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2014年09月20日  - No.9 - 6

生産頭数、パリミューチュエル賭事売上げ、賞金額の相関性(アメリカ)【その他】


 過去10年間、物価上昇分を調整した実質ベースでみると、米国のパリミューチュエル賭事売上げは41.6%、賞金総額は16.3%それぞれ減少した一方、平均賞金額は約4%増加した。同時に米国で登録されたサラブレッド生産頭数は3万4,800頭から2万1,275頭となり38.9%減少した。

 パリミューチュエル賭事売上げの推移と生産頭数の傾向はほぼ確実に相関している。同じく、賞金総額と生産頭数の動向の相関性も非常に高い。

 相関性は因果関係の決定的な尺度ではないが、パリミューチュエル賭事売上げと賞金総額の減少に対して、生産者が牝馬への種付けを控えることで迅速に反応したと解釈することは理に適っている。

 2008年の金融危機の後、2009年と2010年に1歳馬落札価格は低下したが、2011年には大きく立ち直った。2008年から平均価格は(物価上昇分を調整した実質ベースで)8.6%増加し、中間価格は70%増加した。しかし、生産頭数は相変わらず低水準であった。もし生産者たちがセリでの落札価格をもとに決定を行っていたとすれば、2011年からより多くの牝馬に種付けが行なわれたのではなかろうか?生産頭数減少には他の何かが作用しており、それは(実質ベースで)減退しているパリミューチュエル賭事売上げと賞金総額である可能性があることをこの数字は示している。

 これと比較すると、平均賞金額の増加傾向と生産頭数の減少傾向の間には相関性がない。その1つの理由は、賞金総額を配分するレース数がかなり少なくなったことから、平均賞金額は維持、または増加されてきたということである。米国では、2004年に5万3,595レースが施行されていたのに対し、2013年には4万3,139レースしか施行されなかった。また、もう1つの理由は賞金額が代替的な収入源であるスロットマシンに支えられたことである。

 米国のサラブレッド生産界の規模は、パリミューチュエル賭事売上げと賞金総額の動向の後を追い続けるはずだが、賞金総額はパリミューチュエル賭事売上げとスロットマシン収入の両方からもたらされている。それ故、米国競馬産業の規模は最終的には、州政府が引き続きスロットマシン収入を賞金に提供すると同時に、競馬場がパリミューチュエル賭事売上げを回復させるためにとる行動によって決まってくる。

 生産頭数が減少したことにより、賭事客が好む多頭数のレースを施行するには、レース数の少ない競馬番組を編成することが余儀なくされるだろう。この“少ない方が効果がある”というアプローチは賭事売上げを増やす傾向にある。また、生産頭数の減少は、引退馬を減らし養老施設に入りやすくするなどといった、良い面も有している。

By William Shanklin

[The Blood-Horse 2014年8月23日「Breeding Reacts To Handle, Purses」]


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