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2022年02月17日  - No.6 - 3

エネイブルが初仔出産(イギリス)[生産]


 2月11日(金)の午後に名牝エネイブルが初仔(父キングマン)を出産したときこそ、"果報は寝て待て"という格言が的を射ていたことはない。

 故カリド・アブドゥラ殿下のジャドモントファームが生産・所有したG1・11勝馬エネイブル(父ナサニエル)の出産予定日は過ぎていた。しかし同ファームによると、出産は母馬と仔馬にとってすべて順調なものだったという。

 ジャドモントファームは声明でこう述べている。「エネイブルが自らの誕生日の前日である金曜日の午後3時54分に、素晴らしい見映えのキングマンの牡駒を出産したことを発表するのをとても嬉しく思います。彼女は母親の仕事をとてもよくやっています。特別な瞬間は待つ価値がありますね!」。

 ジョン・ゴスデン調教師に手掛けられた競走生活において競馬界の女王と呼ばれたエネイブルは、凱旋門賞(G1)でレコードタイの2勝を果たし、キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1)で新記録の3勝を果たしたほか、BCターフ(G1)、英オークス(G1)、愛オークス(G1)など数々のG1レースを制した。そして3勝目を目指して挑んだ2020年の凱旋門賞でソットサスの後塵を拝した後、エネイブルは競走生活から引退した。

 通算成績は19戦15勝、獲得賞金は1,070万ポンド(約16億5,850万円)以上。

 エネイブルは昨年のバレンタインデーに、バンステッドマナースタッドの名種牡馬キングマンと交配していた。そして自らの誕生日の前日というだけではなく、ジャドモントファームのもう1頭の傑出馬フランケルの誕生日に初仔を出産したのだ。

 ステークス勝馬でG3・2着馬のコンセントリック(父サドラーズウェルズ)を母とするエネイブルは、今年はダーレーの偉大な種牡馬ドバウィを訪れる予定だ。

 エネイブル(牝8歳)の半弟デラブ(Derab)、半姉コントリビューション(Contribution)、半妹エンタイトル(Entitle)はブラックタイプ競走を制している。また母コンセントリックは、G1を数回制したフリントシャーの母ダンスルーティンの全妹であり、ほかに活躍する兄弟・半兄弟にはライトバレエ(Light Ballet 全姉)、スペースクエスト(Space Quest 半姉)、アプシス(Apsis 半兄)がいる。

 ニューセルズパークスタッドで供用されるナサニエルにとって、エネイブルはG1を制した5頭の産駒のうちの1頭であり、現在3歳の全弟リーニエント(Lenient)がいる。

By Kitty Trice

(1ポンド=約155円)

[Racing Post 2022年2月11日「'Worth the wait!' - first foal for Enable is a strikingly-marked Kingman colt」]


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