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2013年01月20日  - No.1 - 1

ドイツ、鞭使用ルールを英国よりも厳格化(ドイツ)【開催・運営】


 ドイツの競馬統轄機関は、これまでも既に厳しかった同国の鞭使用ルールを騎手が全く尊重して来なかったとし、1レースで6回以上鞭を使用すれば自動的に過怠金と騎乗停止処分が生じる新たな規則の導入を発表した。

 英国のジョッキークラブに相当する“ディレクトリウム(Direktorium)”のCEOアンドレアス・ティートケ(Andreas Tiedtke)氏は、非常に強い調子の声明において、「鞭の濫用はドイツにとって依然として大きな問題です。BHA(英国競馬統轄機構)は鞭使用ルールを変更しましたが、そのルールもドイツが今般変更した鞭使用ルールに比べれば穏やかに見えます」と語った。

 ドイツ出身で英国を拠点とするフレディ・ティリキ(Freddie Tylicki)騎手は、2013年1月1日から発効する厳格な新ルールに驚いていると述べたが、この反応は、ドイツやドイツ以外の国、特に英国を拠点としている騎手の間でも同様のはずである。英国では鞭使用を巡るすさまじい論争が2011年10月から2012年3月まで繰り広げられ、最終的に、鞭が平地競走で8回、障害競走で9回使用された場合でも裁決委員が騎手の騎乗ぶりを精査した上でルール違反を判断するというガイドラインに大幅に緩和されている。

 2013年1月からは、ドイツで鞭を6回以上使用する騎手には自動的にかなりの過怠金が科される。すなわち、優勝賞金または入着賞金の進上金(5%)の半分、あるいは51勝以上挙げている騎手であれば、その額と500ユーロ(約5万5,000円)のいずれか高い方の額が科される。

 つまり、優勝賞金10万ユーロ(約1,100万円)のレースに勝った場合、その過怠金は2,500ユーロ(約27万5,000円)となる。さらに騎手は裁決委員から鞭使用回数が超過しているとみなされれば、騎乗停止処分が科されることになる。

 ドイツで騎乗する全ての騎手は、強化されたルールを承知し受け入れる旨の声明に署名することが要求される。

 ティリキ騎手は次のように語った。「私たちは前回、鞭使用回数を7回にまで減らしましたが、効果はありませんでした」。

 「鞭の濫用が一般の人々とメディアにとってなお大きな問題であるために、今やより厳格な措置が採用されようとしています」。

 「私たちは、絶えず一般の人々や動物愛護団体からの批判や訴訟の恐れにさらされています」。

 「馬の福祉は最も重要なことであるので、何が何でも勝つという騎手の態度は撲滅しなければなりません」。

 「今年ハンブルグ競馬場で施行されたドイツダービーで1着〜3着馬に騎乗していた騎手全てが騎乗停止処分を科された状況を繰り返したくはありません」。

 「ドイツ人は動物、特に馬を愛しており、私たちは残酷であると取られる行動すべてをやめなければなりません。馬を真っ直ぐ走らせる、あるいは進路を変えるための鞭使用には反対しませんが、鞭の濫用や過度の使用はやめなければなりません」。

 2012年にドイツに行って10回騎乗し英国では67勝を挙げているティリキ騎手は、「今回のルール変更の内容や声明文の文言が非常に厳しいことに驚きました」と語った。

 そして次のように続けた。「私はドイツの騎手たちは非常にまっとうなプロ意識を持って騎乗していると思います。今年ドイツに騎乗しに行ったときに、酷い鞭の使い方をしていた騎手はたった1人しか思い当たりません」。

 「英国の王立動物虐待防止協会(Royal Society for the Prevention of Cruelty to Animals:RSPCA)に相当するドイツの団体がどう考えているのか知りませんが、ドイツの人々はあまり競馬に夢中ではなく、ドイツ競馬は破綻寸前です」。

 12月13日に発表された他のルール変更には、最低負担重量を平地競走では8ストーン3ポンド(約52.2 kg)、障害競走では9ストーン11ポンド(約62.1kg)に引き上げることや、ドイツの重賞競走への登録料を総賞金の2%に引き上げることなどがある。

By David Conolly-Smith
(1ユーロ=約110円)

[Racing Post 2012 年12月14日「Five-hit limit as Germany tackles whip-abuse issue」]


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