが、今回の契約によってTVG社は、これらの料金を支払う必要がなくなる。
この契約により、ベットフェア社は統合されたテレビ事業を100%所有することになるが、ストロナックグループが所有する会員制賭事会社エクスプレスベット社(Xpressbet)は、契約に含まれていない。また、この契約によって2つのネットワークを通じて放映される米国の競走数は、5,000レース以上増加する。ケーブルテレビ、衛星放送、光回線を使用するテレビ向けの映像サービスを通じ、TVG社は現在米国の3,650万世帯に、HRTV社は1,950万世帯に利用されている。
TVG社のCEOキップ・レヴィン(Kip Levin)氏は、次のように語った。「今回の契約により、放映レース数が増加し、良質な競馬コンテンツが視聴者へ配信できるようになります。このことは、米国における競馬の普及を意味し、TVG社とHRTV社にとって楽しみな一歩となります。私たちが最近実施した新しい最先端スタジオへの投資が、完了します。TV放映基盤の統合の一環として、ストロナックグループ所有の競馬場のレース放映を拡大できて嬉しく思っています。最高の米国競馬を提供するとともに、会員制賭事システムを通じた賭事提供を増加させ、活発な広告・販売活動を一層推進することを、この契約によってTVG社は約束します」。
一方、ストロナックグループのCEOアロン・オシップ(Alon Ossip)氏は、次のように語った。「私たちの施設と競馬コンテンツへの高額投資が相まって、TVG社はテレビの技術と配信に多額の投資を実施しました。これは、すべての重要な顧客と競馬関係者が、国際的に競馬を楽しめる最高の方法です」。
声明では、今後この2つのネットワークは、より多くのレースをライブで配信できるとしている。これまでTVG社は年間約2万7,000レース、HRTV社は年間約1万6,000レースを放映してきたが、かなりの重複があること、スケジュール調整できないことにより、録画放映が遅延しがちであった。TVG社の役員は、現行に5,000レース以上が追加され、年間約4万レースを放映できると見込んでいる。ネットワークの統合は、今後数週間をかけて実施される。
By Ron Mitchell
(1ドル=約120円)
[bloodhorse.com 2015年2月18日「TVG Acquiring HRTV; Operations to Merge」]