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2021年12月23日  - No.48 - 1

ロイヤルアスコットの賞金増額とシャーガーカップの拡大が発表される(イギリス)[開催・運営]


 アスコット競馬場は、2022年に記録的な賞金を提供すると新たに表明した。賞金増額の大部分はロイヤルアスコット開催を輝かせ続けることを目的としている。

 スポンサーがついている英チャンピオンズデーを除く2022年の賞金総額は1,564万ポンド(約23億4,600万円)に上る。平地と障害の競馬番組全体で賞金は増額される。これは新型コロナの世界的流行の前のレベルに比べておよそ200万ポンド(約3億円)あるいは14.4%の増加を意味する。

 キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1)の総賞金は、パンデミック前の125万ポンド(約1億8,750万円)に返り咲く。一方シャーガーカップはその構成が拡大され、過去最高の賞金が提供される予定である。

 今回の賞金増額は、アスコットが新型コロナ感染拡大により大きな打撃を受けているにもかかわらず実行される。このパンデミックは過去2年間、最も収益性の高いロイヤルアスコット開催に影響を及ぼしている。

 アスコットは2020年に20万ポンド(約3,000万円)の損失を記録し、今年の損失は1,000万ポンド(約15億円)以上に拡大すると予想されている。

 それでも、アスコットは2022年に賞金のために830万ポンド(約12億4,500万円)を拠出すると見込まれている。

 この賞金増額のニュースは、2022年に15競馬場の賞金総額が過去最高の5,820万ポンド(約87億3,000万円)に達するというジョッキークラブ競馬場社の今週の発表と、2022年の賞金への提供額を400万ポンド(約6億円)引き上げて2,170万ポンド(約32億5,500万円)にするというアリーナレーシング社の10月の約束に続くものだ。

 2022年のロイヤルアスコット開催の賞金総額は865万2,500ポンド(約12億9,788万円)となり2019年から132万2,500ポンド(約1億9,838万円)増額される。

 G1・3レースが施行される初日は、ロイヤルアスコットで初めて賞金総額が200万ポンド(約3億円)に到達する日となる。プリンスオブウェールズS(G1)とプラチナムジュビリーS(G1 ダイヤモンドジュビリーSから改称)はロイヤルアスコット初の総賞金100万ポンド(約1億5,000万円)のレースとなる。なお、ロイヤルアスコットのどのレースも総賞金が10万ポンド(約1,500万円)以上となる。

 アスコット競馬場のCEOガイ・ヘンダーソン氏は、賞金増額の大部分がロイヤルアスコットに集中したのは英国競馬の最上級の質を維持する必要性があるからであると述べた。

 「再建に向けて取り組んでいるときにパンデミック前の賞金プランに戻ることを発表できることをうれしく思います。これらの計画はやむを得ず遅れていましたが、今日は前向きに考えることができます」。

 「英国のパターン競走と最上級の競馬番組の質を全般的に維持することはきわめて重要です。当然のことながら、本日発表した賞金増額の大部分はロイヤルアスコットの35競走に集中しています」。

 「競馬のレース賞金は、サッカーで言うところの選手への報酬に相当します。最高のプレーヤーを引き付けて英国競馬への国際的な投資を維持するために、できるかぎり最高の賞金を提供する必要があります」。

 「アスコットを世界レベルの競走で飾られたグローバルブランドにしていくなかで次の目標となるのは、ここ何年かのうちにG1・9競走でそれぞれ少なくとも100万ポンド(約1億5,000万円)を提供できるようにすることです」。

 シャーガーカップ開催の賞金総額は2019年の36万ポンド(約5,400万円)を上回る過去最高の55万ポンド(約8,250万円)となる予定である。競馬番組は6競走から8競走に増加し、各競走が12頭立てとなる(これまでは10頭立て)。チーム形式の詳細は来年発表される。

 アスコットは、全平地競走で1万5,000ポンド(約225万円)以上、全障害競走で1万ポンド(約150万円)以上の賞金を提供すると述べた(ただしバンパー競走3レースとハンターチェイス競走1レースを除く)。

 またキングジョージデー(7月23日)とシャーガーカップデー(8月6日)には、追加的に厩舎賞(stable prize)として2万5,000ポンド(約375万円)が提供される予定である。

 しかし、アスコットは新型コロナの状況によって計画が変更される可能性があると注意喚起した。

 ヘンダーソン氏はこう続けた。「平地競走と障害競走の出走頭数はプレッシャーにさらされています。これを念頭に置いて競馬番組の全体にわたっていくつかターゲットを定めて出走頭数を増やしていくとともに、平地と障害のいずれにおいても最低賞金額を引き上げました」。

 「具体的にはキングジョージウィークエンドにいくつかの変更を加え、シャーガーカップ開催を12頭立ての8競走に拡大しました。そして既存の競走の総賞金は6万ポンド(約900万円)から7万5,000ポンド(約1,125万円)に引き上げ、新たに総賞金5万ポンド(約750万円)の競走を2つ追加しました」。

 「厩舎賞に関する私たちの目標は、馬主と調教師にこの2つの開催日をターゲットにすることを奨励し、今年のシャーガーカップ開催で成功した試みをさらに発展させることです」。

 来年のロイヤルアスコット開催の終了後にCEOを退任するヘンダーソン氏は、「最後に、2021年に忠実にサポートしてくれたアスコットのスタッフ、顧客、商業パートナーの皆様に感謝したいと思います。皆様のサポートが大きく寄与し、2022年もふたたびビジネスを前進させられるようになっています」と付言した。

By Bill Barber

(1ポンド=約150円)

[Racing Post 2021年12月13日「Record prize-money on offer at Ascot in 2022 plus Shergar Cup meeting expands」]

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