TOPページ > 海外競馬ニュース > クールモアがガミーンを含む4頭を1790万ドルで購買(アメリカ)[生産]
海外競馬ニュース
2022年11月17日  - No.43 - 2

クールモアがガミーンを含む4頭を1790万ドルで購買(アメリカ)[生産]


 ファシグ・ティプトン社の一流の繁殖セール、ノーベンバーセール(11月6日 ケンタッキー州レキシントン近郊で開催)はまたしても目覚ましい結果が続出する夜となり幕を閉じた。

 チャンピオンスプリンターのガミーン(牝5歳 父イントゥミスチーフ)が最高の栄誉を手に入れることになった。M・V・マグニア氏がクオリティロードの仔を受胎しているこのG1・5勝牝馬を700万ドル(約9億8,000万円)もの高値で落札したのだ。

 ガミーンは2020年最優秀短距離牝馬である。マグニア氏は競り負けることなく、ヒルンデール・アット・ハラパのエージェントにより「Hip 289」の番号で上場された彼女をしっかりと手に入れた。

 一方、G1・2勝馬カンパネッレもマグニア氏により500万ドル(約7億円)で落札された。

 カンパネッレ(牝4歳 父コディアック)はストーンストリートステーブルのエージェントであるイートンセールズにより「Hip 272」の番号で競走馬もしくは繁殖牝馬として上場された。前日のBCターフスプリント(G1 キーンランド)では7着に入っている。

 カンパネッレは今シーズン、ジャイアンツコーズウェイS(L)を制してプラチナジュビリーS(G1ロイヤルアスコット開催)に挑んだが3着に終わった。ストーンストリートステーブルに所有され、ウェスリー・ウォード調教師に手掛けられ、2020年にはクイーンメアリーS(G2 ロイヤルアスコット開催)とモルニー賞(G1 ドーヴィル)を制している。

 ファシグ・ティプトン社の社長兼CEOのボイド・ブラウニングJr.氏はこう語った。「ここファシグ・ティプトン社で、ノーベンバーセールはまたもや注目すべきものとなり幕が閉じられました」。

 「昨年は総売上額が1億ドル(約140億円)を初めて突破しました。夢見ていた目標の1つではありますが、現実に考えて達成できるとは思っていませんでした。幸運なことに昨年に成し遂げることができ、今年もふたたび目標にこぎつけました」。

 「売り手や上場者がファシグ・ティプトン社で販売することを認めてくれた馬の質をそのまま反映するものです。弊社のメンバーが年間をつうじて馬や購買者を募るために懸命に取り組んできたことを映し出しています」。

 "ナイト・オブ・ザ・スターズ(星がきらめく夜)"と題して開催された今年のノーベンバーセールでは、上場馬240頭のうち169頭が売却され、総売上額は1億121万4,000ドル(約141億6,996万円)となった。平均価格は59万8,899ドル(約8,385万円)、中間価格は25万ドル(約3,500万円)だった。71頭が最低指定価格に到達せず、主取率は29.6%だった。

 2021年のノーベンバーセールは記録的なものになり、上場馬194頭のうち149頭が売却され、総売上額は1億369万9,000ドル(約145億1,786万円)に達した。平均価格は69万5,966ドル(約9,744万円)、中間価格は30万ドル(約4,200万円)だった。45頭が最低指定価格に到達せず、主取率は23.1%だった。

 ブラウニング氏はこう語った。「魔法のような夜です。高揚感とエネルギーが伝わってきます。取引を行い質の高い馬を売るには最高の環境です」。

 「今回購買された繁殖牝馬から優秀な仔が生まれ、数年後のサラトガセールに上場されるのが楽しみでなりません。ファシグ・ティプトンで取引された馬に望む成功をそれらの馬が達成することを希望します。セリ業界にとって素晴らしい週末となりました。フライトラインのようなファシグ・ティプトン社サラトガセールの出身馬の快挙を目の当たりにできたのですから」。

 11月6日(日)には購買意欲は広がりを見せ、上位10頭が米国・アイルランド・日本からの5組の異なる購買者により落札された。31頭が100万ドル以上で購買され、その中には1頭の当歳馬、イートンセールズが「Hip128」の番号で上場したアンクルモーの牝駒が含まれる。パラマウントブラッドストックのガブリエル・"スパイダー"・デュニガン氏は、G1・3勝馬ベラフニアを母とするその牝駒の売買契約書にサインしたのだ(購買価格:135万ドル)。

 イートンセールズはまた、「Hip 264」の番号で上場したティズザローの仔を受胎した牝馬を400万ドル(約5億6,000万円)でマグニア氏に売却した。

 クールモアは4頭を総額1,790万ドル(約25億600万円)で購買し、このセリのトップバイヤーになった。

 ブラウニング氏はこう語った。「今夜は素晴らしいセリになりました。皆様からのご支援とご信頼にこれ以上ないほど感謝しています。トップクラスの馬が売却されるようなときには特別な感情が湧きます」。

 「11月に上場しようとするのは極めて良質な馬なので、常にプロに徹しようと思っています。買い手も売り手もプロ意識をもって募っていくつもりです。すでに2023年に向けて動き始めています。そのような関係を築き、質の高い馬を持つ人々とともに取り組んでいくことは、継続的なプロセスなのです」。

 テイラーメイド・セールズは42頭を上場し、そのうち33頭が落札された。総売上額は2,144万7,000ドル(約29億6,058万円)となり、このセリでトップの上場者となった。

 テイラーメイド・セールズのCEOマーク・テイラー氏は、「市場はとても健全だと思います。いつも100%売り切ろうとしているので、購買されない馬がいたことをとても心配しています。しかしは素晴らしい夜でした。このまま続いてくれればと思います」と語った。

 テイラー氏はこう続けた。「とてつもないセリでした。いくつか弱い面があり、市場は対応していたと思います。弱い面だと感じたのは、5歳か6歳の重賞を制したレベルの牝馬でした」。

 「市場には敏感なところがあるようで、購買者は若い馬を好むようです。全般的に堅調なセリでした。それに数頭が主取りとなりましたが、数日中に売れると思いますよ」。

 ブラウニング氏は、このセリは今後も堅調な市場が続く基調を打ち出していると述べた。取引は7日(月)にキーンランド11月繁殖セールに移行する。

 「全体として今回のセリにとても満足しています。11月の市場のための素晴らしい方向づけとなり、大きな安堵感をもたらしているのです」とブラウニング氏は付言した。

By Lauren Gash of Bloodhorse

(1ドル=約140円)

[Racing Post 2022年11月7日「Coolmore fork out nearly $18m at Fasig-Tipton led by Gamine and Campanelle sales」]


上に戻る