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2010年01月29日  - No.2 - 2

ジョッキークラブの新リーダー、抱負を語る(アメリカ)【その他】


 競馬組織による自発的な競馬の振興を目指すジョッキークラブの新リーダーたちは、競走における馬の安全性の確保および登録における技術の向上などの施策を継続して実行していくことを表明した。

 登録業務を指揮してきたマット・ユリアーノ(Matt Iuliano)氏は2010年1月1日、ダン・フィック(Dan Fick)氏の後任として常務理事に就任する。6年半の間常務理事を務めてきたフィック氏は、インディアナ州の次席裁決委員に着任する。

 ジョッキークラブのオグデン・ミルズ・フィップス(Ogden Mills Phipps)会長は、フィック氏はジョッキークラブのために立派に仕事をこなし、同氏の指導力は薬物および安全問題における特筆すべき進展を可能にしたと述べた。

 同日の2010年1月1日、ジェームズ・ギャグリアーノ(James Gagliano)氏がアラン・マルゼリ(Alan Marzelli)氏の後任として理事長に就任する。

 ギャグリアーノ氏は次のように述べた。「私たちはこれまでに成し遂げてきた仕事を引続き進めていくと思いますが、まず一番にジョッキークラブのサラブ レッド安全委員会(Jockey Club Thoroughbred Safety Committee)が強調している馬の健康と福祉に関する仕事に邁進したいと思います。この仕事を続行することが、まさしく優先事項です。私たちは皆、 競馬と競走馬生産の改善を強調する憲章に立ち返り、サラブレッドの健康と安全に専念するでしょう」。

 ジョッキークラブの副理事長であったギャグリアーノ氏は約5年間、ユリアーノ氏と一緒に働いてきた。

 ギャグリアーノ氏は、「ユリアーノ氏がジョッキークラブの有するオンライン情報システムであるインタラクティブ登録にもたらした成果は、まさに卓越した ものです。私たちが受付ける血統登録申請の半分以上は現在、コンピュータ上でなされています。書類による申請に比べ、オンラインで申請を処理するスピード はこれまでにないほど速くなりました。顧客サービスは、これらの一般プロセスのいくつかをオートメーション化する機能を持つことで大幅に改善されました」 と語った。

 ジョッキークラブは携帯電話からの血統登録申請も今まで以上に推し進めようとしている。また、情報公開も進展させるだろう。生産者はまもなく携帯電話による血統登録方法ばかりでなく、必要な情報が手に入るようになることを理解するだろう。

 競馬からのアナボリック・ステロイドの根絶や競走馬の安全性に関する問題のような案件について、競馬産業は近年、顕著な進展を成し遂げた。

 ユリアーノ氏は、「私たちは志を同じくするメンバーたちと協力し、ジョッキークラブの前向きな変化を実行する仲介者としての立場を確立することを望んで います。私たちは研究が必要とされている問題に取り組み、科学に基づいて前向きな変化をもたらしていきます。競馬場での馬のケアから競走後のケアにいたる まで、私たちはこの長い道のりを歩み続けることを望んでいます」と語った。

 予測されている2010年の産駒頭数は1979年以来最も少なくなっているが、多くの人々が問題の解決に熱心に取り組んでいるので、ギャグリアーノ氏は好機を見出すことができると考えている。

 ギャグリアーノ氏は、「近い将来に多くの事柄が達成可能となるでしょう。私は、団結し競馬商品の提供方法を立て直すために長い事業計画に熱心に取り組む 人々にチャンスが訪れると思っています。おそらく改善する分野は尽きることがありませんが、やや規模の縮小した競馬産業においては協力して取り組むグルー プが編成されるでしょう」と語った。

 ジョッキークラブの理事たちは、業界団体と共に取り組み、任務を分担するだろう。当面ジョッキークラブは薬物規制標準化委員会(Racing Medication and Testing Consortium: RMTC)に代表者を送ることはないだろうが、RMTCならびにそのCEOであるスコット・ウォーターマン(Scot Waterman, D.V.M.)博士を支持し続けるだろう。

By Frank Angst

[Thoroughbred Times 2009年12月12日「New Jockey Club leaders emphasize safety, technology」]


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