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2022年11月24日  - No.44 - 1

ゴールデンシックスティ、前哨戦を制して香港マイル3連覇を狙う(香港)[その他]


 競馬ファンはジョッキークラブマイル(G2 11月20日、シャティン)で見たかったレースを目の当たりにした。香港のスーパースター、ゴールデンシックスティは勝つ見込みがないと思われたレースで強敵カリフォルニアスパングルを最後の数完歩でとらえたのだ。

 このマイル競走は地元馬にとって香港国際競走(12月11日)に向けての前哨戦となる3レースのうちの1つであり、ゴールデンシックスティが人気を背負って優勝した。また、ジョッキークラブカップ(G2)では1番人気に推されて出走したロマンティックウォリアーが優勝し、ジョッキークラブスプリント(G2)ではラッキースワイニースがちょっとした番狂わせを演じて勝利を手にした。

 しかし、注目の対戦は "ゴールデンシックスティ対カリフォルニアスパングル"だった。2年連続で香港の年度代表馬に輝いたゴールデンシックスティはこれまでジョッキークラブカップと香港マイル(G1)を2回ずつ制しており、対するカリフォルニアスパングルは若手有望株である。

 ゴールデンシックスティはあらゆる面で不利な立場に置かれているように見えた。チャンピオンズマイル(G1 4月24日)で同じ負担重量のカリフォルニアスパングルを2馬身差で破って以来出走していなかったのだ。一方、カリフォルニアスパングルは2022-23年シーズンですでに2勝している。またチャンピオンズマイルは同じ負担重量で競ったが、ジョッキークラブマイルではゴールデンシックスティは5ポンド(約2.3kg)上回る重量を背負っていた。

 そのうえ香港のリーディングジョッキー、ザック・パートン騎手はカリフォルニアスパングルを先頭に立たせてレースを混乱させた。格下馬も顔負けのスローペースで走り、ゴールデンシックスティの終盤の急襲をかわせるようにパワーを温存しようとしたのだ。

 しかしその効果はなかった。ヴィンセント・ホー騎手はホームストレッチの入り口でエンジンをかけ、絶妙なタイミングでゴールデンシックスティを先頭に立たせて首差の勝利を収めたのだ。2¾馬身うしろの3着にはワイククが入った。

 ホー騎手はこう語った。「ゴールデンシックスティにカリフォルニアスパングルを打ち破るだけの根性があることは分かっていましたが、まだ8割ぐらいの状態でした。あとは彼の気力にかかっていたのです。間違いなく彼とチームのおかげですね。今では12月が楽しみでなりません」。

 「序盤からターン(3・4コーナーのあいだ)にかけてノロノロ進んでいて、残り600mあたりでザックが確実にペースを上げていくのが分かりました。彼がどのような動きをするのかを見ていて、早めに仕掛けていかなければなりませんでした」。

 勝利トレーナーのフランシス・ルイ調教師はこう語った。「ザックは素晴らしい騎手ですし、ペース配分も分かっています。しかしヴィンセントもゴールデンシックスティのことをよく分かっていると思うのです。どのように乗ればいいのかを知っていますね」。

 ゴールデンシックスティ(せん7歳 父メダグリアドロ)はこれで成績を25戦22勝にした。そして香港マイル3連覇に向けて意気込んでいる。

 ダニー・シャム調教師は、ジョッキークラブカップで1番人気のロマンティックウォリアーとトゥルビヨンダイヤモンドでワンツーフィニッシュを決め、12月の香港国際競走に万全の態勢で挑む。

 香港ダービー優勝馬ロマンティックウォリアーはゴールデンシックスティと同じく、今季初戦に臨んだ。しかしゴールデンシックスティと同様に怠惰や体力不足は見られず、成績を9戦8勝とした。

 ジェームズ・マクドナルド騎手が鞍上を務めたロマンティックウォリアー(せん4歳 父アクラメーション)は先頭集団のわずか後ろを走っていたが、残り300mの地点で先頭に立ち、そのまま後続を引き離して1¼馬身差の勝利を収めた。馬のあいだを縫うように進んできたトゥルビヨンダイヤモンドが2着に入り、その頭差でセニョールトバが3着に入った。

 シャム調教師はロマンティックウォリアーについてこう語った。「1600mで走らせるか2000mで走らせるかを決定するのは本当に難しかったのです。ゴールデンシックスティやカリフォルニアスパングルと戦うのは大変なので、プランを変更することをオーナーに話し、2000mのレースに出走させることにしました」。

 ジョッキークラブカップ(2000m)は香港カップ(G1 2000m)と香港ヴァーズ(G1 2400m)のどちらの前哨戦にもなる。現地では香港ヴァーズと同じ距離の前哨戦はない。

 ジョッキークラブスプリントでは馬単が高配当となった。ラッキースワイニースがパートン騎手を背に直線半ばで先頭に立つとそのまま勇敢に逃げ切り、ラッキーパッチに首差をつけて優勝した。1番人気のウェリントンは残り100mで勝ち目はあったものの失速し、14頭中6着に終わった。

 ラッキースワイニースは重賞初挑戦となった前走のプレミアボウル(G2 10月23日)で、G1・3勝のトップレベルのベテラン、ウェリントンの2着に入っていた。

 パートン騎手は「落ち着いて勝てたと思います。彼はいい仕事をしました。急成長中の馬ですね」と述べた。

By Bob Kieckhefer

[bloodhorse.com 2022年11月20日「Golden Sixty Victorious Against All Odds in HK Cup Prep」]


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