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海外競馬ニュース
2022年07月21日  - No.26 - 3

森林火災により調教センターから約370頭が避難(フランス)[その他]


 ボルドーの南西部にあるラ・テスト・ド・ビュッシの調教センターは避難を余儀なくされた。フランス全土から集まった1,700人の消防士が、ジロンド県で8日間にわたって猛威を振るう森林火災と闘い続けているのだ。

 競馬関係者と調教師は7月18日(月)の午後3時~4時前後に、移動を始めなければならないほど炎は接近していると判断した。それゆえ調教センターの在厩馬は、ボルドー、ランゴン、さらにはポー(ラ・テストから車で北に2時間半)にある調教施設に分散されることになった。

 G1を数回制しているクリストフ・フェルラン調教師も管理馬を移動させた。そして19日(火)の朝、調教のためにボルドー・ル・ブスカ競馬場に向かう管理馬を撮影した動画をツイートし、移動にともなう混乱が最小限であったことを報告した。

 「最終的には選択の余地がなかったですね。火災で有毒ガスが発生していたのですから。全頭をボルドーの競馬場に輸送し、今朝は通常どおりの調教ができました」。

 ラ・テストには約370頭が在厩していたが、移動作業には予期せぬ方面からの協力も必要となった。スペインの馬輸送業者が国境を越えて援助に駆けつけてくれたほどだ。

 トレーナーズランキングで8位となっているフェルラン調教師はこう語った。「あらゆる地域から援助してもらいました。サン・セバスティアン(スペイン・バスク地方)の輸送業者も助けに来てくれましたし、ボルドーの障害競技を専門とするロイック・デュラン厩舎の人々も協力してくれました。今朝までに厩舎に被害はありませんが、いつ戻れるのか見当がつきません」。

 ラ・テストの調教センターは競馬場の近くにあり、現在競馬場は警察と消防士の基地として利用されている。

 ジロンド県では2つの火災が約1万7,000ヘクタールの森林や草木を焼き尽くし、ラ・テストのごく周辺だけでも5,000ヘクタール以上が焼失している。

 7月18日(月)には、飛行機9機がこの地域の上空で放水活動を行い、ジロンド県消防安全局長であるマルク・ヴェルムラン氏はルモンド紙に対して、「警官たちは樹齢40年の松が燃え上がっているのを目の当たりにしました」と語っている。

 7月19日(火)の朝、消防部隊は長さ5kmにわたる幅40mの防火帯を築いて火災の進行を食い止めようとしていた。

 18日(月)に時速50 kmもの強風が向きを変えたとき、この避難が決定された。ジロンド県は19日(火)も最高気温が40度に達するが、日が経つにつれ熱波の中心はさらに東に移動すると予測されている。

By Scott Burton

[Racing Post 2022年7月19日「Forest fires force the evacuation of hundreds of horses from training centre」]


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