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2024年02月08日  - No.5 - 2

コールドウェルポッター、現役障害競走馬の最高価格で落札(アイルランド)[その他]


 アンディ&ジェマ・ブラウン夫妻は、2月5日午後、所有する現役障害馬を全頭セリで売却し、ナショナルハント(障害競走)の勢力図に大きな変化をもたらした。

 過去に例を見ない規模となったこの売却では、29頭がリザーブ(最低落札価格)なしで今年のタタソールズ社のセールに上場された。その内の一頭がG1馬で今年のチェルトナム・フェスティバル最有力候補にも挙げられているコールドウェルポッターで、ハイフライヤーブラッドストック社のアンソニー・ブロムリー氏が740,000ユーロ(約1億1,840万円)で落札した。

 コールドウェルポッターを管理していたゴードン・エリオット調教師は、落札に一歩及ばず涙を飲む結果となった。一方、転厩先となるポール・ニコルズ調教師にとっては歓喜の落札となった。同馬を落札したグループにはサー・アレックス・ファーガソン氏、ジョン・ヘールズ氏、ジェッド・メイソン氏、ピーター・ダン氏らが名を連ねているのだ。

 異様な静寂に包まれる中、競売人のサイモン・ケリンズ氏が満席になった会場を見渡し最初の声を待った。しばらく経った後、ジョンジョ・オニールの横に立っていたマーティン・テダム氏が100,000ユーロ(約1,600万円)の声を上げた。チェルトナムゴールドカップ優勝騎手でもあるブライアン・クーパー氏が次に手を挙げ、間もなく500,000ユーロ(約8,000万円)まで価格は上がった。

 トップデッキで競売ボードの横にいたエリオット氏は、25,000ユーロ(400万円)上乗せの声をあげセリに加わった。それには会場の反対側に立っていたブロムリー氏が応戦した。650,000ユーロ(約1億400万円)でハンマーが振り挙げられたが、そのとき会場の誰かが口笛を吹き、エリオットはまだ25,000ユーロ(約400万円)上乗せできると示唆した。

 会場ではエリオット氏の値上げ幅に関してしばらく混乱があったが、次に700,000ユーロ(約1億1,200万円)の声をあげたのはブロムリー氏だった。エリオット氏はエディー・オリアリー氏、エイダン・オライアン氏と険しい表情で討議し、会場のテンションは張り詰めていた。そこで競売人ケリンズ氏が空気を和らげた。「いつまででも待ちますよ。月曜の公休日にほかに行くところもないですから」。

 長い話し合いの結果、エリオット氏は最後に20,000ユーロ(約320万円)上乗せしたが、すぐさまブロムリー氏は応戦した。これにはエリオット氏は横に首を振り、帽子を深くかぶり顔を覆った。そして、落札のハンマーがおろされた。

 「エルファビオロのダブリンレーシングフェスティバルで障害を飛越している時も心拍数は上がりましたが、今日はそれ以上の緊張感でした」とブロムリー氏は語った。

 「コールドウェルポッターを所有することになる私のクライアントは、ジョン・ヘールズ、ジェド・メイソン、サー・アレックス・ファーガソン、ピーター・ダンで、いずれも長い付き合いのある方たちです。その4人のうち3人は先週の競馬で予後不良になったエルメスアレンの所有者です」。

 「ジョンとチームの皆は私を信じてくれました。ジョンと私はずいぶん長い付き合いになります。アゼルチュイオプ、ネプチューンコロンジ、ポリトログの頃からですから」。

 コールドウェルポッターが最後にファンの前に姿を見せたのは、12月27日のフューチャー・チャンピオンズ・ノービスハードル(G1・レパーズタウン)で勝利した時だ。

 「彼の素晴らしい血統を考えると、将来、ゴールドカップ勝馬になれると思います。チェルトナム・フェスティバルが全てではありませんが、未来の障害最強馬になるために購買された馬です。あと4週間というときに転厩するのは理想ではありませんが、彼を購買したのは長期的な視点からなのです」と、ブロムリー氏は語った。

 「ゴードン・エリオット氏から馬を奪ってしまう形になり申し訳なく思いますが、これは純粋な馬の売買です。申し訳ない気持ちはありますし、彼が何とかして自分の管理下に置いておこうとはしていたのもわかりますが、この業界にいれば仕方のないことです」。

By James Thomas

(1ユーロ=約160円)

[Racing Post 2024年2月5日
「Caldwell Potter heading to Paul Nicholls after smashing National Hunt auction record at €740,000」]


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