ルーカス調教師、88歳でプリークネスSを制覇(アメリカ)[その他]
ケンタッキーダービー(G1)の勝馬ミスティックダンは、プリークネスS(G2)でシーズザグレイを追い詰めることができず、アメリカ三冠の二冠目を逃した。
ケニー・マクピーク調教師の管理馬であるミスティックダンは、2週間前にチャーチルダウンズ競馬場の今回とは異なる良馬場において勝利を挙げた。しかしピムリコ競馬場では、シーズザグレイがハイメ・トーレス騎手騎乗の下、毅然とした逃げ切りを披露し2 1/4馬身で勝利したため、2着に甘んじた。
ミスティックダンが最後の直線で、序盤から逃げていたシーズザグレイに果敢に挑んだ時、一瞬はミスティックダンが勝利するかに見えた。しかしながら、ケンタッキーダービー当日に行われたパットデイマイルS(G2)を制したシーズザグレイがはかり知れぬ底力を発揮し、2着馬と猛追してきた3着のキャッチングフリーダムを最後に引き離した。
この勝利は88歳のウェイン・ルーカス調教師にとって7度目のプリークネスS制覇であり、3冠競走を勝利した調教師として最高齢記録となった。
ブラッドホース誌から引用すると、ルーカス調教師は以下のようにコメントしている。「どのプリークネスの勝利が最高かとよく尋ねられるのですが、最新の勝利が最も感慨深いです」
「彼が残り800mのポールを通過したとき、私は妻のローリーに向かって『よく見ていて、きっとうまく行くよ』と言いました。パットデイマイルSを勝利していたので、後退するとは微塵も思いませんでした」
「年をとったからかもしれませんが、私が一番感動したのは、(レース後に)馬場を横切ると他の出走馬の調教師たち全員が握手を求めてくれたことです。それは私にとって、どんなことよりも意味のあることでした」。
ルーカス調教師が三冠競走における15度目の成功を喜んだ一方で、わずか2年前にプロのジョッキーとして活動し始めたばかりの25歳のトーレス騎手にとっては、この勝利が記念すべきG1初制覇となった。
「シーズザグレイは素晴らしい馬です。道中はリラックスしてくれて、他の馬が近づいてくるのを感じてからは、ゴールまですべてを出し切ってくれました」
一方、マクピーク調教師も、プリークネスS2勝目を自身にもたらそうと果敢に挑んだ2着馬ミスティックダンを絶賛した。
「彼を誇りに思います。今日は彼の日ではありませんでした。最後はシーズザグレイをぎりぎり捉えることが出来ると思ったのですが、シーズザグレイは後退しませんでした」
「ミスティックダンに騎乗したブライアン・ヘルナンデス騎手の言う通り、シーズザグレイを追いかけていたらミスティクダンは力尽きてしまったでしょう。これが競馬です。トーレス騎手はウェインの馬で素晴らしい仕事をしましたし、ウェインが伝説的な調教師であるのにはもっともな理由があります」。
By Catherine Macrae
[Racing Post 2024年5月19日「Mystik Dan denied second leg of Triple Crown as Seize The Grey triumphs in Preakness Stakes」]