ケンタッキー州に英国拠点の薬物検査研究所が進出(アメリカ)【開催・運営】
報道によれば、英国を拠点とする会社がケンタッキー州に国際的レベルの薬物検査研究所をオープンし、2011年に馬の血液と尿の検査を始める。
HFL運動科学研究所(HFL Sports Science: HFL)は、これまで英国のニューマーケット近郊で競馬場向けに薬物検査を行っており、ケンタッキー州競馬委員会(Kentucky Horse Racing Commission: KHRC)により3月16日に承認された契約によれば、HFLは2011年2月1日からフロリダ大学獣医学部の競走馬研究所の後を引き継ぐ。
ケンタッキー州の特別調査委員会は2008年、KHRCが州内の研究所を使用するように勧告していた。しかし、適当な機関が見あたらなかったため、KHRCの委員はケンタッキー州に研究所を設立予定であったHFLに目を向けた。
KHRCは、2010年にニューヨーク州イサカからケンタッキー州レキシントンへラボ指定の移転を計画している米国馬術連盟(United States Equestrian Federation)の企画に乗ってHFLを選定した。
新しい薬物検査契約には、新しい研究所が、2013年1月31日まで適用される予定のケンタッキー州の協定で定められている価格よりも低い価格で他州のために検査を行うことに合意する場合、検査費用を加減する条項が含まれている。
HFLはまた、薬物による治療と薬物検査の研究に資金提供しているケンタッキー州馬薬物調査評議会(Kentucky Equine Drug Research Council)に対し、他州のために行った薬物検査からの利益の5%を寄付することに同意した。
今回の薬物検査契約にHFLと一緒に取り組んできたKHRCのジェリー・ヨン(Jerry Yon)博士は、「HFLは40年間馬への薬物検査と研究を実施しています。デイリーレーシングフォーム紙(Daily Racing Form)によれば、HFLの親会社クオーシェントバイオリサーチ社(Quotient Bioresearch)は北米の市場に参入することに非常に意欲的です」と語った。
ケンタッキー州の競馬場は現在、州内の競走後薬物検査に資金提供している。なお、現在ケンタッキー州の薬物検査を行っているフロリダ大学は、かつて薬物検査の業務をオハイオ州立大学の研究所から引き継いでいた。
[thoroughbredtimes.com 2010年3月16日「Kentucky to get new drug-testing lab」]