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2022年10月27日  - No.40 - 4

世界一流マイラー、種牡馬ロックオブジブラルタルが23歳で死亡(アイルランド)[生産]


 ロックオブジブラルタルは10月23日(日)の夜、心不全により23歳で死んだ。世界一流のマイラーであり、種牡馬となる時には世界中でさらに大きな話題となった。

 ロックオブジブラルタル(父デインヒル)はジョー・クロウリー氏とアン-マリー&エイダン・オブライエン夫妻により生産される。現役時代には北半球で初めてG1・7連覇を達成してミルリーフが30年間保持した記録を破り、歴史にその名を刻んだ。

 エイダン・オブライエン調教師に手掛けられたロックオブジブラルタルは2歳時に、カラでのデビュー戦を勝利で飾り、グランクリテリウム(G1 現ジャンリュックラガルデール賞)とデューハーストS(G1)で優勝してシーズンを締めくくった。また、レイルウェイS(G3 2着は同厩舎のホークウィング)やギムクラックS(G2)でも勝利を収めている。

 3歳時には英2000ギニー(G1)、愛2000ギニー(G1)、セントジェームズパレスS(G1)、サセックスS(G1)、ムーランドロンシャン賞(G1)での勝利を競走成績に加える。そしてBCマイル(G1)で2着に入り競走生活を終えた。

 2003年にクールモアで種牡馬となりプライベート価格で供用され、豪州・日本・チリ・ブラジルにシャトルされる。ここ数年もアイルランドで少頭数に種付けを行っていた。

 ロックオブジブラルタルはレースで並外れた才能を発揮したことで有名だったが、ジョン・マグニア氏とサー・アレックス・ファーガソンのあいだで生じた悪名高い争いにも巻き込まれることになった。

 その頃マンチェスター・ユナイテッドの監督だったサー・アレックス・ファーガソンはロックオブジブラルタルの所有権の半分を与えられており、この馬は彼の赤い勝負服を背にギムクラックSを制していた。サー・アレックス・ファーガソンは種牡馬となったロックオブジブラルタルの所有権は自分にあると考え、マグニア氏とクールモアに法的措置をとった。

 マグニア氏と仲間のJ・P・マクマナス氏がマンチェスター・ユナイテッドの大株主であったことから、この争いは公に注目され、2004年初頭にサー・アレックス・ファーガソンが"和解"と表現する形で終結した。

 ロックオブジブラルタルはこれまで世界中でステークス勝馬256頭を送り出し、そのうちの77頭が重賞競走を制しており、16頭がG1競走を制している。

 その中には以下の馬が含まれる。
 ・ マウントネルソン...エクリプスS(G1)・クリテリウムアンテルナショナル(G1)優勝馬
 ・ ソサエティロック...ゴールデンジュビリーS・ヘイドックスプリントカップ(G1)優勝馬
 ・ サミター...愛1000ギニー(G1)・ガーデンシティS(G1)優勝馬
 ・ イーグルマウンテン...香港カップ(G1)優勝馬

 またブルードメアサイアー(母父)としては、2020年と2021年にそれぞれ英2000ギニー(G1)を制したカメコとポエティックフレアを送り出している。

 クールモアのキャッスルハイドスタッドのマネージャーであるパディ・フレミング氏はこう語った。「ロックオブジブラルタルは最後まで健康で素晴らしい外見をしていました。驚異的な競走馬であったと同時にとても優れた種牡馬でした。彼がいなくなってスタッフ全員が寂しい思いをするでしょう」。

By Kitty Trice

[Racing Post 2022年10月24日「World champion racehorse and high-class sire Rock Of Gibraltar dies aged 23」]


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