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海外競馬情報
2007年10月05日  - No.19 - 4

ハムダン殿下、散水に関してヘイドッグ競馬場を非難(イギリス)【その他】


 ハムダン殿下(Sheikh Hamdan Al Maktoum)は9月9日、ヘイドック競馬場が9月8日のベットフレッド・スプリント・カップ(Betfred Sprint Cup)前に馬場に散水したことに怒りと失望を表明した。

 ウォリック競馬場が散水のやり過ぎを非難され、物議を醸し競走を取り止めたわずか2日後にこの騒動は起きた。

 同殿下の競馬担当であるアンガス・ゴールド(Angus Gold)氏が英国競馬統括機構(British Horseracing Authority:BHA)に書簡を送付したことにより、ヘイドック競馬場を批判する人々は強力な味方を得たことになるだろう。

 ゴールド氏は9月9日、馬場状態に関連して馬主や調教師を誤解させた競馬場の無責任な態度を非難した。

 9月9日、馬場取締委員カークランド・テルライト(Kirkland Tellwright)氏による馬場状態の報告と散水措置について、多く調教師から批判が相次いだ。しかし、調教師の中には容認する者もいた。馬場状態のために馬を出走させることができなかったピーター・チャップルハイム(Peter Chapple-Hyam)調教師もその1人である。テルライト氏は再度、この散水措置は妥当であったと主張した。

 ハムダン殿下は世界で最も成功している馬主の1人である。同殿下は、最近イタリアから高額で購買したパーインカント(Par Incanto)をこのG1レースに出走させるため、1万7,500ポンド(約420万円)を支払って追加登録した。しかしレース前夜になって、リチャード・ヒルズ(Richard Hills)調教師から、馬場に散水し過ぎているので、同馬が勝つ見込みはないと報告を受けた。

 ゴールド氏はヘイドック競馬場がスピード馬場であることを確かめて、最終の出走登録をした後に競馬場が再度散水したことには、同氏もハムダン殿下もひどく失望したと述べた。

By Rodney Masters
(1ポンド=約240円)

[Racing Post 2007年9月10日「Hamdan accuses ‘irresponsible’ Haydock over going」]


英国競馬統括機構、ヘイドッグ競馬場を擁護


 9月9日英国競馬統括機構(British Horseracing Authority: BHA)の競馬場免許・基準担当理事トニー・グッドヒュー(Tony Goodhew)氏は、9月8日施行のベットフレッド・スプリント・カップ(Betfred Sprint Cup)の準備段階における散水について、次のように語った。

 「今年は異常気象のせいで、馬場取締委員と馬場担当職員は難しい立場に立たされています。現行規程では、馬場状態が合わないという理由による出走取消が10%以上になると、自動的にBHAが競馬場の散水方法と馬場の維持管理について調査を行うと定められています。9月8日には出走馬84頭の番組中5頭がその理由で出走を取り消しただけです」。

By Rodney Masters

[Racing Post 2007年9月10日「Goodhew lays blame on Indian summer」]


レーシングポスト紙、馬場は‘稍重’程度であったと主張


 レースタイムの専門家でレーシングポスト紙のトップスピード(Topspeed)欄担当デイヴ・エドワーズ(Dave Edvards)氏は、ヘイドッグ(Haydock)競馬場の馬場状態について、良(good to firm)、一部稍重(good in places)という公式発表ほど早い馬場ではなかったことは認めるが、調教師や騎手が遅い馬場というならそれは間違っていると述べた。

 エドワーズ氏は9月9日に、9月8日の7レースのデータを詳細に分析し、馬場は直線部分が稍重(good)、曲線部分は良(good to firm)であったと報告した。

 同氏は、「時計は嘘をつきませんし、馬場状態を‘重(soft)’と言うのはナンセンスでしょう。私には何で揉めているのか分かりません。馬場は‘稍重(good)’であって決してそれより遅くはありませんでした」と述べた。

 レッドクラブズ(Red Clubs)が出した1分13秒11というタイムは、レーシング・ポスト基準(Racing Post Standard)よりは0.11秒遅いが、実際の基準によれば良馬場でG1の短距離競走優勝馬に期待されるタイムであった。

 エドワーズ氏は、計画どおり散水した場合の馬場状態の予測で、馬場取締委員が馬券ファンと調教師に誤解を生じさせたと思うかと尋ねられ、正確さについては改善の余地はあると答えた。

 同氏は、「私は、いわゆる新世代の職員たちは、より率直で、オープンで、正しく理解しようと努めていると考えていますが、彼らは予測については少し楽観的になる傾向があります」と語った。

 また同氏は、「私は職員の肩を持つつもりは全くありません。必要ならば躊躇なく酷評します。全員を喜ばせるのは不可能なことなので、一般的に言ってそれは報われない仕事です。馬場状態測定器(GoingStick)をもっと利用すべきだと勧める人もいますが、私のデータによるとそれは大変誤解を招きやすい面もあるのでさらに多くの問題を生じさせることになりかねません」と付け加えた。

By Rodney Masters

[Racing Post 2007年9月10日「Ground no easier than good, says Topspeed」]


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