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海外競馬情報
2010年08月06日  - No.15 - 2

競馬以外の賭事収入から競馬賞金への拠出額が約3割に拡大(アメリカ)【開催・運営】


 新たに発表された調査報告書によれば、競馬以外の賭事からの収入は現 在、米国におけるサラブレッド競馬の賞金額全体のほぼ3分の1を占めるに至っている。また馬券売上げが全体的に減少しているにもかかわらず、馬券売上げか ら賞金として拠出される割合は一定に保たれている。

 サラブレッド競馬場協会(Thoroughbred Racing Associations: TRA)により5月27日に発表された調査は、この種の調査では初めて競馬団体により行われたものである。調査における馬券売上げと賞金に関する情報は、 エクイベース社(Equibase)とカリフォルニア州競馬情報マネージメントシステムズ社(California Horse Racing Information Management Systems)により提供された。

 スロットマシン、ポーカー、テーブルゲーム、カードゲームからの収入、そしてカジノからの直接的な助成金など競馬以外からの収入は2009年、総額10 億9,800万ドル(約1,098億円)に上る米国競馬の賞金の29.01%を占めた。1993年に行われたTRAの初年度の調査においては、0.08% しか占めていなかった。

 競馬場でのゲーム運営が米国で劇的に拡大したのは、1990年代終わりから2000年代初めにかけてであった。ゲーミング賭事売上げのうち競馬賞金に拠 出された額は、1994年から毎年増加しており、TRAの報告によれば2009年には3億1,858万638ドル(約318億5,806万円)に上った。

 1993年には馬券売上げの7.2%が賞金額に拠出され、その数字は1995年に7.26%の頂点に達したが、その後の横這いないし減少により、電話投 票賭事(advance deposit wagering)が根付きはじめた頃の2003年には5.97%まで低下した。

 2003年に馬券の総売上げは151億8,000万ドル(約1兆5,180億円)に達したが、2009年には1996年以来最も少ない123億 2,000万ドル(約1兆2,320億円)となった。一方馬券売上げから賞金に拠出される割合は、1996年に6.62%であったのに対して2009年は 6.33%であったとTRAは報告している。

 また、全体の控除率20%のうち2009年には約13.6%分が州税および競馬場と馬券発売所に拠出され、その一部が競馬産業のプログラムと規制を支えている。

 TRAの調査報告によれば、馬券売上げから賞金への拠出金の最高水準は、その額が9億4,637万1,178ドル(約946億3,712万円 全体の 6.53%)となった2001年に達成された。この年の米国競馬の馬券売上げ全体は146億ドル(約1兆4,600億円)であった。

 エクイベース社によって発表されたサラブレッド競馬経済指標によれば、2010年1月から4月までに米国競馬を対象とした馬券売上げは全体で37億 8,000万ドル(約3,780億円)であり、前年同期比で8.4%減少している。同時期の米国競馬の賞金は7.33%低下した。

 

サラブレッド競馬場協会の調査
米国の馬券売上げ 賞金への拠出額 競馬以外の賭事から
賞金への拠出額
1993 96億ドル
(約9,600億円)
6億9,150万ドル
(約691億5,000万円)
52万9,000ドル
(約5,290万円)
2001 146億ドル
(約1兆4,600億円)
9億4,640万ドル
(約946億4,000万円)
1億2,110万ドル
(約121億1,000万円)
2006 148億ドル
(約1兆4,800億円)
9億1220万ドル
(約912億2,000万円)
2億810万ドル
(約281億1,000万円)
2009 123億ドル
(約1兆2,300億円)
7億7,960万ドル
(約779億6,000万円)
3億1,860万ドル
(約318億6,000万円)

By Tom LaMarra
(1ドル=約100円)


[The Blood-Horse 2010年6月15日「Study Shows Growing Impact of Gaming on Purses」


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