アスコット競馬場、国際3連単プールを開始(イギリス)【開催・運営】
3連単馬券賭金プールの国際的統合(global trifecta tote pool)の試験事業が、フランスでの第1回に続いてイギリスで第2回・第3回が実施されることとなり、舞台となるアスコット競馬場がその喜びを表明した。なお、第1回は6月10日シャンティイ競馬場のフランス・オークス(Prix de Diane Hermes)であった。第2回はロイヤル開催におけるセント・ジェームズィズ・パレスS(St James’s Palace Stakes)と第3回はゴールドカップ(Gold Cup)である。
アスコット競馬場の新場長チャールズ・バーネット(Charles Barnett)氏は次のように述べた。「アスコット競馬場にとって新たな出来事であり、このプログラムに参加できることを光栄に思っています。私たちは、近年世界中のトップクラスの馬の参加を募ってきましたし、賭金プールの国際統合も自然な流れです。つまり、イギリスのトートは新たな利益を上積みでき、アスコット競馬場は今までにないほど大きく取り上げられるでしょう」。
イギリス、アイルランドのほかに、ブラジル、ドイツ、モナコ、南アフリカ、スペイン、スイス、アメリカのトートも、国際競馬統轄機関連盟(International Federation of Horseracing Authorities: IFHA)が打ち出した競馬賭金プールの国際的統合構想の第一段階から参加する。
海外馬を招待してきたアスコット競馬場広報担当理事ニック・スミス(Nick Smith)氏は、「イギリスが得る利益は、競馬統轄団体や競馬場が賭金プールを独占している他の国ほど大きくありませんが、参加することに意義があります」と付言した。
国際的統合の当初の骨組みは、南アフリカの競馬統轄機関フメレラ社(Phumelela)の国際開発担当部長のジョン・スチュワート(John Stuart)氏によって作られた。国際コミングリング(賭金プールの合同化)の経験が豊富な同氏は、国際3連単馬券がまだ始まりにすぎないことを強調し、「これは国際競馬の前進に向けて重要な道筋をつける出来事です。3連単馬券はルールが世界共通で一番シンプルなエキゾティック馬券であり、国際コミングリングを始めるには相応しい選択です。誰も今のところ大金を得ることはできないでしょうが、本当の成功は私たちが2,000万ユーロ(約32億円)規模の賭金合同プールによる世界的な賭事に移行する数年後になります」。
昨年10月IFHAパリ会議において、国際コミングリングに向けた新たな動きが明らかにされた。フランス場外馬券発売機構(Pari Mutuel Urbain: PMU)のベルトラン・ベランギエ(Bertrand Belinguier)会長が、国際コミングリングの可能性を調査するための委員会の議長になった。ベランギエ会長のチームは、今後“最も共通した国際的な賭事商品”として3連単馬券を選んだのだ。
2007年グローバル・トライフェクタ対象レース
6月10日 | フランス | フランス・オークス | シャンティイ競馬場 |
6月19日 | イギリス | セント・ジェームズィズ・パレスS | アスコット競馬場 |
6月21日 | イギリス | ゴールドカップ | アスコット競馬場 |
7月7日 | 南アフリカ | ボダコムS(Vodacom Stakes) | ダーバン競馬場 |
7月15日 | 南アフリカ | マーキュリー・スプリント(Mercury Sprint) | クレアウッド競馬場 |
10月7日 | フランス | 凱旋門賞(Prix de l’Arc de Triomphe) | ロンシャン競馬場 |
By Howard Wright
(1ユーロ=約160円)
[Racing Post 2007年6月8日「Ascot delighted at leading role in initial global trifecta pool」]