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海外競馬情報
2011年03月25日  - No.6 - 4

英国と愛国の種牡馬数が大幅減少(イギリス・アイルランド)【生産】


 産駒数の継続した減少と符合する形で種牡馬数が大幅に減少しているという兆候が浮き彫りとなった。

 ウェザビー社(Weatherbys)のポール・グリーヴス(Paul Greeves)理事が“まったく異常である”と表現したように、過去3年間でアイルランドの産駒数と英国の産駒数がそれぞれ39%と21%減少していることが1月に明らかになった。

 そしてこの産駒数減少と同様のパターンは種牡馬数においても見られた。2月中旬にウェザビーズ社によって発行された2010年“ファクトブック”によれば、2007年には40頭であったアイルランドの新種牡馬数が2010年には 13頭 に減少している(2008年は33頭、2009年は20頭)。

 また全体的にも連続した減少傾向が見られる。2007年にはアイルランドに供用3年以上となる 種牡馬が328頭いたが、2010年には209頭に減少している(2008年は305頭、2009年は276頭)。そして供用3年以上の種牡馬の割合は、2009年のアイルランドの種牡馬数全体の85%から2010年には87%になった。

 ウェザビー社による登録が翌年になることがしばしばあるので、2010年の全体の種牡馬数は増加するかも知れないが、2007年には43頭であったアイルランドの供用2年目の種牡馬数は2010年には18頭に急落している。供用2年目の種牡馬数は2008年には29頭、2009年には30頭であった。

 一方英国における種牡馬数の減少はほとんど劇的である。供用初年度の種牡馬は、2007年の39頭から2008年には45頭に増加したが、2009年には33頭となり、2010年にはたったの17頭にまで減少した。

 英国における供用3年以上の種牡馬の数は、2007年の281頭から2008年には257頭、2009年には235頭、2010年には210頭となり、アイルランドと同様に連続して減少した。そして供用3年以上の種牡馬は2009年には英国の種牡馬全体の77%を占めていたのに対し、2010年には84%であった。また英国における供用2年目の種牡馬は、2007年の25頭から2008年には45頭に増加したが、2009年には38頭、2010年には23頭に減少した。

 ウェザビー社のファクトブックによれば、2007年には2万700頭に達したアイルランドの現役繁殖牝馬数は、2008年には2万38頭、2009年には1万8,851頭、そして2010年には1万5,345頭にまで減少している。またアイルランドにおける繁殖入りする牝馬の新規登録は、2007年の2,722頭、2008年の2,248頭、2009年の1,720頭から、2010年にはたったの1,365頭にまで減少している。

 一方英国の現役繁殖牝馬数は、2007年の1万1,091頭、2008年の1万740頭、2009年の1万624頭から、2010年には9,826頭にまで減少した。また英国における繁殖入りする牝馬の新規登録は、2007年の1,478頭から2008年には1,351頭と減少し、2009年には1,432頭に持ち直したものの、2010年には1,266頭に減少した。

By Richard Griffiths

(関連記事)海外競馬情報 2011年No.1「アイルランドの産駒数、記録的な減少(アイルランド)」

[Racing Post 2011年2月8日「Major fall in number of British and Irish stallions」
 


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