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2015年02月20日  - No.2 - 5

英国の2015年賞金総額、過去最高記録を更新(イギリス)【開催・運営】


 2015年の英国競馬の賞金総額は史上最高を記録することになるが、BHA(英国競馬統轄機構)は「この賞金レベルは一流競馬国としての英国の名声を反映していない」と主張した。

 1月19日に退任を控えたBHAのCEOポール・ビター(Paul Bittar)氏は、この最後の重要な発表において、2014年の出走頭数が2003年以降もっとも少なくなったことを明らかにし、出走頭数減少についての懸念を再度表明した。

 2015年の賞金総額は計画では1億3,080万ポンド(約235億4,400万円)となり、過去最高だった2014年の1億2,320万ポンド(約221億7,600万円)からさらに6.2%増加する。

 賞金総額が9,400万ポンド(約169億2,000万円)を下回った2011年から急増したことが示された一方で、ビター氏は競馬界の資金調達制度の総点検が必須であると主張し、次のように語った。

 「2015年の賞金総額が、過去最高であった2014年を上回るのは喜ばしいことです」。

 「賞金総額の増加は、競馬関係者すべてに利益をもたらすと同時に、馬主になることや競馬への投資を促進することから、競馬の健全性確保と繁栄にとって不可欠です」。

 「大多数の競馬場がホースメングループ(Horsemen’s Group)およびBHAと交わした賞金額契約が、2014年と2015年の賞金総額増加に大きく寄与しています」。

 「これらの契約は、資金提供を増加させる枠組みを作りました。加えて、競馬が国内外を問わずスポンサーから多額の投資を引きつけることを、2015年の賞金総額は明確に示しています」。

 一方で、賦課金収入の減少予想を受け2016年の経費を削減するという競馬賭事賦課公社(Levy Board: 賦課公社)の最近の発表を踏まえ、ビター氏は「取り組むべきことはまだ沢山ある」とくぎを刺した。そして賦課金制度について、その改革で対処するか、あるいは他の制度に代替するかという議論に関する政府協議の重要性についても強調した。

 ビター氏は続けた。「近年の進展にもかかわらず依然として課題に直面しています。英国の賞金水準は英国競馬の国際的名声に見合うレベルに達していません」。

 そして「賦課金制度が変わらない限り、取り組まなければならない課題が沢山生じると長期予測が示していることも、私たちはわかっています。競馬界の中央資金調達モデルに関する政府協議が目前に迫っていますが、これは競馬界の将来の発展にとって極めて重要な問題です」と付け加えた。

 2015年の賞金総額1億3,080万ポンド(約235億4,400万円)のうち、4,830万ポンド(約86億9,400万円)は賦課金収入から、1,980万ポンド(約35億6,400万円)は馬主から、430万ポンド(約7億7,400万円)は大手ブックメーカー4社の追加的任意資金提供から拠出される。

 4,830万ポンドは最近発表された額よりも少ないが、賦課公社はこのほかに、生産者賞、出走奨励金、英国馬主・生産者奨励計画(British Owners and Breeders Incentive Scheme)、開催中止準備金などにも資金を拠出する。

 賞金総額の残りは競馬場からの拠出であるが、2015年のその拠出額は史上最高の5,840万ポンド(約105億1,200万円)に上ると計画されている。これは2010年の3,030万ポンド(約54億5,400万円)のほぼ2倍であり、それまで過去最高であった2014年の拠出額を350万ポンド(約6億3,000万円)上回ることになる。

 競馬場協会(Racecourse Association)の競走担当理事クレア・シェパード(Claire Sheppard)氏は次のように語った。「競馬場の拠出額が史上最高レベルに達することに満足しています。ブックメーカー4社による追加的任意資金提供の導入と併せ、2015年の賞金総額が推定1億3,000万ポンド(約234億円)以上に達することに、競馬場は多大な貢献を果たしています」。

 「競馬の収入を増やし投資を引きつける商業目的のために、競馬場はいつも懸命に取り組んでいます。そしてこれらの分野が伸びることで、競馬場は競馬産業全体に恩恵を与えるべくより多くの資金を賞金総額に拠出することができます」。

 「競馬産業のパートナーと一緒に2015年も競馬発展のために引き続き取組むことを楽しみにしています」。

 ホースメングループ(Horsemen’s Group)の会長のフィリップ・フリードマン(Philip Freedman)氏は競馬場の努力に感謝し、賞金総額の増加を歓迎して、次のように語った。

 「昨年の賞金総額増加と2015年に見込まれるさらなる増加は、競馬界にとって重要で励みになります。2014年の賞金総額増加の大半を占めた競馬場の拠出額のさらなる増加に、昨年初めの賞金額契約の導入と競馬場間での賦課金収入の分配方法の変更が寄与しました」。

 「賞金総額の増加にかかわらず依然として馬主が減少している事実は、競馬を繁栄させるためにはさらなる進展が必要であることを示しています」。

 「競馬番組全体がこの歓迎すべき賞金額の増加を分かち合えるよう、一刻も早く、最少賞金額を賞金総額の増加と同じペースに保つようにすることが重要です」。
 

英国の賞金総額の推移
  2013年 2014年 2015年
馬 主 £1,790万
(32億2,200万円)
£1,980万
(35億6,400万円)
£1,980万
(35億6,400万円)
競 馬 場 £4,860万
(87億4,800万円)
£5,490万
(98億8,200万円)
£5,840万
(105億1,200万円)
賦課金収入 £4,780万
(86億  400万円)
£4,830万
(86億9,400万円)
£4,830万
(86億9,400万円)
ブックメーカー4社に
よる任意資金提供
0 £20万
(3,600万円)
£430万
(7億7,400万円)
合 計 £1億1,430万
(205億7,400万円)
£1億2,320万
(221億7,600万円)
£1億3,080万
(235億4,400万円)

 

By Bill Barber
(1ポンド=約180円)

[Racing Post 2015年1月15日「£130−Record-breaking prize-money in 2015 but Bittar calls for more」]


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