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海外競馬ニュース
2022年05月26日  - No.18 - 5

レース映像のカメラアングルのひどさに怒りを覚える(イギリス)[その他]


 年がら年中ほぼ毎日、レース中継とリプレイを見ている。もしあなたが私と同じような人種なら、きっと同じことに怒りを覚えているだろう。それはレース映像の水準だ。

 馬群のごく一部しか見えないカメラアングルがあまりにも多すぎて、ほとんどの出走馬に何が起きているのか視聴者は分からない。4月29日のニューマーケットの最終レースを例にとってみよう。5頭立てのレースで、最後の1ハロン(約200m)はほぼずっと1頭しか画面に映っていない。惨憺たることだ。

 確かにレースの主役は勝馬だが、後続馬も将来おもしろい存在になりうる。さまざまな要因で数馬身のロスが生じてしまうことがあり、馬券購入者は敗れた馬がふたたび出走するときにより詳しい事情を知っておくため起承転結すべてを見る必要がある。

 ここで悲惨なカメラアングルの問題が浮き彫りになる。なぜならレース中継のカメラアングルが悪いと、馬券購入者が後でリプレイを見返そうにも同じおぞましいカメラアングルにしかアクセスできないからだ。

 レース展開、レース中のパフォーマンスを把握するうえで、リプレイは重要な手がかりとなる。しかし現時点でよくあるのは、レース後に新聞社や視聴者が見られる唯一の映像はたった1つのアングルというケースで、とりわけ慌ただしい週末にすぐに次のレースに切り替わる時など特にそうだ。

 さまざまなオプションのある香港とは対照的だ。先頭を集中して映すカメラ、正面から映したリプレイ映像、さらには入線後のリプレイ映像などのオプションが香港にはある。

 少なくとも英国とアイルランドはこれを手本とするよう努力すべきである。しかしもっと踏み込んで、レース前のパドック映像のリプレイも提供すべきだ。そうすると、本当の意味でパフォーマンスに対する洞察ができる。この馬はレース前の振る舞いが良くなかったか?これらの馬は良い状態を維持していたか?

 さまざまなリプレイ映像が存在していることは分かっている。レース後の分析やツイッターの短い動画でそれらを目にするからだ。今こそ、競馬界は新聞社に販売するリプレイパッケージの一部としてそれらを無期限で見られるようにする時だ。

 ファンの気持ちをとらえ、より詳しい情報を提供するために、できることはすべて行うべきである。全レースでラップタイムの提供がルール化され、英国でレースカードへ「ノド鳴り手術」の記載が行われることによって、少しずつではあるが目標に近づいている。しかしリプレイ映像の提供はもう1つの重要かつ延び延びになっているステップだろう。

By Jonny Pearson

[Racing Post 2022年5月13日「Appalling TV camera angles are infuriating me - especially when studying replays」]

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