2020年ワールドベストレースホースはガイヤース(国際)[その他]
ガイヤースは、G1・3勝を果たしレーティング130を獲得した輝かしい2020年シーズンを終え、ワールドベストレースホースに選ばれた。
ゴドルフィン所有のガイヤース(父ドゥバイ)は、6月にコロネーションカップ(G1 エプソム)で圧倒的な勝利を決め、その後のエクリプスS(G1 サンダウン)においてはぞくぞくするような競り合いの末、エネイブルを凌いで優勝した。
その次のレースとなった英インターナショナルS(G1 ヨーク)で、ガイヤースは名牝マジカル、プリンスオブウェールズS(G1)優勝馬ロードノース、そして英2000ギニー(G1)優勝馬カメコを打ち破った。
この3馬身差の圧勝はガイヤースのキャリア最高のパフォーマンスと見なされ、英インターナショナルも2020年の最高レーティングのレースとして評価された。
ガイヤース(チャーリー・アップルビー厩舎)は9月の愛チャンピオンS(G1 レパーズタウン)で、マジカルがヨークでの着順を引っくり返したため、2020年唯一の敗北を喫した。
アップルビー調教師はこう語った。「ガイヤースのような馬を手掛けることができたことを大変名誉に思います。彼は最初から私たちの最愛の1頭となりましたし、このような馬をモハメド殿下のために管理するのは光栄なことなのです」。
「2020年は、彼があたかも完成品であるかのように感じながら迎えたシーズンでした。彼はシーズン初戦のドバイミレニアムS(G3 メイダン)で猛烈なパフォーマンスを見せ、心身ともに戦う態勢を整えて欧州の競馬シーズンに臨みました」。
「英インターナショナルSでの勝利は私にとって最も満足のいくものでした。エクリプスSで目にしたエネイブルを負かすほどの実力が確信できました。"エクリプスSでは運よくあのようなパフォーマンスができた"と考えた人もいたかもしれませんが、彼は英インターナショナルSで自らの実力を立証しました」。
ウィリアム・ビュイック騎手はガイヤースのキャリア全13戦のうち11戦でコンビを組み、2020年は4戦すべてで手綱を取った。
「ガイヤースは、2020年、徐々にその調整が進んでいったのではないと思います。彼は完成品でした。世界チャンピオンはあらゆるものを備えていなければならず、彼はすべての条件を満たしていたので、私たちは彼になんでも挑戦させられたのでしょう。純粋な能力と天賦の才能で、私がこれまで騎乗した彼は最高の中距離馬でした。彼に騎乗した日は、彼を負かせる馬はいないだろうと考えていました。彼の驚異的なパフォーマンスを見れば分かります」。
ガイヤース(6歳)は英国の平地シーズン終了後に引退し、現在父ドバウィがいるゴドルフィンの種牡馬群に加わっている。
ケンタッキーダービー(G1)とBCクラシック(G1)の優勝馬オーセンティックが、2番目に高いレーティング126を獲得した。
その他のトップ10入りした馬はすべてレーティング125を獲得した。その中には、欧州の優秀なマイラーであるパレスピアとペルシアンキング、英チャンピオンS(G1)優勝馬アデイブ、そしてストラディバリウスが含まれる。
2020年にベルモントSやトラヴァーズSなどのG1競走を3勝したティズザローは、優れたスプリンターである豪州のビヴァークと香港のクラシックレジェンドとともにトップ10リストを完成させた。
ストラディバリウス(レーティング125)は、1988年のミンスターサン以来最高のレーティングを獲得した長距離馬となった。これには、ゴールドカップ(G1)での破壊的な10馬身差の勝利が大きく寄与している。同馬は今や、ゴールドカップを三連覇している。
ストラディバリウスの主戦を務めるフランキー・デットーリ騎手は、2020年もG1・9勝を挙げるという快挙を遂げ、3年連続で年度代表ジョッキーに選ばれた。
現在ドバイワールドカップカーニバルで騎乗するデットーリ騎手はこう語った。「3年連続でこの賞を受賞できたことを大変光栄に思います。この年齢でまた受賞できるだろうと誰が考えたでしょうか?この賞を通じて、騎手が世界中で認められるのは素晴らしいことです」。
「ストラディバリウスは長らく、世界中でおなじみの人気者となっています。パレスピアは驚くべきマイラーです。しかし、エネイブルが生涯において最も愛した馬だということは言うまでもありません」。
「彼女は世界中の人々の心をとらえてきました。凱旋門賞(G1)3勝は達成できませんでしたが、キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1)3勝を成し遂げました。今や彼女は繁殖入りしてとても寂しいのですが、彼女は競馬界や多くの人々にとても大きな喜びをもたらしたと思います」。英インターナショナルSは、2015年に「世界のトップ100・G1レース」が創設されて以来、英国のレースとして初めて首位に輝いた。
ヨーク競馬場のCEOウィリアム・ダービー氏はこう語った。「これはただ大変な名誉であり、スリルを感じています。私たちはいつも、このレースに最高の馬とジョッキーを引き付けるように努めてきました。そのため、世界中に数々の素晴らしいレースがある中でナンバーワンに選ばれたことを有難く思っています」。
「私たちの最も豪華なレースにあれほど優秀なG1馬が出走してくれたことは、夢のようでした。レースで数々のストーリーや出来事が展開していくのを目の当たりにしてワクワクしました」。
「世界中のすべてのG1競走に順位をつけてこのレーティングをまとめてくれたロンジン社とIFHA(国際競馬統括機関連盟)に感謝しています」。
「ヨークにいる私たちにとって、首位に輝くとは信じられないほど素晴らしいことであり、このレースに馬を出走させてくださった関係者の皆様とジャドモントファームに感謝します。彼らの協力がなければ、これほどまでに見事なレースを施行できていなかったでしょう」。
凱旋門賞は2015年と2017年~2019年に「世界のトップ100・G1レース」で首位に輝き、BCクラシックは2016年にその栄誉を獲得した。
愛チャンピオンSはこのランキングの第2位となり、エクリプスS、ジャックルマロワ賞、英チャンピオンSもトップ10入りを果たした。
By Tom Ward
[Racing Post 2021年1月26日「Ghaiyyath the greatest as Godolphin star is named best in the world for 2020」]