ケンタッキーダービー週の出走馬に英国遠征援助(アメリカ・イギリス)[開催・運営]
チャーチルダウンズ社(CDI)は、英国ジョッキークラブおよびアスコット競馬場との新しいパートナー協定について発表した。ケンタッキーダービーの週のレースに出走する馬に対して、英国のエプソム競馬場およびロイヤルアスコット開催レースへの出走や旅費の支援をするというものである。
CDIの専務理事であるギャリー・パルミザノ・ジュニア氏は、次のように語った。「馬主、調教師に対し素晴らしい機会を提供する本当に特別なパートナー協定です。ケンタッキーダービー週のビッグレースに出走させるとヨーロッパで最も権威のある芝レースへエントリーできるかもしれないのです。ケンタッキーダービーは、メリウェザー・ルイス・クラーク大佐が1872年に渡欧しエプソムダービーを訪れた後に誕生しました。第150回目の開催となる年に、歴史を振り返るよい機会でしょう」。
「最近では、我が国の芝のトップホースたちがケンタッキーダービーの前座競走で走るのを毎年見てきましたが、本パートナー協定を通して欧州を拠点とする馬主、調教師たちにもダービーウィークを経験しに遠征をする良いインセンティブとなるでしょう。欧州の陣営のみならず、北米の馬主、調教師たちにとっても国際的な舞台に挑戦し競いあう良い機会となるでしょう」。
来年5月4日のダービー当日に行われる2つのレースの出走馬に対して、6月中旬のロイヤルアスコット開催への出走権の付与とそのための旅費の支援が行われる。ターフクラシックS(芝G1)の優勝馬には、クイーンアンS(芝G1、約1600m)またはプリンスオブウェールズS(芝G1、約2000m)への出走権が付与される。さらにその前に行われるツインスパイアーズターフスプリントS(芝G2)の優勝馬には、キングチャールズS(G1、2024年キングズスタンドSから改名)への出走権が付与される。
アスコット競馬場の競走・広報担当役員であるニック・スミス氏は、次のように述べた。「チャーチルダウンズと英国ジョッキークラブと共に、このような新しい構想を進めていくことをとても楽しみにしています。昨年のロイヤルアスコット開催でチャーチルダウンズの一行をお迎えし、ケンタッキーダービーという世界一のダート競走の第150回開催へ向けて優勝トロフィーを展示することができたのは、大変喜ばしいことでした。近年米国馬によるロイヤルアスコット参戦には意義深いものがあり、彼らの成功は、開催全体に必ず大きな付加価値をもたらします。NBCテレビは開催を1週間にわたって取材し土曜のレースはメインのネットワークチャンネルで放映しました。今回のパートナー協定によるレースの提携が、米国のテレビと英国ITVに新たな局面をもたらすことを期待しています。」
3歳戦線では、ダービー当日に行われるアメリカンターフS(芝G2)の優勝馬にエプソムダービー(G1)出走権のほかに旅費が、またダービー前日に行われるエッジウッドS(芝G2)の優勝馬にエプソムオークス(G1)出走権のほかに旅費が、それぞれ付与される。
この新しい取り組みは、チャーチルダウンズ競馬場では芝コースが11月の後半にはほとんど使用されなかったという厳しい状況を受けてのものである。現在の芝コースは2021年に敷設されたものだが、以前の芝コースと同様に、春開催で多く使用されるもののそれに持ちこたえている。
ケンタッキーダービー週の出走馬に与えられる上記のインセンティブと引き換えに、プリンスオブウェールズSとクイーンアンSの出走馬各1頭に対し、8月中旬に開催予定のアーリントンミリオンS(芝G1、米コロニアルダウンズ)への出走権と旅費の援助が与えられる。さらに7月に行われるファルマスS(G1、ニューマーケット)の出走馬1頭には、アーリントンミリオンSと同日に開催されるビヴァリ―Dステークス(芝G1、米コロニアルダウンズ)への出走権の付与と旅費の支援が行われる。
Edited Press Release
[Churchill Downs 2023年12月12日「Churchill Downs Stakes to Provide Entry at Epsom, Ascot」]