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海外競馬ニュース
2024年07月18日  - No.27 - 1

今シーズン終了、ロマンチックウォリアーが年度代表馬に選出(香港)[開催・運営]


 香港ジョッキークラブ(HKJC)は7月14日、年度代表馬を発表し、その歴史に残るシーズンを終えた。そして今その目は、香港内、そして中国本土における新たな挑戦へと向いている。

 今シーズン、HKJCは新界に位置するシャティン競馬場と、ユニークな都市型競馬場であるハッピーバレー競馬場において合計88日の開催を行った。馬券の発売金総額は1,347億香港ドル(約2兆6,940億円)で、香港の最近の不景気を反映して前年比4.5%減となった。

 そんな状況をものともせず、今回年度代表馬に選出されたロマンチックウォリアーの世界を股にかけた偉業をはじめ、香港馬は地元そして海外の競走で無類の強さを見せた。また、HKJCが開催する2つの国際競走(FWDチャンピオンズデイ、香港国際競走)では、7つのG1のうち6つで香港馬が勝利した。

 HKJCのCEOウィンフリート・エンゲルブレヒト=ブレスゲス氏は次のように述べた。

 「HKJCは世界レベルの競馬を開催しており、まさに香港が誇れる一つの国際ブランドと言えます。香港馬、騎手、そして調教師が、香港だけでなく世界中の競馬ファンに喜びと誇りをもたらしているのを目の当たりにし、感慨深い気持ちです」。

 同氏は、香港の調教馬の数は約1,200頭と全世界のわずか0.7%に過ぎないにもかかわらず、シーズン中に世界各地のG1を13勝したことも付け加えた。香港の4頭のスターホースロマンチックウォリアー、ゴールデンシックスティ、ラッキースワイネス、カリフォルニアスパングルは、2023年のロンジンワールドベストレースホースランキングにおいていずれも15位以内にランクインした。そして、カリフォルニアスパングルは、3月のドバイでアルクオーツスプリント(G1)を制している。

 しかし、真打ちはやはり、3か国でG1を制したロマンチックウォリアーだと言わざるを得ない。

 10月に豪州のムーニーバレーで香港馬として初めてコックスプレート(G1)を制した同馬は、その後香港に戻り香港カップ(G1)、香港ゴールドカップ(G1)、クイーンエリザベスII世カップ(G1)を制した。きわめつけとして6月の安田記念で日本のトップマイラーたちを撃破した。1シーズンでのG1・5勝は、香港調教馬として最多記録である。

 それはロマンチックウォリアーが過去3度にわたって年度代表馬となったゴールデンシックスティに取って代わるのに十分なものだった。同時に8歳となったゴールデンシックスティは、年齢や慢性病、馬場適性などの影響を受け始めていた。それでもなお、同馬は224日ぶりのレースとなった12月の香港マイル(G1)で外枠のハンデをものともせず、シャティンの直線を一気に駆け抜けて世界の強豪たちを圧倒し、今シーズン最高のスリルを提供した。

 また、他のタイトルの受賞者も発表され、130勝を挙げたザック・パートン騎手は7度目の最多勝利騎手に輝いた。一方で、最終開催までもつれた最多勝利調教師のタイトルはフランシス・ルイ調教師が初めて獲得し、新旧が入り乱れる結果となった。

 しかし結局のところ、すべてはお金の問題である。エンゲルブレヒト=ブレスゲス氏は、香港の経済状況が重くのしかかっていることを指摘し、HKJCが馬の所有を奨励するためのプログラムや賞金ボーナスプランを導入すると同時に、観光資源として競馬の魅力を高めることに注力していることを強調した。同氏は、シーズン最終日のシャティンの入場人員は3万人を超え、その中には 「6,000人を超える本土からの観光客が含まれており、これは驚くべきことです」と語った。

 この「競馬の観光資源化」というプランは、香港から北へ約4時間ほど行った中国本土内に位置する、トレセン施設も有する巨大な従化(チョンファ)競馬場についての控えめな目標と交差するものである。開業からわずか6年しか経っていないこの施設は、すでに大がかりな拡張工事の完成に近づいている。2026年には国際標準のレースを定期的に開催する予定であり、地方や国の政治機関にとって重大な関心事となっている。

 「開場からわずか6年で、従化競馬場が大きな発展を遂げたことを嬉しく思います。香港馬にワールドクラスのトレーニング環境を提供するだけでなく、グレーターベイエリアにおける馬産業のハブとして急成長し、香港の馬産業の発展を支えようとしています」と、エンゲルブレヒト=ブレスゲス氏は語った。

 従化の厩舎エリアを1,000馬房まで拡張することで、長い間必要とされてきたシャティン競馬場の厩舎の改修も可能となる。

 「ワールドプール」への注力を通じて国際的な賭事マーケットを開発してきたHKJCだが、エンゲルブレヒト=ブレスゲス氏は、目前に迫る2024-25年シーズンを見据え、香港ローカルの課題に集中する必要性を強調した。

 「このような厳しい経済状況の中、シーズン全体の売上げは満足のいくものです。HKJCは今後も成長し続け、海外の顧客基盤を拡大していきます。一方で、香港内における売上げは減少していることから、常に香港の競馬ファンの関心を引き続け、再び参加していただけるようにしていかなければなりません」。

By Bob Kieckhefer
(1香港ドル=約20円)
[bloodhorse.com 2024年7月14日「Romantic Warrior Crowned Champ as HK Wraps Its Season」]


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