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海外競馬ニュース
2022年06月30日  - No.23 - 2

レイタウンのビーチレーシング、観客用テントの提供を中止(アイルランド)[開催・運営]


 空前のランニングコスト大幅増加により、レイタウンの関係者は毎年恒例となっている有名なビーチレーシングにおけるホスピタリティサービスの中止を余儀なくされた。

 毎年最多で300人の競馬ファンがレイタウン(アイルランド・ミーズ州)で観客用テントを利用していた。しかしマネージャーのケヴィン・コールマン氏は本紙(レーシングポスト紙)に対して、今年も同じサービスを提供すれば主催者は赤字になると語った。

 年に一度のビーチレーシングは前回、2021年11月に開催された。新型コロナ感染防止ガイドラインの実施による影響が懸念されたため、開催日程が従来の9月から変更されており、企業によるホスピタリティの提供もなかった。また2020年も同様の問題でビーチレーシングの開催自体が中止となっていた。

 コールマン氏によると、レイタウンでは15年ほど前から観客用テントが設置されており、英国の競馬ファンのあいだで人気を博していたという。

 「今年はレイタウンでホスピタリティを提供しないと、委員会は決定しました」。

 「2022年に向けて利用料を引き上げようとしていましたが、実行すれば結果的に赤字になっていたでしょう。また、利用料も50%アップせざるを得なかったでしょう。このような状況なので、すでにいろいろな情勢から1人当たり100ユーロ(約1万4,000円)を徴収していました」。

 「この状況に乗じてお金儲けをしようとは思っておらず、十分に情報を得た上で決断しなければなりませんでした。ホスピタリティサービスはしばらくのあいだ再開されることはないと思います」。

 「2020年は予約を受け付けていたのに、新型コロナ感染拡大のせいでビーチレーシングは開催されませんでした。予約した人々は、"前払金を繰り越す"か"返金を受ける"かを選べましたが、大半の人々が"返金"のほうを選びました」。

 「2021年にはホスピタリティサービスを提供せず、2020年の前払金の一部は2022年に繰り越されました。価格調整も検討したのですが、すべてが高騰しています」。

 「割増金の支払いをしてくれる人もいたでしょうが、うまくいきそうにありませんでした。これまで経験したことのないようなコストに追いつめられることになったのです」。

 レイタウンの決定は、2020年の前払金が繰越しになっていた人々に通知された。

 しかし英国在住の競馬ファンの中には、ホスピタリティサービスを期待してビーチレーシングのために航空券とホテルを予約していた人もいた。

 コールマン氏によると、これらの人々には返金の手続きが進められており、彼らに対しては一般入場料を善意で無料とする予定だという。

 「これらの人々のことは忘れてはいません。それに何年にもわたり私たちを厚く支援してくださったことに感謝しています」。

 「ホスピタリティサービスは確かに楽しんでいただけていたと思います。それに資金提供してくださるスポンサーや競馬ファンもいました。ただ、レイタウンに来場する人々は企業のテントに座るのと同様に、その場にいることを、そして華々しいレースを見ることをとても楽しんでいるのです」。

 コールマン氏はコスト上昇の要因についてこう語った。「まず、テントのような仮設機材の需要がかなり高まっていることが挙げられます。需要が価格を押し上げるのです。それだけでなく、テント業界の人々も一般の接客業の人々と同じようにスタッフが集められず賃金の引き上げを余儀なくされて苦戦しています」。

 「そのため企業のテントが占めるエリアを利用して、すべての来場者により良い設備を提供する予定です。同じ場所でフードコートのようなものを提供するつもりです」。

 レイタウンは1868年に初めてビーチレーシングを開催した。今年のビーチレーシングは9月8日に開催予定。

By Mark Boylan

(1ユーロ=約140円)

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[Racing Post 2022年5月27日「Laytown cancels beach hospitality services after major hike in running costs」]

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