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2022年04月21日  - No.15 - 3

クレイグ・ウィリアムズ騎手、ウクライナに救援物資を届ける(ウクライナ)[その他]


 メルボルン地区のトップジョッキー、クレイグ・ウィリアムズ騎手(44歳)は、多忙な騎乗スケジュールの合間を縫ってウクライナへの4日間の旅に出かけた。そしてきわめて重要な人道援助物資を軍隊に届けるという個人的な使命を遂行した。

 ロシアがウクライナに侵攻してから行ってきた数々の悲惨な残虐行為の数々に恐怖を覚え、ウィリアムズ騎手とウクライナ出身のラリサ夫人は救援活動への支援に参加した。

 夫妻は物資と資金を集め自ら荷造りをしてポーランドの首都ワルシャワに空輸し、その後国境まで車を運転し、92個の特殊部隊用外傷救急キット・現金・ドローンを引き渡した。

 ウィリアムズ騎手はこう語った。「物資を確実に現地に届けるために私たち自身でやるしかなかったのです。運送や発送をしたままにするリスクは冒せません。なぜなら倉庫に眠ったままになってしまうかもしれないからです」。

 「そんなことでは良くないなと思ったのです。それらの物資は渇望されていますので、必ずや自分たちの責任を果たし、それらが必要とされる場所に一刻も早く届けられるようにする必要があったのです」。

 ウィリアムズ騎手は2019年メルボルンカップ(G1)をヴァウアンドディクレアで制覇するなどG1・68勝を挙げている。通算2,200勝以上を達成しており、20年間トップに君臨してきた。英国のミック・シャノン厩舎を拠点に騎乗していた時期には、トブーグ(Tobougg)でデューハーストS(G1)を制している。

 セリに参加した英国のエージェント(馬売買仲介者)、デヴィッド・レッドヴァース氏から英国やアイルランドの競馬コミュニティーがどれほどウクライナの人々を支援しているかについて聞き、ウィリアムズ騎手は恐縮したと語った。

 「妻は参加しているフェイスブックのグループを通じて、前線にいる兵士のための外傷救急キットが切実に求められていることを知りました。競馬で知り合った人を通じて、これらの物資を確保してくれる人を見つけることができました」。

 「最終的には4つのスーツケースをいっぱいにするだけのキットが集まりました。それに郵便では送ることできないドローンや、病院や負傷者の家族のための資金も手に入れました」。

 ウィリアムズ夫妻は4月9日のランドウィック競馬場でのレース後にシドニーを出発し、カタールの首都ドーハを経てワルシャワへと飛んだ。そしてごく親しい人たちだけにこの使命を伝えていた。

 ウィリアムズ騎手は「ワルシャワでレンタカーを借りました。翌朝3時半にポーランドとウクライナの国境検問所まで行き、ドローン、キットが入った4つのスーツケース、ウクライナ通貨を届けることができました。そして4月13日(水)にこちらに戻ってきました」と語った。

 ラリサ夫人の両親はウクライナ北部のハルキウ(ハリコフ)に住んでいる。ウィリアムズ騎手はこう続けた。「街は3度爆撃を受けました。義父は動けなくて家を出ることができません。彼を4時間以上1人にしておくことができず、義母は爆撃が始まったときに避難壕に行くことができませんでした。ラリサの兄と義姉と甥も近くに住んでいます」。

 ウィリアムズ騎手はすぐに騎乗を再開し、4月16日(土)にコーフィールド競馬場で2勝を達成した。そして、豪州でウクライナのために声をあげ続け、必要であればウクライナに戻る用意があると述べた。

 「この戦争はすべての人々に影響を及ぼしています。ウクライナは欧州のためだけにこの戦争を戦っているわけではありません。共産主義に対抗する民主主義のために、世界のほかの国々のためにも戦っているのです。この侵略を早く終わらせるために、できるかぎり支援することが本当に大事です」。

 「私たちにとってとても大切なことであり、世界中の人々がこれほど支援しているのを目の当たりにするのは素晴らしいことです。人々の強さを見ることで力づけられています」。

 「ウェブサイトにたくさんのショートメッセージやメールをいただき、支援の申し出もありました。次に重要になってくるのは、ほかに何が必要なのかを知り、妻が新たなプロジェクトを考え出すことです。もちろん私にできることがあれば、妻やその家族、ウクライナの人々を支援する準備はできています」。

By Jon Lees

[Thoroughbred Racing Commentary 2022年4月16日「Top Aussie jockey Craig Williams drives to Ukraine to deliver humanitarian aid for relief effort」]


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