TOPページ > 海外競馬ニュース > フランスからの遠征馬シリウェイ、英チャンピオンSを制覇(イギリス)[その他]
海外競馬ニュース
2021年10月21日  - No.39 - 1

フランスからの遠征馬シリウェイ、英チャンピオンSを制覇(イギリス)[その他]


 凱旋門賞ウィークエンド(ロンシャン競馬場)を終えてわずか2週間後の英チャンピオンズデー(アスコット競馬場)で走るのは大きな挑戦である。まして、凱旋門賞(G1)そのものに出走してから英チャンピオンS(G1)で最高のパフォーマンスを発揮することは、なおさら大きな挑戦である。

 それこそシリウェイが成し遂げたことだ。同馬はこの権威あるG1競走が10年前にアスコットに舞台を変えて以来、フランスに3勝目をもたらした。

 シリウェイは仏ダービー(G1 6月6日 シャンティイ)でセントマークスバシリカの2着となって以来の出走だった凱旋門賞(10月3日)で5着に入った。13日前のロンシャンで行われたこのレースが彼の活力を奪ったという様子はなかった。

 実際、彼の感覚は研ぎ澄まされていたようで、ペースメーカーの後ろでチャンピオンのように走り、残り3ハロン(約600m)の地点で昨年の覇者アデイブを追い抜き、その1ハロン(約200m)後には英ダービー(G1)とキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1)の優勝馬アダイヤーと並んだ。

 アダイヤーはシリウェイと同様に凱旋門賞に出走した後の参戦だったが、そこからは力が残っておらず、先頭を走るシリウェイを他馬が追い掛ける形になった。

 後続には英インターナショナルS(G1)優勝馬のミシュリフ、愛2000ギニー(G1)優勝馬マックスウィニー、急成長中のドバイオナーなどがいた。しかしシリウェイはいつでも使えるようにタンクを満タンにしていたため、2万5千人の観客が最高潮に達するとギアをトップに入れた。

 シリウェイはミカエル・バルザローナ騎手を背に、その位置を決して明け渡すことはなかった。バルザローナ騎手は2011年にプールモワで英ダービー(G1)を制したときほどの熱狂的な喜び方はしなかったが、シリウェイが追加登録のドバイオナーを¾馬身退けてゴールを駆け抜ける前に観客へのアピールは行った。マックスウィニーはさらに1½馬身後ろの3着に入った。

 勝利ジョッキーはこう語った。「このようなビッグレースで騎乗できて最高です。それにこの馬がまだ駆け出しのころから乗ることができてラッキーでした。今日のように自らの才能を証明するのにふさわしい馬です」。

 「チームはとても自信を持っていました。今日もシリウェイが凱旋門賞から大きく成長したと言っていたのですよ。タフなレースでしたが、彼はよくやってくれました」。

 「1頭の馬(ドバイオナー)が並んでこようとしているのを感じたとき、すぐに抜かされなかったので、"抜かすのは難しいんだな"と思いました。彼は凱旋門賞でスタミナを見せましたが、今日はスピードを見せました。ただ、素晴らしい馬だと思いますね」。

 マルセイユを拠点とするセドリック・ロッシ調教師にとって、この勝利は魔法のような13日間を締めくくるものとなった。凱旋門賞の日にルジールがオペラ賞(G1)を制したときに自らにとってのG1初優勝を果たしていた。彼の反応がフランス語から英語に翻訳された後でも、彼の言葉には純粋な喜びが感じられた。

 同調教師は、アスコットでの初めての優勝馬を"美しい"と表現し、「ルジールに続いて、わずか2週間で2つ目のG1優勝という大きなことを成し遂げ、とても誇りに思っています」と語った。

 シリウェイにとってこの勝利はG1・2勝目となった。同馬は1年前にロッシ氏の叔父で同じくマルセイユを拠点とするフレデリック・ロッシ調教師に手掛けられ、ジャンリュックラガルデール賞(G1)を楽々とゴールして強い印象を与える勝利を収めていた。

 優勝馬は仏ダービーの後に現在の調教師のもとに転厩したばかりだが、明らかに新しい環境に馴染んでいる。

 ロッシ調教師はこう語った。「私の厩舎に来てまだ3ヵ月半しか経っていません。彼は凱旋門賞を走ったことで成長を遂げ、今回のレースは万全の態勢で臨みました。ロンシャンのレースでの疲れからすっかり回復していましたし、私たちは勝つことを考えてここに来ました」。

 調教師はシリウェイ(馬主:ラ・グスリー牧場)が4歳も現役を続行する可能性が高いと述べたが、年内にもう一度出走する可能性もある。

 英チャンピオンS優勝馬にはBCターフ(G1 デルマー)への優先出走権が与えられる。ロッシ調教師は、「彼は重馬場を得意としていますが、それが必須というわけではありません。彼が好んでいるのは重馬場でのペースです。年内にもう一戦するかどうかはわかりませんが、凱旋門賞の前の放牧期間がかなり長かったので、可能性はあります」と語った。

 14日前にドラール賞(G2)を制した後、7万5,000ポンド(約1,163万円)を支払ってこのレースに追加登録されたドバイオナーはあくまでもG1馬となるのを待ち望んでいるようで、12月に香港に遠征する可能性もある。

By Lewis Porteous

(1ポンド=約155円)

[Racing Post 2021年10月16日「'He deserved to prove his talent' - Barzalona praises Champion scorer Sealiway」]

上に戻る