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海外競馬情報
2014年07月20日  - No.7 - 6

ロイヤルアスコット開催のTV視聴者数、2年間で58%減少(イギリス)【その他】


 6月22日、英国一権威ある平地開催のロイヤルアスコット開催が僅か2年でテレビの地上波放送の視聴者の半分以上を失ったことを示す数字が発表されたが、チャンネル4(Channel 4)と、競馬産業の中心的立場にいる人物は、これを肯定的なラインで捉えることを決心したようだ。

 チャンネル4にとってもう1つの打撃は、開催最終日の土曜日にピーク時の視聴者数が88万3,000人(前年109万6,000人)で、平均視聴者数が60万5,000人(前年の82万7,000人から27%減)となったことである。

 この数字は2012年にスター牝馬ブラックキャビア(Black Caviar)が出走した時のBBCの平均視聴者数189万9,000人から68%も減少したことを示している。また、チャンネル4のアスコット開催5日間の放映の中で、前年に較べ回復したのは下落傾向にあった水曜日の視聴者数だけで、これに対しても辛辣な評価が与えられた。

 今年の開催5日間の平均視聴者数は、BBCが放送していた2012年の138万2,600人に対し58万3,400人であり、ロイヤルアスコット開催は僅か2年で58%の視聴者を失ったことになる。

 チャンネル4は、連日午後に約4時間半をかけて全レースを中継したほか、“ザ・モーニングライン(The Morning Line)”とダイジェスト番組を放送したが、ソーシャルメディアネットワークでの反応は概ね上々だったものの、この視聴者数の数字は、これらの放送番組が人々の想像力をかき立てることができなかったことを示している。

 同じくチャンネル4が放送した今年の英ダービーでは、視聴者がダービー史上最低の155万人に落ち込んだことから、BBCとの関係を解消して2016年までの独占的地上波放送権をチャンネル4に与えた競馬界の実力者の見識が疑われるのは避けられないだろう。

 番組に新たな魅力を加えるためにフランキー・デットーリ(Frankie Dettori)騎手や、ファッション界の教祖的存在ゴク・ワン(Gok Wan)氏を起用したにも拘わらず、前年から視聴者数を増加させることができなかった。このため、チャンネル4との契約に署名した競馬場メディアグループ(Racecourse Media Group: RMG)ジョッキークラブ競馬場社(Jockey Club Racecourses)、アスコット競馬場および英国チャンピオンズシリーズ社(British Champions Series)が、今後はもっと影響力を行使しようとするかもしれないと言われている。

 しかし最近の失敗にもかかわらず、契約プロセスで指導的な存在であったRMGのCEOリチャード・フィッツジェラルド(Richard FitzGerald)氏とアスコット競馬場のCEOチャールズ・バーネット(Charles Barnett)氏は、今もなお公然とチャンネル4を支持している。

 バーネット氏は次のように語った。「ロイヤルアスコット開催の放送に昨年から一緒に取組んでいますので、今週のチャンネル4の番組には満足しています。従来とは全く違う形でロイヤルアスコット開催が紹介されることがとても重要で、チャンネル4は毎日オープニングからオリジナル性に富んだ字幕などを使い、それを実行していました」。

 「ゴク・ワン氏をファッション番組の代表として起用したことは素晴らしかったと証明されました。彼はいつもどおり優秀な競馬チームとすぐに打ち解けました」。

 フィッツジェラルド氏は次のように語った。「運よく地上波の競馬専門番組で全30レースを放送できました。ワン氏とデットーリ騎手がチームに加わったことで、人々の心をとらえ、質の高い放送はアスコット開催の興奮と魅力を存分に伝えました。私たち全てには、一般に向けて広く競馬を盛り上げ、より多くの人々に語り掛け、競馬番組は必見であると保証することで、視聴者を最大限増やしていく役割があります」。

 チャンネル4のスポークスウーマンは次のように語った。「ロイヤルアスコット開催は、チャンネル4の番組日程の目玉であり、チャンネル4の競馬チームが5日間にわたって新しい司会者、見どころ、新機軸を盛り込み質の高い放送を行ったことを誇らしく思います。この1週間すべてのテレビ局がそうであるように、私たちは引き続き全体的なテレビ視聴者数の減少に直面していますが、他のチャンネルが放送したサッカーワールドカップの影響にもかかわらず視聴率は上昇しました」。

 「チャンネル4は長年競馬に大きく関わってきており、できるだけ多くの視聴者の目を競馬に向けさせたいと思っています。そのため年間を通じて、大規模なマーケティング活動とより広い番組制作によって競馬を支援してきました」。

 「絶えず番組を見直し投資を継続して、最高の競馬番組を提供するよう競馬産業全体とともに取組んでいくつもりです」。


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 By Graham Green

(関連記事)海外競馬情報 2012年No.4「チャンネル4が競馬の地上波放映を独占(イギリス)

[Racing Post 2014年6月23日「C4 hit by further big drop in Ascot figures」]


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