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2024年01月25日  - No.3 - 2

賞金総額900万NZドルのチャンピオンズデーを創設(ニュージーランド)[開催・運営]


 ニュージーランド競馬は、南半球で最も高額な3歳限定戦の「NZBキーウィ」が創設されることで、2025年から新たな様相を呈することになる。

 1月22日(月)の記者発表によると、ニュージーランド・ブラッドストック社(NZB)がスポンサーとなるNZBキーウィは、新設されるチャンピオンズデー開催の目玉レースの一つとなる。同開催の1年目の賞金総額は900万NZドル(約8億1,000万円)以上、そして2年目には1,000万NZドル(約9億円)に達する見込みだ。

 チャンピオンズデー開催は、新規の夏季番組の一環として3月の第2土曜日にエラズリー競馬場で実施されることになるが、NZBキーウィの他にニュージーランドダービー(G1)とさらに3つのG1競走が行われる。

 ニュージーランド・サラブレッド・レーシング(NZTR)のCEOブルース・シャーロック氏は「これは業界が必要としていた投資です」と述べた。NZTRは、スポーツ賭事会社のエンテイン社およびTABニュージーランド社と共にこの開催創設に取り組む。

 「昨年はエンテイン社を賭事部門のパートナーとして迎えたことで、幸運にもレースの賞金を増やすことができました。しかし今回の発表は、ニュージーランドの競馬を更に高いレベルに引き上げてくれるような出来事なので、皆興奮しています」。

 「この "スロットレース(出走枠購入)"方式は、最近ではジ・エベレスト開催を筆頭に、オーストラリアの多くの競馬管轄区で上手くいっています。競馬産業にとどまらず、他の方面からも関心を集めていることは明らかです。これこそまさにニュージーランドが必要としているもので、私たちはニュージーランド競馬の魅力を広めなければなりません」。

 NZBキーウィの総賞金は、2025年は少なくとも350万NZドル(約3億1,500万円)、そして2027年までには450万NZドル(4億5,00万円)に引き上げられる。また出走枠を希望する者は、少なくとも45万NZドル(約4,050万円)を支払うことで出走枠を3年間保持することができる。

 出走枠はオークションで競り落とされる。また、NZBキーウィの1~3着馬がニュージーランドやオーストラリアの前哨戦である主要競走の1つをすでに制している場合は、100万NZドル(約9,000万円)のボーナスが毎年提供される。

 シャーロック氏は次のように述べている。「オークションを採用した理由の1つには、出走枠の獲得方法を誰にとってもわくわくするものにしたかったという事があります。ですが、主として、誰かが出走枠獲得で優遇されているといったような政治的な問題は取り除きたかったのです」。

 「出走枠の獲得には45万NZドル(約4,050万円)が必要で、その内訳は初年度が12万5,000NZドル(約1,125万円)、2年目が15万NZドル(約1,350万円)、そして3年目が17万5,000NZドル(約1,575万円)となります。そこからオークションをして、もし結果的に1万NZ以上(約90万円)高値になったとしたら嬉しいですし、あるいはさらに10万NZドル以上(約900万円)になったなら、大変素晴らしいことでしょう」。

 「創設に対する初期の反応は前向きなものですが、ペンで紙に書いてもらうまで実際のところは分かりません。ただ反応を見ていると、出走枠よりも多い申し込みがあるのではないかと感じています」。

 NZBマネージングディレクターを務めるアンドリュー・シーブルック氏は、この発表がニュージーランド競馬界にとって、質の良い馬を国内に留まらせる上で大きな後押しになると話した。

 シーブルック氏はANZブラッドストックニュースにこう語った。「長期的に見てこのことはとても勇気づけられるニュースです。ニュージーランドの賞金は、いまや馬主が馬の売却について考え直す水準に達しています。馬を出走させるチャンスは広がっていくのです」。

 「カラカ・ミリオンズ開催だけでなく、3歳馬が国内に残って賞金350万NZドル(約3億1,500万円)のNZBキーウィに出走するインセンティブがこのたび加わりました」。

 「スロットレースの素晴らしいところは、リターン(見返り)があることです。初年度に12万5,000NZドル(約1,125万円)を支払った場合、レースで最下位になっても10万NZドル(約900万円)が保証されます。最下位の賞金は、2年目は12万5,000NZドル(約1,125万円)、3年目は17万5,000NZドル(約1,575万円)と増額されます。かなり良い競走モデルと言えるでしょう」。

 「エンテイン社、NZTR、そしてTABニュージーランド社が力を合わせてこの開催創設を実現させたことは非常に意義深いものです。そしてその開催が、私が世界有数の競馬場の1つであると確信しているエラズリー競馬場で実施されることに、とてもわくわくしています」。

 シーブルック氏は、このニュースがNZB社カラカ・イヤリングセールまで1週間を切ったこのタイミングで発表されたことに大いに喜んだ。

 「セールまであと1週間というこの発表は、我々にとってこれ以上ないタイミングです。ニュージーランドだけでなく、オーストラリア全土の顧客や購買者の入札意欲を刺激してくれることを願っています」。

By Daniel Harrold

(1NZドル=約90円)

[Racing Post 2024年1月22日「Ellerslie to host southern hemisphere's richest race for three-year-olds in New Zealand calendar shake-up」]


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