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2021年10月14日  - No.38 - 1

ネイティブトレイル、デューハーストSを制して英2000ギニー最有力馬に(イギリス)[その他]


 ネイティブトレイルはデューハーストS(G1 ニューマーケット)の前から目立った存在で、レース後も注目を浴びることになった。ウィリアム・ビュイック騎手を背に冷静な走りっぷりを見せてG1・2勝目と無傷の4連勝を達成し、英2000ギニー(G1 ニューマーケット)の最有力馬として冬の放牧期間に入る。

 チャーリー・アップルビー調教師はネイティブトレイル(父オアシスドリーム)のことを "少年たちの中にいる大人の男"と何度も表現してきた。この馬はレース前のパドックでほかの馬よりも抜きん出ていたので、見逃すようなことはなかった。

 ネイティブトレイルはレース前半で中団に閉じ込められていたために少々見つけにくかったが、ビュイック騎手が柵から離して前方が開いた進路に誘導すると、能力を見せつけほかの7頭を圧倒し、積極的に追われていたドバウィレジェンドを抜き去り2馬身差の勝利を決めた。さらに½馬身後ろの3着にはシャンペンS(G2 ドンカスター)の勝馬ベイサイドボーイが入った。

 アップルビー調教師はこう語った。「出走馬がパドックを回っているうちに、自信が湧いてくるような一コマがありました。それは彼が他の馬よりもひときわ目立っているように見えたことでした。今では、来年の英2000ギニーに向けて素晴らしい馬を手に入れたなと思っています」。

 「馬体重は540kgで、ブリーズアップセールのときからそうでした。彼はレースに没頭していき、道中それをうまい具合にやってのけるのです。今日もそれを目の当たりにしました。ウィリアムが合図を送ると、うまく持ち直すだろうという自信があったのです」。

 「この馬は上り坂に差し掛かっても決して全力疾走をやめようとしないのです。ナショナルS(G1 カラ)での勝利とよく似ていました。合図を送られたときの加速はまったく驚くべきものです」。

 アップルビー調教師・ビュイック騎手・ゴドルフィンにとって記念すべきこの日に、ニューマーケットの調教師は英2000ギニーの人気馬をしっかり両手でつかみとった。ネイティブトレイルの同厩舎馬コロイボス(Coroebus)がオータムS(G3 ニューマーケット)で他馬を引き離して勝利を収め、クラシックの栄誉に向けて名乗りをあげたのだ。

 アップルビー調教師とビュイック騎手はいや応なく2頭の比較を求められたが、2人の意見は少し違っていた。

 アップルビー調教師はこう語った。「ウィリアムとはたぶん意見がわずかに違うと思います。私はコロイボスが好きです。道中素晴らしい走りをする馬です。クラシック競走で唯一求められることは道中うまく走ることで、コロイボスはそれを見事にこなしています」。

 「どれだけ速く走っても問題ありません。残り2ハロン(約400m)まで馬に努力を求めることはないでしょう。これは私の考えですが、この2頭を手に入れられて私とチームにとって本当に素晴らしいと思っています。来シーズンが楽しみです」。

 ブックメーカーは、ネイティブトレイルをオッズ4倍の1番人気、コロイボスを6倍の2番人気としている。2頭とも今年はもう出走しないが、来シーズンの春の目標を英2000ギニーとしている。

 アンドリュー・ボールディング調教師を追い抜き、現在英国平地競走の調教師ランキングの首位に立つアップルビー調教師は、こう続けた。「私たちは2頭の素晴らしい牡駒を預かり冬を迎えることができるという、とても恵まれた立場にいます。春の初めは2頭を別々に手掛けるでしょうが、冬場にどのような成長を遂げるかが見ものです」。

 「厩舎ではどのような場所でも2頭を近づけたことがありません。ネイティブトレイルは評価が難しい馬です。コロイボスが道中楽しんで走る一方で、ネイティブトレイルは異なる方法で走っています。彼が1マイルよりも長い距離で走るとは考えられませんね」。

 この日3勝を挙げたビュイック騎手は走り方よりも内容で判断し、ゴドルフィンのモールトン調教場における2歳馬の序列のトップにネイティブトレイルを置いた。

 勝利ジョッキーはこう語った。「彼らを比べるのはとても難しいです。現段階ではネイティブトレイルがG1・2勝馬なのでリードしていますが、来年にならないと分かりません。ネイティブトレイルはプレッシャーをかけに行きますが、コロイボスは道中とても力強く走り、すばやくギアを上げます」。

 「混乱模様の中で、結果的になぜかスタンド側の柵に沿って走ることになりました。道中ずっとどのような状況にも対応できるようにしていました。ただ、この馬が上り坂に差し掛かるとギアを上げるだろうということは分かっており、彼はその通りのことをやってくれました。大きな馬で、すべてを備えています。冬を越せば、さらに良くなるでしょう」。

 ネイティブトレイルとコロイボスが今シーズンふたたびレースに出走することはない。一方関係者によると、ドバウィレジェンドとベイサイドボーイはブリーダーズカップ開催(11月5日・6日 米デルマー競馬場)への遠征が検討されている。

By Lewis Porteous

[Racing Post 2021年10 月9 日「'Man among boys' - Native Trail storms home in Dewhurst to cement Guineas claims」]

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