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2022年09月29日  - No.36 - 1

凱旋門賞1週間前の散水に疑問の声(フランス)[開催・運営]


 ロンシャン競馬場は9月25日(日)に散水したが、凱旋門賞(G1)が近づくにつれてその決定に疑問の声が上がっている。27日(火)にかなりの雨が降り、馬場状態が「稍重」、所々「重」になり、週内にさらに降雨があると予想されているのだ。

 ロンシャン競馬場は25日(日)夜、レースの勝負どころであるフォルスストレートとホームストレッチに5ミリの散水を行った。しかし27日(火)には9ミリの降雨があり、28日(水)と29日(木)にも雨が予想されている。また週末は暴風雨となる可能性もある。

 26日(月)に凱旋門賞挑戦に自信を持っていたミシュリフの関係者は、ロンシャンの散水の決定を"ちょっと意外"と評していた。オーナーブリーダーであるファイサル殿下のレーシングマネージャー、テッド・ヴォウト氏は極端な馬場状態を避けたいと考えており、ロンシャンが悪天候により最悪の状態にならないことを望んでいる。

 総賞金500万ユーロ(約7億円)の凱旋門賞は、ロンシャンで土日に開催されるG1競走10レースのうちの1つであり、過去3年間は公式発表で「重」か「不良」の馬場状態で施行された。

 ヴォウト氏は散水について質問されてこう語った。「ちょっと意外でしたね。今朝の天気を見てむしろ期待していたのですよ。金曜日に降ると思われていた雨が土曜日に降るようなので、その傾向が続けば、うまくいくと良い状態の馬場になる可能性もあるかもしれないと」。

 「だからひどい話なんです。けれども、結局5ミリ散水していてもあまり大きな違いはないだろうと思います。数日のうちに30ミリの降雨があれば、いずれにせよおしまいですから。ドロドロの最悪な馬場状態は避けたいので、様子を見ようと思います」。

 この夏ミシュリフとコンビを組んでいたジェームズ・ドイル騎手が怪我により離脱している。また2020年のダービー馬、アダイヤーが凱旋門賞に出走せずに英チャンピオンS(G1 10月15日 アスコット)に向かうという一報が入った。それをうけ、ミシュリフに騎乗するのはウィリアム・ビュイック騎手となった。

 ビュイック騎手がG1・3勝馬ミシュリフに騎乗するのは初めてとなる。また関係者によると、ミシュリフの種付権利は英国とフランスで牧場を経営するスンベ社(Sumbe)に売却されたという。

 凱旋門賞がミシュリフのラストランになるかどうかはまだ決まっていないが、スンベ社の声明によると、今年3月に16歳だった一流種牡馬ルアーヴルを失ったため、この購入を喜んでいるとのことである。

 ゴドルフィンの主戦であるビュイック騎手は今回騎乗依頼を受け入れたが、今シーズンは、ジョン&セイディ・ゴスデン厩舎の馬に英国のレースで2回しか騎乗していない。ただし、彼は2010年から2014年にかけて厩舎の所属ジョッキーとしてジョン・ゴスデン調教師が手掛ける馬で307勝を挙げており、好成績を収めているのだ。

 アダイヤーの回避により、単勝7倍のアルピニスタが英国調教馬の中での本命となっている。また、1番人気のルクセンブルクのオッズは5.5倍から4.5倍に下がった。

 ゴドルフィンはツイッターで次のような声明を出した。「26日(月)の協議の結果、アダイヤーは凱旋門賞を回避し、条件が合いそうな英チャンピオンSに向かうことが決定しました」。

By James Stevens

(1ユーロ=約140円)

[Racing Post 2022年9月27日「'An interesting move' - Longchamp watered on Sunday despite wet forecast」]


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